カテゴリー別アーカイブ: いぬすき

冬場に備えて(=^・^=)

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236NPO法人あおぞら2024年10月23日 (Blognoteより転記)

二十四節季:霜降


暦では二十四節季の霜降
霜が降り始める侯と云う事ですが、昨日は関東の方では真夏日の処も、こちら九州では雨模様で宮崎などは、線状降水帯が発生しての危険な大雨に・・

     霜降や雄牛に似たる千年家  野澤鱶

     掌の温み移れば捨てて烏瓜  岡本眸

まだまだ、現実の気配は句に詠まれるような「霜降」とはいかないようですね~(=^・^=)

そう云えば、予報では11月も例年に比べ気温は高めで、12月に入ると
平年並みか、其れよりも低い気温と云う事になるらしいですね。
本当に秋が無くなりそう❣❣

此方での黄葉・紅葉どうなるのでしょう。
平地ではなかなか色づきが、むつかしいかもですね。

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数年前に撮った門司港老松公園の景

猫達の暮らしぶりは


秋、無くなりそうとはいうものの、保護猫達も外猫も夏場の一時期に
比べると、明らかに食欲増してきている感じ❣❣
夏場体調を崩していた子達もここにきて少しづつ
元気回復してきている様子😾

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食欲の秋は、健在というところでしょうか💖(=^・^=)
どちら様も来る冬場に備えて、しっかりと脂肪蓄えている感じ🙀

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お陰様で夏場に比べると食事の準備等々なかなか手間のかかる事、多大。
食欲旺盛な分、トイレの始末も大変だ~❣

とは言うものの外猫も保護猫も健康であれば、其れが一番かも❣❣
ですね~(#^.^#)

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       霜降の日路地の猫ハ顔洗ふ 駄句=^_^=

すべてのタグを表示236NPO法人あおぞらNPO法人あおぞらの代表、杉原英子です。福岡県北九州市門司区を中心に活動しています。私どもは保護を必要とする犬や 猫の救済を通じて地域の環境保全を考えるとともに人と動物が共生できるやさしい社会環境づくりを目指して活動をしてい ます。

疑問は尽きないですね~(=^・^=)

虫の声(=^・^=)

優しい国に・・(=^・^=)💖

松下幸之助のことば

松下幸之助一日一話

仕事の知恵・人生の知恵

1999年4月15日初版発行PHP文庫

松下幸之助翁に関しては、改めて紹介する迄も無く、よくご存じのことと思います。よって経歴等は省いて幸之助氏の「一日一話」から言葉をセレクトして紹介いたします。その言葉は平易な言葉を選んで語られていますが、内容は奥深く、仕事・経営・生き方等々、人生の指標になる言葉ばかりです。尚、個人的に好きな言葉を勝手に選ばせていただいてますので、ご興味ある方は、読みづらい内容とかまた、高価な本とか云う事は有りませんので、原本を読まれることをお勧めいたします。

  • 「受け身の人生から自発的積極的な人生への転換です。ダラダラと続いていると思うのは其の連なりの中の節を見過ごしているからで、だから心も改まらなければ姿勢も改まらない。大事なことは此の節を見分け自覚しその節々で思いを新たにすることである」―「運を開く言葉」より

【十一月の言葉】

*一日 人の世は雲の流れの如し

青い空にゆったりと白い雲が流れていく。常日頃慌ただしさの儘に意識もしなかった雲の流れである。速く遅く大きく小さく白く淡く高く低く一時も同じ姿を保っていない。。崩れるが如く崩れざるが如く一瞬一瞬その形を変えて青い空の中程を様々に流れていく。之は将に人の心人の定め運命に似ている。人の心は日に日に変わっていく。そして人の境遇も復昨日と今日は同じではないのである。喜びも佳悲しみも又吉し人の世は雲の流れの如し。そう思い定めれば其処に復人生の妙味も味わえるのではないだろうか。

*三日 日本人としての自覚と誇り

国破れて山河在りと云う言葉が有ります。例え国が滅んでも自然の山河は変わらないと云う意味ですが、山河は亦我々の心の故郷と共言えましょう。歴史に幾変転はあっても人の故郷を想う心には変わりはありません。此の国の祖先が培ってきた伝統の精神、国民精神も又変わることなくお互い人間の基本的な心構えであると思います。我々は日本と云う尊い故郷を持っています。此れを自覚し誇りとして活動する其処にはじめてお互いに納得の行く動きが起こるのではないでしょうか。日本人としての自覚や誇りの無い処には日本の政治も経済もないと思うのです。

*五日 大器晩成と云う事

能く世間ではあの人は大器晩成型だ等と云いますが、その場合どちらかと云えばあまり褒めた様には使わない事が多いようです。詰り今はまあまあだけれどもその内に何とか一人前になるだろうと云った調子です。併し私は此の大器晩成と云うのはもっと大事な意味を持っているのではないかと思うのです。真の大器晩成と云うものは人生は終生勉強であると云う考えを持って、菟と亀の昔話の様に一歩一歩急がず慌てず日々精進し進歩向上して行く姿ではないかと思います。其う云う姿を目指す事がお互いに大切だと思うのです。

*六日 部下の為に死ぬ

経営者に求められるものは色々ありましょうが、自分は部下の為に死ぬ覚悟があるか如何かが一番の問題だと思います。そう云う覚悟が出来ていない大将であれば部下も心から敬服して本当にその人の為に働こうと云う事にはならないでしょう。経営者の方もそう云うものを持たないと妙に遠慮したり怖れたりして社員を叱る事も出来なくなります。其れでは社内に混乱が起こる事にも成ってしまいます。

ですから矢張り経営者たる者はいざと云う時には部下の為に死ぬと云う程の思いで日々経営に当たるのでなければ力強い発展は期し得ないと思うのです。

*八日 振子の如く

時計の振子は右に振れ左に振れる。そして休みなく時間が刻まれる。其れが原則であり時計が生きている証拠であると云って好い。世の中も亦人生も斯くの如し。右に揺れ左に揺れる。揺れてこそ世の中は生きているのである。然し此処で大事な事は右に揺れ左に揺れると云っても、その揺れ方が中庸を得なければならぬと云う事である。右に揺れ左に揺れるその振幅が適切適正であってこそ其処から繁栄が生み出されてくる。小さく振れてもいけないし大きく振れてもいけない。中庸を得た適切な触れ方揺れ方が大事なのである。

*九日 利害得失に捉われない

利害得失を考える事はある程度止むを得ないけれども、余り其れに囚われ過ぎと自分の歩む道を誤る事にも成りかねない。学校を撰ぶにしても卒業して仕事を選ぶ場合でもそうである。誰もが給与とか待遇の事を先に考える傾向があるが、矢張り自分には何が一番適しているだろうかと云う事を能く考えるべきだと思う。

必ずしも大会社へ入ったから幸せかと云うとそうとばかりは言えない。人によっては中小企業へ勤めて却って用いられ人生の味と云うか綾を知る尊い体験が出来て、人間としても成長すると云う事が往々にしてあるからである。

*十四日 自分を戒める為に

松下電器では昭和八年に遵奉すべき五大精神を定め発表して以来毎日の朝会で唱和している。(十二年に二精神を加え七精神)是は勿論社員としての心構えを説いたものであるが、それと同時に私自身を鞭撻する爲のものである。皆で確認し合った使命であっても何もなければ遂遂忘れて行勝ちになる。だから毎日の仕事のスタート時に噛締める。言ってみれば自分への戒めである。人間は頼りないものである。如何に強い決意をしても時間が経てばやがてそれが弱まってくる。だからそれを防ぐ為には常に自分自身に言い聞かせる。自分に対する説得誡めを続けなければならない。

*十六日 成功するまで続ける

何事に拠らず志を建て始めたら少々上手くいかないとか失敗したと云う様な事で、簡単に諦めてしまってはいけないと思う。一度や二度の失敗で挫けたり諦める様な心弱い事では本当に物事を為し遂げて往く事は出来ない。世の中は常に変化し流動しているものである。一度は失敗し志を得なくても其れにめげず辛抱強く地道な努力を重ねて行く内に周囲の情勢が有利に転換して新たな道が開けてくると云う事もあろう。世に云う失敗の多くは成功する迄に諦めてしまう処に原因が有る様に思われる。竿後の最後迄諦めてはいけないのである。

*十八日 民主主義と勝手主義

民主主義と云うものは自分が善ければ人はどうでもいいと云うような勝手なものでは決してないと思うのです。今日の日本の民主主義は我儘勝手主義である。勝手主義を民主主義の如く解釈している人が随分あるのではないかと云う様な感じがします。民主主義と云うものは自分の権利も主張する事は認められるが、それと同時に他人の権利也福祉也と云うものを認めて往かなければならない。そういう事をしなかったならば法律によってぴしっと遣られると云う様な非常に戒律の厳しいものだと思います。其れがあって初めて民主主義と云うものが保ち得るのだと思うのです。

*二十日 寛容の心で包含

世の中には好い人ばかりではない。相当良い人もいるが相当悪い人もいる訳です。ですからきれいな人、心の清らかな人そう言う人ばかりを世の中に望んでも実際には中々その通りにはなりません。十人居たら其の中に必ず尾ならざる者正ならざる者も入ってくる。そういう状態で活動を進めているのがこの広い世の中の姿ではないでしょうか。其処に寛容と云う事が必要になってきます。力弱き者力強き者があるならば両者が互いに包含し合って其処に総合した共同の力が生み出されてゆく。そう云う処に我々人間の生き方があるのではないかと私は思うのです。

*二一日 心を解き放つ

自由な発想の転換が出来ると云う事は指導者にとって極めて大事な事である。然し発想の転換と云う事は盛んに言われるが実際は中々難しい。自ら自分の心を縛ったり狭めている場合が多いのである。だから大事な事は自分の心を解き放ち拡げて行く事である。そして例えば今迄表から見ていたものを裏から見、又裏を見ていたものを表も見てみる。そう云った事をあらゆる機会に繰り返していく事であろう。そうした心の訓練によって随所に発想の転換が出来る様にしたいものである。

*二二日 弁解より反省

仕事でも何でも物事が上手くいかない場合必ず其処に原因がある筈である。だから上手くいかなかった時にその原因を考える事は同じ失敗を重ねない為にも極めて大切である。そのことは誰もが承知しているのであるが、人間と云うものは往々にして上手くいかない原因を究明し反省するよりも、斯う云う状況だから上手くいかなかったのだ。あんな思いがけない事が起こって其れで失敗したのだと云う様に弁解し自分を納得させてしまう。原因は自分が招いた事であると云う思いに徹してこそ、失敗も経験も生かされてくるのではないだろうか。

*二五日 人間としての務め

命を懸けるー其れは偉大な事です。命を懸ける思いがあるならばものに取り組む態度と云うものが自ずと真剣に成る。従ってものの考え方が一新し創意工夫と云う事も次々に生まれてきます。お互いの命が生きて働くからです。そうすると其処から私たち人間が繁栄していく方法と云うものが無限に湧き出てくると云えるのではないでしょうか。この無限に潜んでいるものを一つ一つ探し求めていくのが人間の姿であり、私達お互いの人間としての務めであると思います。もうこれで云い決してそう考えてはならない。其れは人間としての務めを怠る人だと私は思います。

*二七日 人間としての成功

人には各各皆異なった天分特質と云うものが与えられています。言い換えれば万人万様皆異なった生き方をし、皆異なった仕事をする様に運命づけられているとも考えられると思うのです。私は成功と云うのは此の自分に与えられた天分を其の儘完全に生かし切る事ではないかと思います。それが人間として正しい生き方であり自分も満足すると同時に、働きの成果も高まって周囲の人々をも喜ばすことに為るのではないでしょうか。そういう意味からすればこれこそ人間としての成功と呼ぶべきではないかと考えるのです。

*三十日 精神大国を目指して

今日我が国は経済大国と云われる迄に成りましたが、人々の心の面精神面を高めると云う事に就いては、兎角等閑にされ勝ちだった様に思います。此れからは経済面の充実と合わせてお互い国民の道義道徳心良識を高め、明るく生き生きと日々の仕事に励みつつ自他共に活かし合う共同生活を造り上げていく。合わせて日本だけでなく海外の人々牽いては人類相互の為の、奉仕貢献が出来る豊かな精神に根差した国家国民の姿を築き上げていく。その様な精神大国道徳大国とでも呼べる方向を目指して進む事が、今日国内的にも海外的にも極めて寛容ではないかと思うのです。

疑問は尽きないですね~=^_^=

NPO法人あおぞら2024年9月15日 投稿より

目次

  1. ご紹介します。
  2. 提案内容
  3. 思う事

ご紹介します。

NETの署名活動支援サイトにアップされていました。
動物愛護に関わる個人・団体の皆様が、感じている疑問を代表しているように感じましたのでご紹介いたします。
北九州の、動物愛護に関わる行政の方々の目にも止まり、一考の賛助となればと願っています(=^・^=)💖

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(以下本文の引用です)

提案内容

発信者 一般財団法人コロコロワンニャ  橋本 磨季
この度、私たちは来年の動物愛護管理法の改正の際に、37条ノ二・愛護センター業務の中に「飼い主のいない犬・猫の繁殖制限・不妊去勢手術の実施」の加筆を要望するためこの署名を立ち上げます。

◇◇問題提起◇◇
国の行政機関は犬猫の数をコントロールするために殺処分にお金をかけています。
一方、犬猫の数をコントロールする最良の方法は不妊去勢手術であることは、周知の事実です。
しかし、ノラ猫のTNRなどはほとんどが民間によるものです。そして、そのボランティアさんたちはみな疲弊しているのです。
なぜ、行政機関の動物愛護センターで、国の費用によって不妊去勢手術が行えないのでしょうか?
センターに手術室があるのになぜでしょう?
センター職員の殆どが獣医師なのになぜでしょう?

かのマハトマ・ガンジーが言いました「国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る」

動物愛護センターにその機能がありながら、不妊去勢手術をおこなわないのは怠慢ではないでしょうか。
国(行政機関・動物愛護センター)にはプライドを持って対処して頂けるように求めます。

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◇◇提案◇◇
新たな動物愛護管理法の改正を通じて、動物愛護センターが「飼い主のいない犬・猫の繁殖制限・不妊去勢手術の実施」の責任をもつことで、殺処分ではなく、命を大切にすることにシフトし「すべての命が尊重されるべき」というメッセージを広めることにもつながります。

また、この改正が実行されれば、各自治体がより効果的に犬猫の繁殖を制限する仕組みをつくることを住民が求めていくための強い根拠となります。
私たちは20年に及ぶ様々な動物愛護活動の中で、犬猫の繁殖の問題を目の当たりにしてきました。

財団法人としてこれらの問題に支援を続けておりますが、いつまでも続けるのには限界がある上に、あまり良い前例ではないと思っています。
なぜならば、民間が主導する事で行政機関の動きが鈍くなるからです。
私たちは思いを同じくする皆様と手をつなぎ、動物に優しい社会、人間にも優しい社会に向けて進んでいきたいと考えています。
                                                                                                    以上

オンライン署名 · 全国の動物愛護センターで、殺処分ではなく不妊去勢手術を – 日本 · Change.org

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思う事

地方行政の中では、noteの中でも何度かご紹介したように、九州の宮崎や熊本の様に、既に制限付きとは言え、無償での不妊不妊手術を実施している自治体もあります。が、まだまだそのような自治体は少数派❣❢
出来れば、国家の主導でこの様な取り組みが、各自治体のスタンダードな姿となる事を願っています。

今、国の政治の世界では各党での代表者選びがクローズアップされていますが、まあ、この様な事を施策に盛り込む様な候補者はいませんね。
命を大切にするのは福祉の原点だと思うのですが、どうやら日本ではそのあたりがつながっていないように感じます・・

でも、本文でも紹介されているように、動物の扱い方でその国の水準が判ると云う事になれば、動物愛護に真摯に取り組む姿勢こそが、国家としても真の意味の先進国家になったと云えるのではないのでしょうか。

(と、思うのですが、現実は・・・❓(=^・^=)❣❢)

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○○の秋となり・・(=^・^=)💖

NPO法人あおぞら2024年 blognoteより転写

目次

  1. 《食欲》
  2. 《鑑賞》
  3. 《読書》

《食欲》

      「夕空の土星に 秋刀魚 焼く匂ひ 」  川端茅舍

朝夕めっきりと秋らしい気配が感じられるように・・
外猫も保護猫達も其れに連れて食欲増進❣❢ 
外猫達は、朝夕の過し易さも手伝ってか、食事はゆっくりと楽しみながら、と云う感じ❣❢その分、用意する手間は二倍三倍かかっています😿
勿論、家の中でも同じ事❣❢17匹もいると、掃除からトイレの始末、食事の
準備等々・・早朝の喧騒は、息つく暇もなし❣❢ですね・・・(=^・^=)
人様の食事は、猫族の世話が一段落してからと云う事に・・・❣❢

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《鑑賞》

     「にせものときまりし壺の夜長かな」 木下夕爾

秋と云えば芸術鑑賞を楽しみにされている方々も多い事でしょう。
芸術とはほぼ無縁と云える、私ども❣❢ 若い頃の血気で、40数年前あるデパートの絵画展示会に出かけた時、一目で気に入った花の絵を数十万円で即決キャッシュ購入した事があります❣❢
年齢も年齢となってきた今日この頃、少し身辺の整理をと、思い立って、よくTVでも宣伝されている、あの買取の業者さんへ連絡し、いろんなものを見てもらいました。
この絵もその時に査定して頂いたのですが、結果は、何と何と購入時の1/100程度の金額❣❢これには唖然とさせられましたが、そんなものなんでしょうね∻世の中は😿
その絵は未だに手元に置いたままです・・・(=^・^=)
まあ気に入って買った絵画❣❢ ゆっくり眺めて楽しみましょう。

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《読書》

    「秋灯かくも短き詩を愛し」    寺井谷子

昼間の暑さはまだ、夏日が続いているということで、なかなか秋らしいという感じにはなりませんが、夕方から陽が沈んだ後は其の暑さも一段落❣❢
虫の音なども聞こえて来て、雰囲気は秋の夜長と云う感じになってきた様😾
そうなれば、読書などをと云う気になっても、おかしくないはずですが、如何も近頃は、読書を楽しむという体力も気力も衰えてきた様😹
先ずは猫様のお世話が一番と云うところです❣❢

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読書と云えば、此れも若い頃からの趣味で、新刊の購入は勿論、馴染みの古書店にも通い結構な古本も購入していました。

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「神ながらの道」
紀元二千五百八十六年ー大正十五年一月二十五日刊
皇后宮職御蔵版
皇室沼津御用邸にて東京帝國大学教授筧克彦法学博士による講演の速記録
(大正十三年二月二十六日~五月六日講演)

さて、此の書籍類を如何、始末するか❣❢ 売っても二束三文❣❢ ならばと少しづつ分散してですが、近くの図書館へ持ち込んでいます。
処分は図書館の判断に任せると云う一筆を入れて、新刊・古書関係なく引き取って頂けます。
まあ、二束三文よりは皆様のお役に少しでも立てれば嬉しいですね~❣❢

さて、読書の秋❣❢ 昔を思い出して、少し気を入れて長篇でも読んでみましょうか・・とは思うものの猫の世話で疲れはてて無理でしょうネ=^・^=💖

     「秋灯にひろげし儘の罪と罰」駄句(=^・^=)

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百朝集見開きのことば

★ 易簡而天下之理得矣   (易簡ニシテ天下ノ理得タリ)  易経繋辞上伝

★ 簡潔は智慧の妙諦なり           シェークスピア「ハムレット」より

★ 冗長になることは何時でも容易であるが簡潔にするには容易ならぬ努力が要る圧縮しそして最後はきりっと緊めることである   仏・アラン

参照:

中国思想史教授丸山松幸氏-関西大学-易の原理解説に拠れば易経の言葉「易簡」とは乾坤を表す言葉で乾は平易なやり方(易)で始動を行い坤は簡約な形(簡)で其れを受入れる従って一方は平易であるから指導が遅滞なく行われ坤に対する親和力を持つ他方は簡約であるから相手の働きを抵抗なく受け入れ完成に向かって大きな力を発揮することが出来る… 人は易簡であることによって宇宙の根本原理を体得することが出来それによって天地と並ぶ地位を獲得するとなっている

Memo:

易簡とは単なる簡易ではなく正に易学の根本に当たる原理という訳だ     この言葉を「百朝集」のトップに持ってくるのはやはり東西哲学思想究め行動の規範とする 大家安岡正篤にしてはじめて可能ならしめる意義深い選択の言葉だと思う

易とは尽きることのない活動原理の方法論でもある 

安岡正篤の書に

「人の生涯何事によらずもうお終いと思う勿れ 未だ嘗て始めらしき始を持たざるを思うべし 志業はその行き詰まりを見せずして一生を終るを真実の心得と爲す 成功は一分の霊感と九分の流汗に由る退屈は死の豫告と知るべし」        とある

松下幸之助のことば

松下幸之助一日一話

仕事の知恵・人生の知恵

1999年4月15日初版発行PHP文庫

松下幸之助翁に関しては、改めて紹介する迄も無く、よくご存じのことと思います。よって経歴等は省いて幸之助氏の「一日一話」から言葉をセレクトして紹介いたします。その言葉は平易な言葉を選んで語られていますが、内容は奥深く、仕事・経営・生き方等々、人生の指標になる言葉ばかりです。尚、個人的に好きな言葉を勝手に選ばせていただいてますので、ご興味ある方は、読みづらい内容とかまた、高価な本とか云う事は有りませんので、原本を読まれることをお勧めいたします。

  • 「難しいことより平凡な事の方が大事、仕事というものは平凡な事と些細な事の積み重ねによって成り立っている。ですから平凡なこと些細な事を疎かに大きな成果を挙げるのは不可能なのではないでしょうか。」    ―運を開く言葉より

【十月の言葉】

*一日 法治国家は中進國

今日法治国家というのは大体先進国と云う事に為っていますが、私は法治国家は真お先進国とは言えないのではないかと云う気がします。是非善悪が何でも法律で決せられる法治国家は謂わば中進国であって真の先進国文明国とは法律が極めて少なく所謂法三章で治まっていく国と云う事では無いかと思うのです。とすれば真の先進国に成る為にはやはり国民の良識の涵養と云うものを大いに図っていかなければ成りません。其事に成功しない限りは先進国にはなれないのではなかと思うのです。

*三日 千差万別の人間

人間は千差万別の姿と心に生まれついています。従って其々の持つ使命も天分も全部異なっているのではないかと考えられます。然し現実の社会では総てを一つの型に嵌め様規制しよう同じ道を歩ませ様とする嫌いが多分にある様に思われます。勿論こうした考え方は一面に於いては必要なのですが世の中を全部そういう考え方ものの見方で通そうとする事は決して社会の進歩には繋がらないでしょう。ですから人間が夫々持っている特性と云うものを能く認識しその特性を生かしていける共同生活を考え出さなければならないと思うのです

*四日 心を磨く

人間の心と云うものは本当に自由なものだと思います。何か困難な問題が起こったとしても心の働きに由って如何様にでも考えられると思うのです。もう辛抱出来ない明日にでも自殺したいと云う場合でも考え方を変えるならば。一転して恰も広々とした大海を往くが如き悠々とした心境に転向する事さえできるのです。其れが人間の心の働きと云うものでしょう。ですから我々は是から仕事をするに当って先ず心を磨くと云うかものの考え方を成長させる必要があります。そういう心の働きに今迄得た知識を加えてやっていけば必ず大きな成果が生まれると思います。

*七日 体力と気力と経験

人間の体力と云うものは三十才前後が頂上であろう。一方気力と云う事に成ると私の常識的な体験から言えば四十歳位が最高になり之を過ぎると次第に衰えて来るのではなかろうか。勿論気力は落ちても立派に仕事は出来る。と云うのは其れ迄のその人の経験と云うものが其の気力の衰えを支えるからである。それともう一つは先輩として尊ばれ後輩達の後押しによって少々困難な事でも立派に遂行できるようになる。斯うした力が加わるからこそ歳を取って気力体力共に若い人達にとても適わない様になっても支障なく仕事が進められるのではないか。

*九日 人を中心とした経営

会社の経営と云うものは何と言っても人が中心となって運営されていくものです。知識も大事ですが其れは第二義的に考えられるもので先ず人が中心であると云う様に考えねばならないと思います。国の政治などは政治の組織機構と云うものが先に在って其れに当て嵌まる人が就任されて国政を執りますが、一般には矢張り人を中心に考えなければいけないと思います。組織は人を活かす為に適切に創って往くべきものと斯う考えていいのではないでしょうか。そしてその爲には矢張り一人一人の力各自の能力と云うものが非常に重大な問題になってくると思うのです。

*十二日 経営は総合芸術

経営者の仕事は画家等の芸術家の創造活動と軌を一にするものだと考える。一つの事業の構想を考え計画を立てる。其れに基づいて資金を求め工場その他の施設を造り人を得製品を開発し其れを生産し人々の様に立てる。その過程と云うものは画家が絵を描く如く是総て創造の連続だと云えよう。成程形だけ見れば単にモノを作っていると見えるかもしれないがその過程には到る処に経営者の精神が生き生きと躍動しているのである。その意味に於いて経営は極めて価値の高い云わば総合芸術とも言う べきものだと思います。

*十六日 諸行無常の教え

その昔お釈迦さまは諸行無常と云う事を説かれました。この教えは一般には世は儚いものだと云う意味に解釈されているようですが、私は寧ろ諸行とは万物と考え諸行無常とは即ち万物流転であり生成発展と云う事であると解釈したら如何かと思うのです。言い換えますとお釈迦様は日に新たでなければならないぞと云う事を教えられたのだと云う事です。是は単に仏教だけの問題でなくお互いの日々の仕事を初め慧お互いの人生社会のあらゆる面に当てはまるのではないでしょうか。

*十八日 独断は失敗に繋がる

仕事でお互いが注意すべき事は会社の伝統方針を無視した自分一人の考えで行動しないと云う事です。人一人の知恵は如何に優れていても伝統も顧みず方針を等閑視して狭い自分の主観から生まれてくる判断で行動すれば却って会社をマイナスに導きます。私達は兎角ものの一面に捉われて自己の考え已を主張しているとその背後に流れる大きな力を見忘れてしまうものです。其処から大きな失敗が表れてきます。常に自己の背後にある流れ繋がりを見通す目、心を培いその中で自己を生かすよう訓練して行かなければなりません。

*十九日 良識を養う

この世の中ではお互いが様々な言説を唱えています。然し自由の下に自説を主張する場合は自説に捉われて対立にのみ終始すると云う事ではいけません。対立しつつも調和して往かなければなら荷と思います。其の為にはお互いが其々に自らの良識を養い高めて行く事が大切です。公共の福祉に反してはならないと云う事は勿論法律にも定められていますが、矢張り法律だけでは律し切れないものがある訳です。そう云うものについては個々の人々が自らの良識で事を判断する事に拠って自由を真の自由たらしめていかなければならないと思うのです。

*二二日 成功のコツ

良い会社だと思って入った会社でも一から十迄何もかもいいとは限りません。時には欠点もあるでしょう。然しそれを初めからこんな会社はあかんと決めてかかるか、それとも如何もこの点だけは善いとは思わないがこれは自分の問題として改善向上させていこう、と云う熱意を持って当たるかに由って対応の仕方が全く変わってくるでしょう。善し自分の会社を今よりももっと良い会社にしてやるぞ、と云う意欲を持ち全ての事を前向きに捉える姿勢を持つ人は、信頼もされ頼もしい社員として嘱望もされるでしょう。成功のコツはそのような処に在ると思うのです。

二三日 原因は自分にある

人間と云うものは他人の欠点は目に付き易いものだ。往々にして何か問題が起こると其れは総て他人の所為で自分はに関係がないと考えがちである。実際に他人の所為であって自分は無関係なものもある。併し其れをそう判定するのは飽く迄も人間である。他人の所為ではあるけれども実は自分の所為でもある。と云う様に自分は全く関係がないとは言い切れない場合も少なくないのではなかろうか。少なくとも問題が起こった際には他人の所為だと考える前に、先ず自分の所為ではないかと云う事を一度考え直してみる事が非常に大切ではないかと思うのである。

*二五日 人の話に耳を傾ける

日頃部下の云う事をよく聞く人の処では比較的人が育っている。其れに対して余り耳を傾けない人の下では人が育ち難い。そういう傾向が有る様に思われる。何故そうなるかと云うと矢張り部下の言葉に耳を傾ける事に拠って、部下が自主的にものを考えるようになり其の事がその人を成長させるのだと思う。けれども自分の云う事に上司が耳を傾けてくれないと云うのでは、唯惰性で仕事をすると云う事になって成長も止まってしまう。上司としてどんな場合でも大事なのは耳を傾けるという基本的な心構えを何時も持っていると云う事であろう。

*二七日 インテリの弱さ

今日能く耳にする言葉にインテリの弱さと云う事がある。是はインテリには生じっかな知識が在る為に其れに囚われて仕舞、其れは出来ないとか其れは如何考えても無理だと思い込んでしまって、中々実行に移さないという一面を言った言葉だと思う。実際嗚呼其れは今迄何度も遣ってみたんだが出来ないんだと、決め込んでいる事が我々の身の回りには意外に多いのではなかろうか。時には自分の考え復自分を捉えている常識や既存の知識から解放され、純粋な疑問純粋な思い付きと云うものを大切にしてみてはどうだろうか。

*二八日 怖さを知る

人は其々怖いものを持っています。子供が親を怖いと感じたり、社員が社長を恐いと思ったり世間が怖いと思ったりします。然し其れと共に自分自身が怖いと云う場合が有ります。共すれば怠け心が起るのが怖い、傲慢になりがちなのが怖いと云う様なものです。私は此の怖さを持つと云う事が大切だと思います。怖さを常に心に懐き恐れを感じつつ日々の努力を重ねていく。其処に慎み深さが生まれ自分の行動に反省をする余裕が生まれてくると思うのです。そして其処から自分の正しい道を選ぶ的確な判断もより出来る様になると思います。

*三一日 先ず与えよう

持ちつ持たれつと云う言葉もあるがこの世の中はお互いに与え合い与えられ合う事に拠って成り立っている。其れはお金とか品物と云った物質的な面もあれば思い遣りと言った様な心の面もある。聖書の中にも与うるは受浮くるよりも幸いなりと云う言葉があると云うが人間とは他から貰う事も嬉しい方が他に与え他を喜ばす事により大きな喜びを感じると云う処があると思う。そういう喜びを自ら味わいつつしかも自分を含めた社会全体をより豊かにして行く事が出来るのである。先ず与えよう此れをお互いの合言葉にしたいと思うのだがどうであろうか。

保護猫いろいろ(=^・^=)💖

250NPO法人あおぞら2024年8月12日 07:46

Blognoteより転記

20匹近くも保護猫が一緒に暮らしていると、其の性格も行動もいろいろ❣❢

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家庭内ノラ「ふて♀」😿

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もうここに保護されて3、4年ほどになりますね~(=^・^=)
保護された当時は、何とか、抱っこする事も出来たのですが、元来猜疑心が強い子だったのでしょう。保護された時の状況が余り宜しくなかったようで、段々と人を避けるように・・・

今ではほとんど2Fから降りてこず姿を見せる事も、あまりありません。それでも、猫同士では、仲のいい子もいて、特にお気に入りの子は戸畑から姉弟で保護されてきたフレンドリーな弟😾「おと♂」(=^・^=)❣❢
たまに1Fへ来たときなどよく側に寄り添っている姿が見受けられます。

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なかなか撮ることできないので、少し前の写真ですが・・

気の合わない子もいるには居ますが、今迄そう大きなトラブルになった事はありません。ほどほどの距離を保って、其々の生き方貫いているのでしょうね(=^・^=)頭いいのかも❣❢

露出の少ない「ちょろ♂」🐱

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2Fをねぐらにしていると云えば、もう1匹「ちょろ」がいます。
2Fから降りてくると云う事が無いので、殆ど紹介する機会の無い子です😿
先日、珍しく1Fまで出張してきていました(=^・^=)

2Fに居る時は、ヒトを避けると云う様な処も無く、ベッドで一緒に寝たりもしています。そんな時は何処を触っても大丈夫❣❢
ただ、普段はどちらかと云うとビクビクした感じ❣❢体型に似合わず怖がりさんの様ですね~(=^・^=)
他の子達とは、トラブル起す事も無く、一定の距離を保って、何かトラブルが起きそうになると、急いで姿を隠して、巻き込まれるのを避けているようです。

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ちょっと困った処は、下の癖が悪い事😹
トイレの砂が気に入らないのでしょうか。いつもトイレを外して沮喪してます。
まあ、其れも個性とあきらめていますが・・・

この子達は勿論、里親さんへ行けると云う事はほぼ100%ナシ❣❢
長~いつきあいにはなると思いますが、此れも何かの縁なのでしょう。
出来る限り、しっかり面倒見させてもらいましょう(=^・^=)

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俳句の基礎memo下

「日本の歳時記」小学館より

このメモは小学館、週発刊の「日本の歳時記」という雑誌の中から、俳句について基礎的要素を25回にわたって俳人山田弘子氏が解説された内容をメモしたものです

本文に入る前に今日は重陽の節句❣❢ そこで俳句関連の記事に寄せて駄句を一句

今年七十五後の雛をばかざりけり 駄句(=^・^=)

では本題です❣❢

★俳句を楽しむ14 山田弘子

【俳句の調べ】

○舌頭に千転せよ

韻律の整った詩とは口調にのせてそのリズム感が心地よさをともなうこと

芭蕉:句調はずんば舌頭に千転せよ⇒去来抄(向井去来)

○やさしい言葉の印象

  • まさをなる空よりしだれざくらかな  富安風生
  • とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな  中村汀女

※平仮名表記の視覚的印象の効果

○リフレインとオノマトペの効果

リフレイン:繰り返し⇒リズミカルな調べ

  • 避暑の娘に馬よボートよピンポンよ  稲畑汀子
  • さみだれのあまだればかり浮御堂  阿波野青畝
  • しぐるるや駅に西口東口  安住敦
  • 東山回して鉾を回しけり  後藤比奈夫

オノマトペ:擬音・擬態語⇒視覚聴覚を刺激

  • チチポポと鼓打たうよ花月夜  松本たかし
  • ささささと火を掃く箒お水取  山田弘子
  • 破調の効果
  • 父がつけしわが名立子や月を仰ぐ  星野立子
  • 犬ふぐりどこにも咲くさみしいから 高田風人子

★俳句を楽しむ15 山田弘子

【俳句と風土】

俳句は自然の季節の変化の中で育まれてきた文藝

○季題・季語への戸惑い

歳時記に分類されている季題・季語と現実のギャップ⇒ずれの解消

○土地に息づく暮らし

  • 三月の島のをのこの甲羅干し  山田弘子

その土地の自然に目を向け土地の暮らしをその土地の心を詠むこと⇒俳句は其々の土地の風土と自然こそ大切にして詠む

  • 遠き家の氷柱落ちたる光かな  高浜年尾(北海道
  • 指さして消ぬべくありぬ蜃気楼  山崎ひさを(富山
  • 金魚田に色浮きたちて雨兆す  村田脩(奈良
  • 御柱はうごかぬ世々のしるしかな  有信(長野
  • 飴伸ばす如くにハブをしごきける  篠原鳳作(沖縄

其々の土地の風土いわば魂と一体となって詠まれた句

※歳時記の季題・季語その解説をしっかり熟読しそれらの本意本情を把握しておくことは勿論大切その上で其々と土地・吟行先の風土を知って向き合う

★俳句を楽しむ16 山田弘子

【実践・応用編】⇒伝えたいことを絞る

○まず戸外に出よう

手帖(句帖)・筆記用具・歳時記を用意

まずは戸外に出て自然と触れ合う

○焦点を絞り込む

注:見た儘を詠むということを鵜呑みにしてあれもこれも入れて単なる報告に終わってしまう⇒どこに焦点を絞るかが大事:眼前の景の中から一つに絞って素直に表現する練習

例)夏の日の句吟外出にて

夏日・夏帽子・ハンカチ・汗・蝉・夏草・夏の蝶・緑陰・涼し・夏雲等々

  • 夏蝶の黄が沈んでは浮かんでは
  • 蝉しぐれ浴びてひと息入れにけり
  • 緑陰のベンチの少し傾ぎゐる
  • 夕立を呼ぶ風らしや木々さわぐ

最初は目の前のことを5・7・5の形にしてみる

○欲張らないこと

あれもこれも17音におしこめると窮屈で余韻の無い句になってしまう⇒焦点がぼける

添削前

  • 仄あかき椿の蕾春を待つ

※下5春を待つで季題が2つになり散漫

添削後

  • 紅仄とのぞく椿の蕾かな

※椿そのものに焦点が絞られている

★俳句を楽しむ17 山田弘子

【実践・応用編2】⇒平明な表現余韻

○原点に戻る

陥り易い弊害-少し難しいそうな言葉を使いたくなる

失敗例)

  • 年立つと船全燈を奢りたる

添削例)

  • 船の灯のあかあかと年移りけり

山田弘子

芭蕉の言葉「三冊子」収録語⇒初心を忘れるな

  • 桐一葉日当たりながら落ちにけり  高浜虚子
  • あはれ子の夜寒の床の引けば寄る  中村汀女
  • 街の雨鶯餅がもう出たか  富安風生

俳句は難しい言葉を用いたり回りくどい表現をする必要はない

平明と云う事は平凡とは違う実は平明で余韻のある句が最も難しい

平明な句は日本語の持つ柔らかさ深さを大切にした句

★俳句を楽しむ18 山田弘子

【実践・応用編3】⇒具象幷抽象の句

具体的な容・景をそっくり詠む⇒具象

本質を捉える観念的表現の句⇒抽象

○具象の句

  • ままごとの飯もおさいも土筆かな  星野立子
  • 水仙の花のうしろの蕾かな  星野立子

対象を確実に把握した伸びやかな個性句

具象は何処に焦点を当てるかで完成度が違ってくる

  • 口開けて閉めて遠目の寒鴉
  • 十五分毎鳴る時計春暖炉

星野立子

写生を重ねるうちに何処をどう切り取るか自ずと会得できるようなる

○抽象の句

  • 春光を剪りとっていく庭師かな  藤野佳津子

春光を切り取る⇒抽象的表現がより具象的な景を想像させる

○抽象と具象を結ぶ

抽象的季語を活かす為には出来るだけ具体的なものを取り合わせる

抽象的季語⇒寒さ・暑さ・春愁・暮春・立夏等々

門々の下駄の泥より春立ちぬ

一茶

  • 下駄の泥という具象が立春の季節感を引き立たせる
  • 秋風やみなぬれひかる鹿の鼻  原石鼎
  • ぬれた鹿の鼻⇒映像的に描くことで秋風の肌感覚が伝ってくる

★俳句を楽しむ19 山田弘子(8/26)

【実践・応用編4】⇒心を物に託す

○季題に込める情感

描く対象に作者の思いや様々な情感を託ス

俳句は自然を詠いまた自然を通して生活を詠い人生を詠いまた自然に依って志を詠う文藝・・

俳句はそう突き詰めた切羽詰まったことを詠おうとしても詠えないそれは季題があるから⇒高浜虚子「俳句への道」

※切羽詰まったこととは結局詠う事ではなく述べることになる

詠うのが詩でありノベルのメッセージである

※季題があるとは喜怒哀楽の情感は季題を描くことによって滲み出てくるもの

○季題が生きている

季題・季語は長い歴史の中で其々の概念とイメージを育てて来た

  • 朝ざくら家族の数の卵割り  片山由美子
  • 家郷の夕餉始まりをらむ夕櫻  大串章

※朝ざくらの句=家族の表情平和無事を祈る緊張感が伝わる

夕櫻の句=望郷の思いが伝わる

作者の主観はストレートには表現されていないが季題の働きの確かさによりそこはかとなく心が伝わり余韻が広がる

○主観・客観は表裏一体

  • 電線のからみし足や震災忌  京極杞陽

T12(1923)9/1関東大震災を詠んだ句

電線にからみし足⇒リアルな客観写生の裏に作者の裏に拭ってもぬぐえぬ慟哭がある 客観写生を究めた奥に大いなる主情有

★俳句を楽しむ20 山田弘子(9/2)

【実践・応用編5】⇒口語俳句

○詠むと書く

俳句が詠うものであるとするなら口ずさむに相応しい言語表現が必要か

○口語俳句と口承性

嫁さんになれよだなんてカンチューハイ

二本で言ってしまっていいの

俵万智-サラダ記念日

日常に話している生の言葉自らの目線で表現する試み⇒ストレートな表現ができる

  • 春は曙そろそろ帰ってくれないか  櫂未知子
  • 着膨れてなんだかめんどりの気分  正木ゆう子

俳句は口承性の文藝⇒坪内稔典

✔ たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ  坪内稔典

○言葉の弾力を身につける

口語と文語何れもその特性を確りと学ぶ

詩に対する自らの言葉に弾力を」つけていくことが大切⇒柔らかな精神

口語俳句では対象となる素材が何であるかが大いに係ってくる

  • パンジーのあなたの好きな色はどれ  山田弘子

日常会話が其の儘句となる

★俳句を楽しむ21 山田弘子(9/9)

【実践・応用編6】⇒吟行

○多様化した吟行

※題詠:机に向かい過去の経験等を手繰りながら創る

※吟行:戸外へ出て自然の風物季節感に触れて創る

①近辺を散策 ②名所旧跡・行事を訪ねる ③宿泊旅行遠距離の旅吟

  • 白牡丹大きく咲きて風もなし  室積波那女①
  • 露草や飯噴くまでの門歩き  杉田久女①

○吟行の際の心遣い

準備:①場合⇒筆記用具・季寄せ

②場合⇒参考資料事前チェック

③場合⇒気候風土チェック・歴史風土等

予備知識が豊富で在る方が句に奥行き幅がでてくる

マナー:迷惑をかけない行動

  • ねむりても旅の花火の胸にひらく  大野林火

★俳句を楽しむ22 山田弘子(9/16)

【実践・応用編7】⇒旅に出る

○旅の持つ力

旅で生まれた作品には実に活き活きとした臨場感が漲る

漂泊の旅⇒西行・宗因・芭蕉等々

スランプ脱出に有効な手段

「月日は百代の過客にして行かふ年も又旅人也 舟の上に生涯をうかべ馬の口とらへて老いをむかふるものも日々旅にして旅を栖とす⇒芭蕉・奥のほそ道冒頭

○仲間と旅ひとりで旅

  • 除夜の鐘僧の反り身を月光に  山田弘子-高野山僧房にて

○排枕

排枕⇒俳句に詠む名所旧跡-自分のオリジナル排枕を持つ:その地を繰り返し訪ねる

  • 花の谷湧くが如くに落花かな  稲岡長ヒサシ
  • 櫻もう来年が始まってゐる  稲畑廣太郎
  • 下千本には花人のもう来ない  黒川悦子

吉野山一泊吟行旅にて

原句

  • ほうたるの弧や線描き舞ひ遊ぶ

添削後

  • ほうたるの描きやまざる光の弧

★俳句を楽しむ24 山田弘子(9/30)

【実践・応用編9】⇒推敲と添削2

○一瞬の感動を捉える

原句

  • 今日こそは確と聞きゐしほととぎす
  • 聞きゐしの表現では心の弾みが伝わらない(今日こそは⇒時間的誤差有)

添削例

  • 今しかと声聞きとめし時鳥

原句

  • もちこたふバラのとつさに総くづれ
  • 言葉遣い(選び)が安易

添削例

  • 耐へてゐし薔薇一瞬にくづほれし
  • 壺の薔薇のよよと崩れし夜の卓

○時間の経過と命の動き

原句

  • 水入り外出の間に田植済む
  • 水入り」外出の間」という説明を省き景の変化を

添削例

  • 帰路はもう田植終へたる景ばかり

原句

  • 堰の水しぶき楽しと寄る蛍
  • 楽しの語は蛍の幻想性に不釣り合い

添削例

  • 縺れつつ蛍火増えて来る堰

★俳句を楽しむ23 山田弘子(9/23)

【実践・応用編8】⇒推敲と添削1

○推敲と云う事⇒必ず見直しの習慣

注意点

  • 5・7・5定型か リズム感はどうか
  • 切字が重なっていないか
  • 季題がぴったりはまっているか
  • 文法的に間違いはないか
  • 冗漫になっていないか⇒省略
  • 充分表現しているか
  • 仮名遣い・文字の誤字はないか

○原句を活かす添削

添削指導⇒ことばの順序を変える・てにをはを一字変える:句が生きてくる

  • 堰音の呼びし蛍の乱舞かな

※自らの句から一旦距離を置きそのうえで推敲してみる

★俳句を楽しむ25 山田弘子(10/7)

【実践・応用編10】⇒一句一章と二句一章

○一句一章の句

先師曰く発句は頭よりすらすらといひ下し来たるを上品とす

発句は汝が如く二つ三つ取集めたるものに非ず黄金を打ち延べたる如くなるべし

去来抄

⇒一物仕立て:17音で対象を一点に絞る

  • 流れゆく大根の葉の早さかな  高浜虚子
  • 虹の環を以て地上のものかこむ  山口誓子
  • たらちねの蚊帳の吊手の低きまま  中村汀女
  • 浮いているだけで大きな金魚かな  宇多喜代子
  • 一枚の音を加へし朴落葉   鷹羽狩行

○二句一章の句

発句は物を合すれば出来せり其の能く取合するを上手といひ悪しきを下手といふ

去来抄

⇒一句の中に別々のものを取り合わせる

  • 古池や蛙飛びもむ水のおと  松尾芭蕉
  • 朝顔や濁り初めたる市の空  杉田久女
  • 病葉や鋼のごとく光る海  飴山實
  • 吊忍母ある限り足袋干され  鈴木英子

※いずれも5音12音で描かれたふたつの対象が見事に共鳴し豊かな詩情を醸す

松下幸之助のことば9月

松下幸之助一日一話

仕事の知恵・人生の知恵

1999年4月15日初版発行PHP文庫

松下幸之助翁に関しては、改めて紹介する迄も無く、よくご存じのことと思います。よって経歴等は省いて幸之助氏の「一日一話」から言葉をセレクトして紹介いたします。その言葉は平易な言葉を選んで語られていますが、内容は奥深く、仕事・経営・生き方等々、人生の指標になる言葉ばかりです。尚、個人的に好きな言葉を勝手に選ばせていただいてますので、ご興味ある方は、読みづらい内容とかまた、高価な本とか云う事は有りませんので、原本を読まれることをお勧めいたします。

  • 「宇宙根源の力は萬物を存在せしめそれら.が生成発展する源泉となるものでその力は自然の理法として我々お互いの体内にも脈々として働き一木一草の中までも生き生きと溢れている。」―運を開く言葉より

【九月の言葉】

*一日 苦難も又善し

わが国では毎年台風や集中豪雨で大きな水害を受ける処が少なくない。然し此れ迄の例から見ると大雨が降って川が溢れ街が流されてもうだめかと云えば必ずしもそうではない。数年も経てば被害を受けなかった街よりも却って綺麗に成り繁栄していることが屡々ある。勿論災難や厄難は無いに越したことは無いが思わ牟時に思わぬ事が起こってくる。だから苦難が其れも佳と云う心づもりを常に持ち安易に流されず凡に堕さず人一倍の知恵を絞り人一倍の働きを積み重ねてゆく事が大切だと思う

*二日 経営のコツを掴む

多くの会社の中には非常に上手くいっているところもあれば反対に行き詰る様な所もある。上手くいっている処は従業員が皆優秀で行き詰る処はその反対かと云えば決してそうではない。結局其処に経営があるかないか言い換えれば経営者が経営のコツを掴んでいるか如何かに拠ってそうした違いが生じてくるのだろう。その証拠に経営者一人が代わる事で倒産寸前の会社が隆々と発展した例はいくらでもある。経営のない会社はいわば頭の無い人間の様なものである。経営者が経営のコツを掴んでいる会社は力強く繁栄発展していくと思うのである。

*五日 優しい心

あの人は何処となく豊かな感じのいい人であると云う場合、其れはその人の心がその人の動作に滲み出ているからだと思います。殊に私は女性の尊さと云うものは、矢張り親切な心の顕れている処にこそ本当の尊さと云うものがあるのではと云う感じがします。唯強いばかりではいけません。賢いばかりでもいけません。賢い強いと云う事も勿論大切ですがそれ以上に大事な事は、心の優しさなのです。此れは総てのものを溶かすとでも云う程の力があるのではないでしょうか。その力を失ってはならないと思うのです。

*七日 徳性養う

人間が人間を動かす事は中々容易な事では無い。力で或は理論で動かす事も出来ない事は無い。然しそれでは何をやっても大きな成功は収められまい。やはり何といっても大事なのは徳を持って所謂心服させると云う事だと思う。指導者に人から慕われる様な徳があって初めて指導者の持つ権力その他諸々の力も生きてくる。だから指導者は努めて自らの徳性を高めなくてはならない。力を行使しつつも反対する者敵対する者を自らに同化せしめる様な徳性を養う為、常に相手の心情を汲み取り自分の心を磨き高める事を怠ってはならないと思う。

*九日 師は無数に存在する

手近に親切な指導者先輩がいて自分を導いてくれる、そう云う人が会社にいる人は幸せだと思います。併し見方に拠れば指導者のいない処にこそ自らの発展と云うものが考えられると云う事も言えるのではないかと思います。蓄音機や白熱電灯等を発明開発したあの偉大なエジソンには指導者がいなかったそうです。其れで自らあらゆる事物に関心を持ち其処に指導者を見出しました。汽車に乗れば石炭を焚く音や車輪の音に指導者を見出した訳です。自らを開拓する気持ちに為れば往く道は無限に開かれている師は無数に存在している。

*十一日 個人主義と利己主義

今日個人主義と利己主義が混同されている嫌いがあります。本来の個人主義と云うのは個人は非常に尊いものであるという考え方だと思います。が一人の個人が尊いと云う事は同時に他の個人も尊いと云う事になります。ですから個人主義は云わば他人主義にも通じる訳です。其れに対して利己主義と云うものは自分の利益を先ず主として考え他人の利益をあまり重んじない姿です。今日ともすれば個人主義が誤り伝えられて利己主義に変貌してしまっている感がありますが、この画然とした違いをお互いに常日頃から知っておく必要があると思うのです。

*十三日 商売と誠意

誠意に溢れ真剣な想いに満ちた行動は必ず人々の心を捉えずにはおきません。誠意を持って熱心に仕事に取り組んでいる人は常にこうしてはどうだろうかとかこの次にはこんな方法でお客さんに話してみようと云う様に工夫を凝らし色々効果的な方法を考えます。又同じことを説明するにしてもその話し方に自然に熱が籠り気迫が溢れます。そうするとお客さんの方でもその熱心さに打たれどうせ買うならこの人からと云う事に為ってくるわけです。そう云う日々の仕事の態度と云うものが、やがては大きな差となって表れてくるのではないでしょうか。

*十六日 一人の責任

会社が発展するのも失敗するのも結局は総て社長一人の責任ではないだろうか。と云うのは若し社長が東へ行けと云えば、いや私は西へ行きますと云って反対の方向へ行く社員はまずいないからである。殆どの社員は社長が東へ行こうと云えば皆東へ行く。だから東へ行けと云って若し間違ったとしたらそれは社長一人の責任に他ならない訳である。同じ様に一つの部一つの課が発展するかしないかは総て部長一人課長一人の責任である。私は今迄如何なる場合でもそう考えて自問自答しながら事を進める様努めて来た。

*十八日 豊かさに見合った厳しさ

暮らしが豊かになれば成程一方で厳しい鍛錬が必要になってくる。つまり貧しい家庭なら生活そのものに由って鍛えられるから親に厳しさが無くても労りだけで十分子供は育つ。けれども豊かになった段階に於いては精神的に非常に厳しいものを与えなくてはいけない。その豊かさに相応しい厳しさが無ければ人間は其れだけ心身共に鈍ってくる譯である。然るに今の家庭にはそう云う厳しさが足りない。政治の上にも教育の上にも足りない。其れが中学や高校の生徒が色々と不祥事を起こしている一つの大きな原因になっているのではないだろうか。

*二一日 中小企業は社会の基盤

私は中小企業というものは日本経済の基盤であり根幹であると思う。其れが健在であってこそ大企業も持ち味を生かす事が出来るし経済全体の繁栄も可能となる。と共に中小企業は単に経済に於いてだけでなく謂わば社会生活の基盤にもなるものだと思う。詰り色々な適性を持った人が其々に色とりどりの花を咲かす。そう云った社会の姿がより望ましいのであり其処に人間生活の喜びと云うものがあるのではないだろうか。その意味に於いて沢山の中小企業が其々に所を得て盛んな活動をしていると云う様な社会の姿が一番理想的なのではないかと思う。

*二三日 永遠に消えないもの

高野山には沢山の墓があります。その中で一段と目立つ立派な墓は概ね大名の墓だそうですが、その大名の墓も今日では無縁仏に為っているものもあると云う事です。昔は相当の一家眷属を養い而も明治に為って更に華族として財産を保護されると云う状態が長く続いたにも拘らずそう云う変化があったと云う事を考えてみますと人間の儚さと云うものを身に滲みて感じます。矢張り世の中と云うのは形ではない。幾ら地位が有り財産が有っても其れは何時迄も続くものでは無い。結局永遠に消えないものはその人の心であり思想でありこの世で果たした業績である。そう思うのです。

*二六日 真剣に取り組む

大相撲は相変わらずの人気である。私はその勝負が一瞬の間に決まると云う処が好きである。力士の人達は其の一瞬の勝負の為に毎日朝早くから夜遅くまで、文字通り血の滲む様な鍛錬をし稽古に励んでいる。そしてその成果を土俵の上で一瞬の間に出し尽そうと云う訳だ。我々も今自分の担当している仕事を本業としてこれに打ち込んでいるだろうか。大相撲の人気と云うものの裏には日や稽古に励む力士の姿がある事を思って我々も亦自分の人生自分の本業と云うものに対して日々真剣に取り組んでゆきたいものである。

*二八日 組織や地位に捉われない

今日企業界各企業の間に於ける競争と云うものは非常に激烈なものがある。此の激しい競争に於いて瞬間を争う大事な事柄を報告するいわば非常の場合に何としても先ず直接の上司に云わねばならないんだとか矢張り組織を通じて処理しなければ叱られるだとか言っていたのでは競争に負けて仕舞うような事もあろう。事の順序としては勿論直接の上司の人に先ず云うべきではあるけれども、どうしても急を要する場合は組織や地位に捉われず即刻処理してゆくことが大切だと思う。何か事ある時には全員が打てば響く様な素早さで活動しなければいけない。

*三十日 感謝する心

今日の社会に於いては我々はどんなに力んでみた処でただ一人では生きてゆけない。やはり親兄弟はじめ多くの人々又人ばかりでなく、周囲に存する物や環境更には自分たちの祖先や神仏自然の恵みの下に暮らしてくる。そう云うものに対して素直に感謝する心を持つと云う事は人として謂わば当然の事であり決して忘れてはならない態度だと思う。若し其云う感謝の心を持たないと云う事に為るならばお互いの生活は極めて味気ない殺伐としたものになるであろう。常に感謝の心を持って接してこそ他人の立場も尊重して行動すると云う事も可能になってく る。

俳句の基礎memo 上

「日本の歳時記」小学館より

このメモは小学館、週発刊の「日本の歳時記」という雑誌の中から、俳句について基礎的要素を25回にわたって俳人山田弘子氏が解説された内容をメモしたものです。

俳句を楽しむ1 山田弘子

【俳句に出会う】

○自然の命と豊かな日本語

  • 雪の朝二の字二の字の下駄のあと         捨女
  • 雀の子そこのけそこのけ御馬が通る        一茶

名句ではあるが現代感覚からは、づれている→現代俳句は自分の言葉で自分の見たまま感じたままを綴る

俳句は自然の命を賛美し日本語の豊かさ深さを学ぶ文藝

○俳句は17音からなる定型詩

  • 主婦にある自由な時間秋灯火          弘子

最初の5音上五 次の7音中七 後の5音を下五又は座五ザゴとよぶ

○季節を表す言葉を入れる

基本は17音の中に季題(季語)を入る。季題とは長い歴史の中で醸成された日本の文化そのもの。

  • 折とりてはらりとおもきすすきかな      飯田蛇笏(秋)
  • 滝の上に水現れて落にけり          後藤夜半(夏)
  • 羽子板の重きが嬉し突かで立つ        長谷川かな女(新年)

○切字を用いる文藝

「や・かな・けり」等の切字を使う文藝

一句に余韻を産み強調する効果働き有、用いる場合は一句にひとつが基本

  • 菜の花や月は東に日は西に          蕪村(切字有り)
  • 詩の如くちらりと人の炉辺に泣く       京極紀陽(切字無し)

-歳時記1(4/8号)

俳句を楽しむ2 山田弘子

【俳句は挨拶】-自然と人事

○俳句における挨拶の心

俳句の対象

自然-山川草木自然現象

人事-人間に関わる事象

挨拶⇒気候の変化・自然の風物への挨拶も含まれる=存問

高浜虚子「虚子俳話」存問の項一節

お寒うございます・お暑うございます⇒日常の存問が即ち俳句

峻嶺を望み大沢を渡る⇒茲にも亦俳句

目見る処耳聞く処⇒俳句がある

心感ずる処神通ずる処⇒そこに俳句がある

○身辺の出来事に向き合う中で

  • 山国の蝶を荒しと思はずや

高浜虚子

S20年長野小諸疎開中 長男年尾が俳人田畑比古を伴い訪ねて来た時の一句 

  • 毛糸編む手を休めずに吾子を守る

稲畑汀子(S33)

  • 昼寝するつもりがケーキを焼くことに

稲畑汀子(S48)

子供に対する母親の存問の心から生まれた句⇒俳句は日常の生活の中で見つけることが出来る 身辺の事象を大事に向き合うことが大切

-歳時記2(4/15号)

★俳句を楽しむ3 山田弘子

【歳時記の読み方・使い方】

○歳時記とは

俳句を作るうえで用いる季題-季語及びそれに関する例句を季節別・月別に分類して集めたもの

現在の歳時記は新暦と旧暦が交差して記述されている

○季題-季語は生き物

一般的に季題-季語は季節別・月別に分けられ更にその中で時候・天文・地理・生活・行事・動物・植物の各分野に纏められる

見出しと為る季題には類似の季題である傍題が添えられ解説例句が示される

現代は季題の時期の基準は東京となっているので地方に於いて多少の時期的ずれが生じることを理解したうえで自らが実感する季節風物を素直に詠めばよい

季題季語の解説で歴史的背景や行事がどのように定着したか等知ることが出来るので季題-季語の本意本情を把握することが出来る

季題-季語は日本の文化其の物とも云える

-歳時記3(4/22号)

★俳句を楽しむ4 山田弘子

【季題季語の活かし方】

○季題と季語

原点は室町時代連歌連句⇒発句美季節の題を織り込む

季題:公認された美の題目

季語:その美が公認されていない季節の様々な言葉の採取されたもの

          (山本健吉定義)

現代は明確には使い分けされていないが日本の誇るべき文化遺産である

○季題季語は俳句のいのち

季節感だけではなく様々な連想を誘い作品に広がりと安定感を齎す

高浜虚子-花鳥諷詠⇒総ての事象を季題季語に託して詠む

  • 一元的用い方
  • 遠山に日の当りたる枯野かな高浜虚子

枯野其のものが描かれている主観をくぐり出た客観写生の句

  • 二元的用い方
  • 人はみななにかにはげみ初桜深見けん二

人の営みとともに据えることで初桜の季題の本意が発揮されている

  • さみだれや大河を前に家二軒  蕪村
  • 鰯雲人に告ぐべきことならず 加藤楸邨

季題季語が一句の中でどのように働いているかが大切・事柄が先行して季題季語が添え物なってしまってはならない

季語に択して作者の気持ちがにじみ出るような作品

-歳時記4(4/29)

★俳句を楽しむ5 山田弘子

【文語・口語の表現】

○文語の句・口語の句

五七五の定型には文語体の表現が便利 口語の句は定型を崩しやすい

鉄鉢の中へも霰 種田山頭火

咳をしても一人 尾崎放哉

文語体は俳句に格調を齎す

  • 咲き満ちてこぼるる花もなかりけり高浜虚子
  • 大寒の一戸もかくれなき故郷飯田蛇笏

○口語短歌の影響

  • この味がいいねと君が言ったから 7月6日はサラダ記念日
  • 俵万智サラダ記念日
  • 毎年よ彼岸の入に寒いのは正岡子規
  • 水枕ガバリと寒い海がある   西東三鬼

自由な世界は口語ならではのもの

  • じゃんけんで負けて蛍に生まれたの   池田澄子

まずは文語の基本的な働きを知り駆使できる力と鑑賞能力を備えることが先決

-歳時記5(5/13)

★俳句を楽しむ6 山田弘子

【表現-切字について】

代表的切字「や」「かな」「けり」

「や」

1.上五につく

  • 古池や蛙とび込む水の音   芭蕉
  • 秋風や模様のちがふ皿二つ   原石鼎

直観的感慨を掴み一句に空間を作り中七下五の具象化された表現へとつなぐ

2.中七につく

  • ひつぱれる糸まつすぐや甲虫   高野素十
  • 火を投げし如くに雲や朴の花  野見山朱鳥

下五之イメージヲを浮かび上がらせる効果

3.下五につく

  • 長き夜の苦しみを解き給ひしや  稲畑汀子

二人称の相手に語り掛ける叙法‐存問

「かな」

   朝顔の紺の彼方の月日かな  石田波郷

  • 白靴に日のとんでくる歩みかな  嶋田一歩

詠嘆の切字:説明を省略詠み手に想像させる力⇒耶・かなは強い切字の働きあり一句に両方は使わない

「けり」

芥子咲けばまぬがれ難く病みにけり  松本たかし

断定を表す切字:強い響きとキレ・大きな余韻を広げる効果

-歳時記6(5/20)

★俳句を楽しむ7 山田弘子

【表現-切れる句・切れない句】

○切字のない句の切れ

言葉・素材・表現を如何に省略するか⇒切字は句の広がりを出す効果また統一

性を齎す

○切字を用いずに切れのある句

  • だん着でふだんの心桃の花

細見綾子

  • 病人に一と間を貸しぬ花茗荷

星野立子

  • 一月の川一月の谷の中

飯田龍太

切字無しの句で其々に鮮やか切れ味あり

下五が体言(名詞・代名詞)で終わっており切字に変わって働いている

異常は何れも二段切れの句

  • 雪もよひそのまま降らず檻の鶴

草間時彦

三段切れの句⇒時間経過の表現に適す熟練が必要

○切れの見えない句

  • 今日何も彼もなにもかも春らしく

稲畑汀子

  • 鹿垣も夢前川をさかのぼる

加藤三七子

17音全体が一本の棒のように詠まれている⇒切れの目立たない句はリズムに緩急をつける言葉の流れが大切

★俳句を楽しむ8 山田弘子

【表現-比喩】

レトリック(修辞)の用い方

○意外性が大事-直喩AはBのようだ

別名:ごとし俳句

  • 水仙や古鏡の如く花をかかぐ

松本たかし

  • 葡萄食ふ一語一語の如くにて

中村草田男

松本句⇒水仙を象形と捉え古代の鏡を連想させた

中村句⇒葡萄食すが象形一語一語が言葉を噛締めるという連想

象形と連想の語が類似し過ぎは詩的飛躍に乏しくなる

蛍火や山のやうなる百姓家   富安風生

○直接的-隠喩 例えを用いない比喩

暗喩とも 単刀直入に述べる技法

飛躍し過ぎて人に伝わらない比喩にならないよう注意

  • 金剛の露一粒や石の上 川端茅舎
  • 空蝉の一太刀浴びし背中かな  野見山朱鳥

○活喩-ものに命を与える表現

人間以外のもの意志を持たないものを

恰も意志の在る如く喩える擬人法

常套的に用いると陳腐になる危険有

  • クリスマスカードの慕ひゐる祖国  後藤比奈夫
  • 花合歓の抱きこぼしたる港の灯  山田弘子

★俳句を楽しむ9 山田弘子

【助動詞のはたらき】

文語文法の基本をしっかり理解しておく

○助動詞の働き

品詞-単語には名詞・動詞・形容詞など一語で意味を持つものと付属語-助動詞・助詞・接続詞などそれ自体には意味を持たない

助動詞は名詞・形容詞・動詞の末尾について活用しいろんな意味を導く

例)花を摘まず⇒否定・摘みたり⇒完了

摘まむ⇒摘もうという意志を表す

  • 過去や官僚を表す助動詞

「し」「たり」「き」「けり」⇒過去の事実のほか現在における認識も顕わす

  • 雨を来し修二会の僧の素足かな  中岡毅雄
  • 来ることのうれしき燕きたりけり 石田郷子

「つ」「ぬ」「たり」⇒連動作の完了を顕

  • 今朝きつる鶯と見しに啼かで去る  蕪村
  • ひとまづにゑんどうやはらかく煮えぬ  桂信子
  • 餅焼く火さまざまの恩にそだちたり  中村草田男
  • 推量否定の助動詞

「む(ん)」⇒一人称・意志/二人称・勧誘

三人称・推量を顕す

  • 山の闇吸ひし辛夷の白ならむ  山田弘子

「ず」「まじ」「じ」⇒打消しの意

  • 愛されずして沖遠く泳ぐなり  藤田湘子
  • 春の泥誰かわからぬ幌俥  (ず⇒ぬ活用)喜下喜太郎
  • 間違いやすい助動詞

「かり」⇒動詞につく「けり」と形容詞につく「かり」が混同されがち

行にけり○(行く⇒動詞)

涼しけり✖(涼し⇒形容詞):涼しかり

★俳句を楽しむ10 山田弘子

【助動詞の力】てにをはの工夫

助詞を的確に使いこなす事は作句のポイント

○省略できる助詞⇒主語が用言へとつながる場合

  • 鶴羽をひろげ朝かげ放ちけり  山田弘子
  • 足袋白く踊りはじめし阿波踊  上崎暮潮
  • 万緑の宇陀郡ぬけて吉野郡  右城墓石
  • 野菊にも雨降りがちの但馬住  京極紀陽

○目的語を導く助詞の省略

  • 萩挿してくれなゐさやに律の墓  深見けん二
  • 梨食うてすつぱき芯にいたりけり  辻桃子

一字たりと疎かにせず最も的確な言葉で的確な省略をし空間を広げる推敲をする

○「の」と「は」の働き

  • 夕顔の一つの花に夫婦かな  富安風生
  • 文鎮の重たき仕事始めかな  永方裕子

俳句では主語の次の助詞が「が」に代わって「の」が用いられることが多い

  • かろき子は月にあづけむ肩車  石寒太

「を」ではなく「は」の使用によって親の情感がより強く伝わる

★俳句を楽しむ11 山田弘子

【省略は武器】

「言葉の省略」「景の省略」「思いの省略」

○言葉の省略

切字は言葉の省略の際たるもの

  • たんぽぽや長江濁るとこしなへ 山口青邨

「や」の切字の効果⇒広がる世界

  • 風光る誰彼となく水辺かな  中村汀女

「かな」によって読み手の想像が広がる

  • 夾竹桃赤白赤白ハイウェイ  千原草之

動詞の省略による効果⇒スピード感

○景及び感情の省略

  • 一枚の障子明りに伎芸天  稲畑汀子

情景の省略によりその場の雰囲気が強調

  • 秋冷にとり残されてゐたりけり  山田弘子

感情の省略により寂しさが強調される

★俳句を楽しむ12 山田弘子

【写生ということ①】無になる

○写生の大切さ

写生を最初に身につけおくかどうかは俳句の将来に大きくかかわる⇒正岡子規方法論

客観写生⇒高浜虚子:主観感情を直接詠むのではなくそれらを呼び起こした要因を客観的に詠む

○どうしたら写生が出来るか

戸外を歩くときは筆記用具・句帖携帯-目に映るものを書き留める(写生)

  • 春浅き川辺に馬を馴らしをり 山田弘子

まず自分を無にすることそうすると対象が自分の方に近づいてくる

★写生とは対象を言葉で表現する作業

  • 滝の上に水現れて落ちにけり  後藤夜半

客観写生の不朽の名作⇒ことば力

※見た儘を写生して俳句を作ることの繰り返しの中にその人の主観が滲み出てくるようになる

★俳句を楽しむ13 山田弘子

【写生ということ②】見るから観るへ

○写生と主観

高浜虚子:客観写生に務めているとその客観描写を通し主観が浸透して出てくる作者の主観は隠そうとしても隠すことが出来ないのであって客観描写の技倆が進むにつれて主観が頭を擡げてくる

-俳句への道

表面的にものを見るのではなく一歩進んでものをより深く観る

  • 甘草の芽のとびとびのひとならび 高野素十
  • づかづかと来て踊子にささやける  高野素十

※素十の目は接眼レンズのように対象物をクローズアップさせたり深く内面的なものに迫ったりする⇒個性的且つ主観的句になっている

○急がば回れ

先ず面倒でもものをしっかり観る客観写生の習練を繰り返す

(京都錦市場吟行12月)

  • 錦市場師走詰つてをりにけり  海輪久子
  • 着膨れて錦市場はなほ狭し  森岡喜恵子
  • 裸電球河豚の目に点りけり  大川隆夫