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棄て犬の句を見て


「野良犬となりても生きよ月に棄つ」

目次

  1. 雑誌の記事
  2. 祈り
  3. おもうこと・・
  4. おわりに

(Blog―noteより https://note.com/2019dobutu )

雑誌の記事

古い本を整理していた時、見つけた雑誌「太陽」―昭和59年9月号―に掲載されていた俳句です。
この号は俳句の特集号で多くは蕪村・一茶・山頭火の生涯と作句を特集していました。コラムとして短い文章ですが俳人加藤楸邨が俳句について語っている記事があり、その中に例として挙げてある句のひとつが上記の句です。
かつて楸邨が選者となって選んだ一般公募の句の一つだそうですが、この句を掲載した時の反響と楸邨自身のこの句に対する思いが綴られていました。

祈り

一節を引用しますと

「・・・ところが犬を棄てるとは何事か、動物愛護の精神を知らぬにもほどがあるという投書が殺到した。私はこの句を読んだ時、犬の子を棄てる事の善悪については決して人々の批難に反対する気はない。しかしここに一人の、どうしても棄てるほかなくなった人の切ない祈りを読みとった。すてたくはないがどうしようもなくなった。犬の子よ何とか生き抜いてくれ、たとえノラ犬となったとしても何とか生きて行ってくれという祈りの中に、犬の子から放す手は浩々たる月を浴びるのだ。月が明るければ明るいほど作者の気持ちはやり切れないのである。・・」


(この句はおそらく昭和40年後半から50年初期ころに読まれた句ではないでしょうか。現代の豊かな状況ではあまり考えられない心情の句だと思います。)

画像1

おもうこと・・

私たちは動物愛護のNPO団体です。どちらかというと批難の側に立つのかもしれません。しかし、豊かになった現代でもやはり身勝手にではなく、いろんな事情により棄てざるを得ない状況というものは存在するのではないでしょうか。私たちはただ批難するだけではなくその痛みというかその状況に共感し共有できる団体でもありたいと思います。


私たちは破棄された犬猫の里親を探すことによって少しでも幸せになれる犬猫が増えればと願っています。と同時に微力ですが遺棄せざるを得なくなった悲しい状況が改善されていく環境作りを目指し、ともに豊かに共生できる社会を実現できればとも願っています。

おわりに

みなさまと共に明るい社会づくりができることを願っています。よろしくサポートお願いいたします。

「あおぞら」とご協力いただいているお仲間のところには、常時数十匹の、2,3ケ月の仔猫から1年以上の成猫までの(=^・・^=)ちゃんたちが、新しいご家族が現れるのを待っています。ご希望の方、あってみたいと思われる方、いつでもご連絡をお待ちいたしています。

(この記事は2019年10月にNPOを立ち上げた当初の気持ちをそのまま述べてたもので2020年にnote(Blog)を始めたときの最初の記事です。再録?)

電話:090-7536-2412
Mail:mefamily@khc.biglobe.ne.jp  or  renren@kdt.biglobe.ne.jp
詳しい情報は 
https://www.pet-home.jp/member/user816951/ 
ペットのおうち(あおぞら)をチェック

活動ご支援よろしくお願いいたします。棄てられた犬猫の保護や飼えなくなった犬猫の保護などが滞りなく常に行えるような常設施設の設営等目指しています。また維持費及び保護した犬猫の健康を守るためのワクチン投薬や医療費用去勢避妊の手術費用等々の資金が不足しています

振り込み口座名:特定非営利活動法人あおぞら
ゆうちょ銀行-記号:17420 番号:95930371 トクヒ)アオゾラ
他金融からの振込: 店名)七四八  店番)748
普通預金      口座番号)9593037

元を絶たなきゃ・(=^・^=)

種子島からのメール

前にも一度紹介したと思いますが・・                    北九州在の実家の父親が仔猫を保護したがどうしようかというご相談メール内容の一部は☞

「役所にこういった場合、どうしたら良いか尋ねて愛護センターの電話番号を聞いたそうですが、連絡をとったところ「元の場所に戻して…」というような事を言われたそうです。                            私自身は、現在鹿児島県の離島種子島に住んでいますが、ここでも島neco会さんという団体が、月に一度鹿児島から来てくださる先生方とTNRの活動をされていて、毎月130匹以上のこたちに施術されています。間近にその活動を見ているだけに、元に戻せばというのはさすがに無責任だと思い、こちらでも何かできないかと検索して、・・・」

というようなご相談。文面からも北九州市行政の愛護活動の取り組み方にあきれている感じが伺えます。

他にもいろいろと

小さな団体ですが私ども「あおぞら」にも、いろいろなご相談の連絡が再々入ってきます。                               特に、愛護センターへ相談したが、埒が明かないのでという場合が多々あります。

ノラ猫に関する相談仔猫の処置、住み着いたノラの処置 。           中には、幼稚園からの深刻なご相談もあります。

邪魔だから、汚いからと排除する事だけを考えるだけでなく、如何に共生するかを共に考えていくことは命の大切さを教える教育問題でもあると思います。

これらの沢山の相談がひっきりなしにあるということは、地域としての問題であり地域として否、市全体として解決していくべき問題ではないかと思うのですが如何でしょうか?

北九州市からの電話

北九州市の環境課でしょうか、先日、こちらに連絡が来ました。        或る老夫婦からの相談について仔猫を保護したが飼えないので引き取ってもらえないかとのことでした。                          こちらも現在、手一杯なので、愛護センター等相談できないかと答えたところ「縦割りなので他の部署へ相談するのは難しい」とのこと。

NPOは行政の手の行き届かないところを市民の力でカバーするという一面があるということもわかります。                              団体或いは個人として「里親さん活動」に力を入れているところや「TNR活動」を推し進めている団体個人もたくさんあり、それなりに実績は上げていることでしょう。が、それでも相談件数が減らないということは、根幹の問題が解決の方向に向かっていないからではないでしょうか?                  いわば枝葉末端でバタバタと対処していても解決の決め手にはなっていないということ。

其々の事情

 増えても別に問題ないのであれば、いろいろと策を講じることもないしそれが一番自然に即していいことかもしれませんが、現実問題として、そう放置ばかりもできないということはわかりきったこと。                 やはり、時間は少しかかるかもしれませんが、地道にTNRを実施しながら放置の数を抑制していくしかないのではないのでしょうか。

地域住民の方々で話し合いをということになるのでしょうが、そのきっかけづくりとしての基本的な知識情報の共有ができていないことと、かかる費用の捻出等がネックとなってとなかなかスムーズには進まないと思われます。

原則にこだわっていては

地域ねことはこういう条件を満たしている猫達でそれ以外は管理ができないし関われない。助けたいならご自身の責任でご自由にやってください、邪魔ならほっておくか、近づかないような工夫をしてください。というようなアドバイスでは根本的解決には程遠いもので問題を先送りしているだけとしか思えません。

融通無礙あるいは空の精神で、もっと柔軟に対応を考えていかなければいい方向へは進まないのではと思います。

一つの方法として今、確実に実績を上げているやり方が公益財団「どうぶつ基金」と行政の連携した活動実施だと思います。

4月に実施された宮崎県の一例をあげますと

【4月19~24日】
どうぶつ基金獣医:山口(院長)、吉田、工藤、高瀬

ボランティア:4/19:5人、4/20:5人、4/21:5人、4/22:7人、
       4/23:8人、4/24:9人

手術数

オス:191匹 メス:93匹 メス(妊娠):68匹 耳カットのみ:7匹
※ 耳カットのみとは:麻酔後、ワクチン投与・ノミダニ駆除・耳カットをしたが、手術前に
  不妊手術済であったことが獣医により確認されたため手術を行わなかった猫のことです

総数:359頭 堕胎数:267

運ばれた猫の頭数(すべて行政枠)                   宮崎市役所:80 日向市役所:40 日南市役所:35 宮崎県三股町:50    高千穂町:34 美郷町役場:12 木城町:30 国富町:20
特定非営利活動法人まち・ねこ環境向上委員会:43             宮崎県三股町(多頭飼育救済):15

計:359頭

 福岡県下でも実施しているところも有、大きな実績を出しています。    勿論、個人や任意団体個々で自助努力を重ねているわけですが、数からいうと行政とのタイアップで組織的に行うTNR活動で一気に数百匹のTNRを施すことの方がより効果が大きいのではないでしょうか?                 かつて噴煙公害等最悪の環境状態からクリーンな環境へ脱却し世界の手本となった北九州市。そろそろ、動物愛護問題でも付け焼刃ではなく本気で取り掛かって頂けないものでしょうか?

実施にはいろいろな解決すべき問題があり、一足飛びに上手くいくとは思いませんが一歩前進していただくことを切に希望いたします。

(※表題の「元から絶たなきゃ・・とは命を絶つのではなく問題の根本を見据えて絶つという意味です」(=^・^=))

草の根活動(=^・^=)

里親さん活動&地域猫活動

今、全国的にというか世界的に放置動物或いは遺棄動物の根絶に向けていろんな取り組みがなされている。これも一つのSDGs運動の流れに即しているのかもしれない。

そのような活動で一番進んでいるのは、欧州ドイツのようだ。ドイツは殺処分0を実現し、公的犬猫のシェルターが完備されているように言われている。

日本の現状は、行政が地域猫活動に関して、積極的に携わって推進しているところもあれば、NPOや個人ボランティアの活動が中心で、行政はあまり深くタッチしてないというようなところもあるようです。

遺棄したり放棄したりするのは日本でも犯罪として刑罰対象になっています。また、そういう場合のマニュアルも整えられているようですが、現実はどうなのでしょうか?

日本では、一部の団体のように理論を大上段に振りかざし、これはこうだからとか❕❕こういうことはこうあらねばならない❕❕と口角泡を飛ばす様な保護活動よりも、自然と個人で、可愛いからとかほっておけないから面倒を見ているといったような活動もたくさん見受けられるように思います。

自然発生的な活動ですが、一番大切な事なのではないでしょうか?このような想いの人が増えれば増える程、動物にとっても、ヒトにとっても住み易い環境がはぐくまれていくものと思います。

ひと昔に比べると、ノラ犬・ノラ猫は劇的に減少してきているようです。国の指導ももちろんですが偏に、任意団体による地域猫活動や、里親活動、個人の方々の善意の活動など「草の根的」な運動が、その様な結果につながっているのではと考えます。

これからもそういう運動が益々広がることを願っています。

保護活動における問題解決のために

大阪の地域猫保護活動団体「十三さくらねこの会」さんはノラ猫救済・及び地域環境保全のために、組織的且効果的な保護活動を続けている、全国でも有数の団体さん❕❕(=^・^=)

この団体さんが、活動の中から得たノウハウ、「保護活動におけるトラブル解決法等を「どうぶつ基金」さんのSNSへ投稿されていますので一部をご紹介します。

保護活動がスムーズに行われる一助になればと思います。

ノラ猫ではなく地域猫として保護していくことの必要性 お互いの意見・気持ちの食い違いを埋めていく作業がなければ、人も猫も幸せにはなれない

さっそくですが、自治会会議等、地域で決定権のある方々へTNRについてご説明する場合のポイントは主に以下となります。

1.猫問題の解決に必要なものは
  「対立」ではなく「協調」
  「排除」ではなく「共生」
  「共感」と「歩み寄り」

2.「健康な雌猫は生涯に100匹子猫を産み続けます」と具体的な数値で猫の爆発的な繁殖力をお伝えする

この僅か1匹の雌猫が100匹も子猫を産みます!(提供:十三さくらねこの会)

特に、猫の繁殖力について説明すると、ほとんどの人が目を見開いて驚かれます。 それでは、経験をふまえて整理した対応策をお伝えします。

第一段階:猫で困っていることや猫に対する感情を聞き出す

まずは、今抱えている問題点や猫に対する感情をすべて吐き出してもらいましょう。飼い主のいない、身寄りの無い猫たち。 「可愛い」「癒される」「可哀想」「猫アレルギーだから接触できない」「迷惑だ」「近付いて欲しくない」等々、彼らに対する人の感想は様々です。


町中に沢山いた猫達(提供:十三さくらねこの会)

存在にすら気が付かない無関心な人も多いでしょう。自治会の会議の席などで「飼い主のいない猫でお困りの事はありませんか?」と問うと、
・猫の糞尿が臭い
・タイヤで爪を研ぐ、車を傷付ける
・発情の鳴き声がうるさい
・子猫が産まれ、数がドンドン増える
と、生活環境が物的に悪化している事を主に訴えられます。

また、必ずと言って良いほど、「近所の人が餌やりをして困っている」と、ご近所トラブル勃発で人的環境も悪化しています。困惑の段階を超えて、猫の存在や餌やりをする人に対して、強いお怒りの感情を吐露なさる場合も多いです。
 

第二段階:「責任の追及」と「問題の解決」を分けて考えるよう提案

参加者のお気持ちをお聞きしたうえで「責任の追及」と「問題の解決」を分けて考えるようご提案します。

餌やりをしてる人や猫の存在を責めても怒っても、対立が深まるばかりで、何の向上も進化も救済も得られません。「対立」するのではなく「協調」し、皆で知恵を絞って「問題の解決」に注力するのが合理的です。

では、問題はどうすれば解決するのか?

答えは簡単です。
飼い主のいない猫がいなくなれば全て綺麗に解決です。 逆に、猫が増えると皆が困ります。その為には、具体的に何をどうすれば良いか?どこか別の場所へ連れて行く、ましてや殺傷するなどは論外です。

猫は「動物の愛護及び管理に関する法律」により愛護動物として定められているので、殺傷や遺棄は犯罪となります。行政も捕獲や引き取りはしません。

餌やり禁止もよく言われますが、餌やりをやめたところで、猫は簡単に餓死などしません。 ゴミを漁り、家屋内に侵入して食べ物を窃取します。餌がもらえないからと移動し、たとえそこからいなくなっても、問題をよそ様になすりつけているだけで、全く根本的な解決にはなりません。

そもそも、猫は餌やりをするから増えるのではなく、避妊手術をしないから増えるのです。

では、何もしないで放置していたら?
どんどん猫の数は増えて、糞尿はますます増え、問題は悪化の一途を辿ります。そうなってくると、「可愛い」と言ってる方々もそれどころではなくなります。 「可哀想」「迷惑」な猫が増えるばかりで、餌やりをする人に対する悪感情もますます激化し、人的・物的環境の悪化が更に深刻化するという悪循環に陥ります。
 

第三段階:具体的な問題解決策としてTNRをご提案

最優先事項は、とにかく繁殖を止めること。

マナーを守らない餌やりさんの責任を追及しても、餌やりをやめても、マナーを守った餌やりや糞尿の清掃を徹底しても、問題は解決しないことをしっかりとご説明したうえでTNRの有効性を説きます。現時点において、合法的・人道的かつ効率的に猫の個体数を減らす唯一の方法は、猫を捕獲して避妊手術(TNR)をする事だけです。 繁殖を止めるだけで、様々な問題の予防・解決に繋がります。                

しばらくは個体数が増えないだけで、ただちに猫の数が減るという目に見えた即効性はありません。しかし、数年という長期的な視点で見ると非常に効果が高いのです。そのうえで、マナーを守った給餌やトイレを設置する等をして、猫が短い生涯を全うするまで適正に管理する取り組みは、環境の美化に大いに寄与します。

!!重要ポイント!!

強調すべき点は、 「この取組は、猫好きの猫好きによる猫好きの為の活動では決してない」ということ。

TNRは、地域住民全体の利益に資する環境改善活動です。住民お一人おひとりが強い利害得失を有する地域の人的・物的環境をそこに住む当事者として整え、より住み良い街にする取り組みであり、猫に困っている方こそ大きなメリットを享受できる、極めて合理的な手段なのです。

さらに、教育的側面の利点もお伝えします。
小さく弱い、お腹を空かせて困っている生き物を排除するのではなく、手を差し伸べて共生の道を開く大人の背中を見せることは、未来を担う子供達へ公徳心・他者への優しさ・寛容さ・思いやり・共感・生命の尊厳といった美德を身を以って示す稀有な教育の機会ではないでしょうか?

最終段階:同意を取り付ける
繰り返し伝えなければいけないことは、猫が繁殖せずに数が減っていけば、諸々の問題は全て解決するということです。良い事だらけでデメリット0です。
この点を繰り返しお伝えし、「ここまでお話してTNRに反対の人はいらっしゃいますか?」という感じでお話したら、決定権のある方々は大概、TNRにご理解とご協力を示して下さいます。
☆☆☆
心得ておくべきことは、言うまでもなく「この人なら自治会として協力しても大丈夫だ」と信頼されるに足りる良識と常識を備えた人物であることを分かっていただくことです。

具体的には、
きちんとした言葉遣いと清潔感のある服装で敬意を表すること。
あまり猫猫猫と言わず、人間にとってメリットがあると強調すること。
猫や餌やりさんにご立腹の方のお立場やお気持ちにこそ寄り添い、理解と共感を示すこと。
そして「今、私に協力しないと、チャンス逃しちゃいますよ」とへりくだり過ぎないこと。 お相手に諾否の権限を勝手に差し出してしまう「許可して下さい」はNGワードです。

あくまでも求めるのは「ご理解とご協力」です。

 

如何でしょうか?                            一番の問題は避妊手術にはお金がかかつといこと。地域によっては北九州のように、獣医師会が補助金を出し一部負担してくれるところもあります。(申し込み抽選にはなりますが・・)

財団法人「どうぶつ基金」では毎月避妊手術の無料チケット配布(ホームページからも申し込み)が行われています。もちろんTNRに限ってのこと。協力病院も限られていますので、基金さんのHPで確認が必要です。

地域全体で動くのであれば、相談してどのような方法がいいか行政をも含め話し合うことも可能ではないでしょうか?

いずれにしても環境の保全と命を守る事の大切さを広める教育的意味合いの含め考えるいい機会になる事と思います。