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古事記神名一覧memo(アイウ順)Ⅰ

古事記に登場する神名を纏めてみました。新潮社古典文学集成の古事記には付録として神名一覧が付いています。神名は其れと重複いたしますが、集成の方は登場順になっていますのでここではアイウエオ順で記載いたします。集成の付録では神名に関する特徴等の説明があります。(※索引有)                 茲では簡単な備考をつけていますので興味ある方は集成をご覧いただければ幸いです。尚古事記のどの巻に登場するかは神名末尾に上・中・下及び記載順と新潮社古典文学集成古事記のページ数を表記しています。

ア行

阿加流比売之神 アカルヒメノカミ  渡来神新羅玉化成 天之日矛妻 比売碁曾神社  中(1-199

                                       飽咋之宇斯之神  アキグヒノウシノカミ  禊神 道祖神(塞ノ神)冠ヨリ化生         上(2-41

秋毘売之神  アキビメノカミ 豊穣収穫神 親神羽山戸(大年系)/大気都比売       上(3-77  

秋山之下氷壮夫  アキヤマノシタビオトコ  秋山神  天之日矛系? 春山之霞壮夫兄神   中(4-200

葦那陀迦之神  アシナダカノカミ   豊穣神  親神八河江比売(国忍富之神妻)   上(5-73 

                                     足名椎アシナヅチ 稲田ノ宮須賀ノ八耳ノ神 親神大山祇 八岐大蛇退治 須佐神社/氷川神社  上(6-54 

葦原之色許男之神アシハラノシコヲノカミ  醜悪(頑強)男神   出雲大社/大穴持神社    上(7-58                                

阿須波之神   アズハノカミ  地霊神  大年之神子神 神足羽神社        上(8-76                                 

阿遅鉏高日子根之神 アヂスキタカヒコネノカミ 雷神迦毛ノ大御神 枝神社/奈良高鴨神社  上(9-72                                 

天之忍許呂別  アメノオシゴロワケ   国生み三子ノ嶋隠岐の島            上(10-31                                

天一根     アメノヒトネ     国生み姫島 (大分県)               上(11-32                                

天津国玉之神 アマツクニタマノカミ  高天ノ原神 天之若日子親神          上(12-78                                     

天津久米之命  アマツクメノミコト   武神 天孫降臨先導神 久米氏祖         上(13-91                                

天津日子根之命 アマツヒコネノミコト   誓約神 髪飾ノ御統珠五男神 多度神社三重   上(14-47                                

天津日高日子波限建鵜葺草葺不合之命アマツヒコヒコナギサタケルカヤフキアヘズ天孫直径鵜戸神社  上(15-105                                

天津日高日子穂々手見之命アマツヒコヒコホホデミノミコト天孫直径 鹿児島神宮・若狭彦神社  上(16-96                               

天津麻羅    アマツマラ 天目一箇神 鍛冶神 天岩屋  天目一神社(兵庫     上(17-50                               

天照大御神 アマテラスオオミカミ 禊神三貴神左目 太陽神女神天ツ神  伊勢神宮内宮    上(18-42                               

天知迦流美豆比売 アメチカルミヅヒメ 生命力神 大年之神妻 大戸比売(竈神)親神   上(19-76                                     

天邇岐志国邇岐志天津日高日子蕃能邇邇芸之命 アメニキシクニニキシアマツヒコヒコホノニニギノミコト  
日ノ御子神 天孫降臨  高千穂神社・霧島神社・箱根神社            上(20-88                                

天之石門別之神アメノイハトワケノカミ 高天原神 天孫降臨随神 櫛石窓之神同 天石門神社 上(21-90                                   

天之宇受売之命アメノウズメノミコト天孫降臨隋神 石屋戸 猿女氏祖 三重椿神社別宮   上(22-51                               

天之忍男    アメノオシオ      国生み知訶之島(長崎県五島)          上(23-32                                  

天之忍日之命  アメノオシヒノミコト    武神 天孫降臨先導神 大伴氏祖         上(24-91                               

天之迦久之神  アメノカクノカミ     武神 高天原神 天孫降臨前            上(25-83                                     

天之久比奢母智之神 アメノクヒザモチノカミ 神生み水汲み(瓢杓)精霊         上(26-33 天之

闇戸之神  アメノクラトノカミ   神生み渓谷神                  上(27-33

天之児屋之命 アメノコヤネノミコト 天孫降臨隋神 石屋戸 中臣氏祖 中臣神社・春日神社   上(28-50

天之狭霧之神  アメノサギリノカミ     神生み霧神 遠津待根之神親神         上(29-33

天之佐具売      アメノサグメ      高天原神 葦原国派遣天之若日子随神           上(30-80

天之狭土之神  アメノサヅチノカミ   神生み土地神 國土神                上(31-33                               

天之狭手依比売 アメノサデヨリヒメ   国生み津嶋(長崎県対馬               上(32-31                               

天之手力男之神  アメノタヂカラヲノカミ 天孫降臨隋神 石屋戸 佐那神社       上(33-51                                

天之都度閇知泥之神 アメノツドヘチネノカミ 深淵之水夜礼花之神妻神 水川主神            上(34-57                               

天之常立ノ神    アメノトコタチノカミ 別天ツ神コトアマツカミ 岩手駒形神社/鳥取金持神社    上(35-26                               

天之鳥船     アメノトリフネ 神生み船神霊国譲り 神埼神社香取隅田川神社    上(36-34                               

天之忍穂耳之命アメノノオシホミミノミコト 高天原直系瓊瓊杵尊親神 英彦山神社/京木幡神社   上(37-77                               

天比登都柱    アメノヒトツハシラ  国生み壱岐    卜部氏祖            上(38-31                               

之日腹之大科度美之神 アメノヒバラノオホシナドミノカミ 風力神霊 大国主之神子孫神    上(39-73                               

天之吹男之神   アメノフキオノカミ  神生み住居神4                上(40-32                               

天之両屋     アメノフタヤ    国生み男女群島男島・女島           上(41-32                               

天之冬衣之神 アメノフユキヌノカミ  衣類神霊 親神淤美豆奴之神(須佐之男子孫神   上(42-58                               

天之火明之命 アメノホアカリノミコト 邇邇芸之命兄神 穀物神/尾張氏祖 真清田神社愛知   上(43-89                               

天之菩卑之命 アメノホヒノミコト 誓約五男神右角髪御統珠 降臨1天穂日命神社出雲   上(44-47                                     

天之御影之神 アメノミカゲノカミ 神霊 息長水依比売親神   近江御上神社     中(45-131                                      

天之甕主之神   アメノミカヌシノカミ  甕精霊神(神事)   前玉比売親神     上(46-73                                               

天之水分之神   アメノミクマリノカミ  神生み水源(配水)神  吉野水分神社     上(47-33                                  

天之御虚空豊秋津根別 アメノミソラトヨアキツネワケ 国生み本州              上(48-31                                     

天之御中主ノ神 アメノミナカヌシノカミ 別天ツ神・妙見 四柱神社・サムハラ神社・秩父神社   上(49-26                                                  

天之若日子  アメノワカヒコ   葦原国派遣神・天孫降臨前2  安孫子神社滋賀    上(50-78

つづく

MEMO 神道

※注:下記の専門家或いは学者・作家等々の著作を参考に、メモったものをそのまま挙げてみました。キーワード的な記述になっているので全体の脈絡は有りません。( 敬称略)

吉野裕子 谷川健一 梅原猛 福永光司 田中卓 谷省吾 小松和夫 上山春平 河合隼雄 吉田敦彦 長部日出夫 宮田登 八田幸雄 安岡正篤 上田正昭 原田大六 永藤靖 鈴鹿千代乃 筧勝彦 柳田国男・折口信夫 津田左右吉 平田篤胤・本居宣長・上田秋成 

国学 民俗伝承伝説・道教の影響・まつり継承・御柱・岩代巨岩・巨木信仰・依代・山信仰龍・蛇・陰陽五行  

日本の神道を考えるには、日本人の思想の最も深い部分に関わるものである。宗教思想の時代的変遷を見ることは勿論歴史的時代思想的考察・民俗学的 神話学的考慮・政治力学的アプローチ等々総合的な考察が必要である

青森三内丸山縄文遺跡巨木祭祀跡 → 信州長野諏訪神社 御柱祭 → 出雲大社 神殿 → 伊勢神宮 心御柱 → 三輪山 巨岩依代   宗像沖ノ島 巨岩祭祀遺跡   石上神社 杉巨木

原神道  呪術呪詛 アニミズム 縄文期 ~ 弥生中期  4C後期

卑弥呼鬼道 シャ-マニズム  鬼道  原始道教の影響

(棟方志功 ルーツ 宗像三女神奉斎宗像海人族) 

※ 神道として体系化される以前の神々の原型 巫女の存在→比売神      →各地に祭神として比売神奉斎

※ 古事記における 別分三神アメノミナカヌシ・タカミムスヒ・カミムスヒの原型は宇宙神縄文~弥生中期期の神々の記憶を現わすか?

※古事記 仲哀記 大御琴(オオミコト神託を得る)               →(詔―みことのり原型;詔勅)

古神道 部族奉斎 アニミズム・シャーマニズム基礎 各部族(豪族)神

物部神道 忌部神道 布留(フル:振る)神道 呪術祈祷

道教(老荘思想・民間信仰)の影響

仏教伝来 塔・寺院・仏像・経典

宗教戦争 神道・仏教 

→ 神仏習合 民間信仰神山岳信仰神 

現神道 律令・中央集権統一  禊・祓い 誓約(ウケイ) 7C前期

中臣氏・藤原氏 中臣鎌足 六韜 

神々の系統化 神殿(神社)の整備 → 仏教伝来に因り神殿造営の必要性

※ 古事記 天皇家由来譚 謀略騙し討ち多し 藤原氏物部氏由来譚 戦略

※ 古事記は 戦略策略を最高の知恵と考える者によって編纂されている

※ 天照大御神 原型は縄文以降弥生期までの巫女(シャーマン)イメージ

  (持統天皇→文武天皇 元明・元正天皇→聖武天皇)

国家神道トハ3000年ノ神道(信仰)歴史ノ中ニアッテ僅カ数十年ノ特異ナ現象・儀礼神道

※ 時代は一人の思想家・創造者・リーダー・指導者・指揮官に因って造られるその下には、組織された集団・体制ができ、その下に無防備な大衆・民衆が従う

(蘇我馬子・聖徳太子 →  旧辞・帝記 645焼失?)

※ 稗田阿礼 二人か?(私見)

天武天皇 原古事記 

稗田阿礼 = 柿本人麻呂 壬申の乱 天武方  文才知識人        旧辞・帝辞を参考に原古事記の作成 神話部分の創作(各氏族伝承及民俗伝承)

その知識と美麗なる表現力により宮廷歌人として尊崇される → 氏姓制の精神的支柱としての存在

元明天皇 現古事記                                          天皇家及び藤原氏を中心とする官僚体制・律令制の思想的支柱

稗田阿礼 = 藤原不比等 壬申の乱 近江(天智)方 謹慎(田辺史へ) 帰化人の最新知識吸収 政治官僚体制の原案 朝廷中枢へ 弱体朝廷の不安を一掃

天皇制 藤原氏中心官僚体制・律令制の強化  

藤原不比等による 原古事記の神話改竄 官僚体制・律令・政治・祭祀組織化

※柿本人麻呂 藤原不比等 対立 → 政治的権力大の不比等により 人麻呂排斥(例えばヤマトタケルの物語の如く)遠地への排斥→絶望入水自殺

古事記序文 天武朝 稗田阿礼ハ柿本人麻呂 新体制下では抹殺すべき存在、本名を隠蔽 生まれ卑しきという意味の名     

元明朝 稗田阿礼ハ藤原不比等 原古事記編集者と同一人物と見せ且つ藤原氏中臣氏影響を隠蔽の為 両人とも朝廷(元明・元正帝)では誰を指すことかわかる

柿本人麻呂:氏姓制 ネノクニ (地霊)国津神
藤原不比等;律令制 タカマハラ (降臨)天津神

天武天皇 :  柿本人麻呂 > 藤原不比等

持統天皇 :  柿本人麻呂 = 藤原不比等

文武天皇 :  柿本人麻呂 < 藤原不比等

元明天皇 :  柿本人麻呂 < 藤原不比等

ハッキリとした罪を告発することは(被冤罪)人麻呂の個人的人望また、天皇家藤原氏の 政治的状況において危険(多くの氏族の反感反動へつながる)何らかの理由を設けて中央より遠地へ排除→例えば「風土記」作成の指導等

※イザナギ・イザナミ→誘う(イザナウ)の意 宇宙根源回帰を表す神?

  (宇宙空間&星の組成成分と人間の組成成分は基本的に同じ)

※ニニギノミコトが何故降臨したのか?

  老子;気を専らにして柔を到(キワ)め能く嬰児ならんか(第十章)

     老子に於いて嬰児は無の統一のこの上ない象徴→安岡

  (忌部正通;辞を嬰児に仮り心を神聖に求む→神代口訣)

  古事記作成時の政治的背景と黄老思想の影響による

  陽の作用は嬰児に於いて最も純粋無垢に発現される

日本語に探る古代信仰-フェティシズムから神道までーから

土橋寛 中公新書 1990年(H2)4/25初版

Memo

原始宗教に関する諸問題

呪術は人間が自然物や他者を直接的にコントロールすることによって願望を遂げようとする行為であり宗教は超自然的な存在としての神・仏の力に頼って間接的に願望を遂げようとする行為

フェティシズム(呪物崇拝)→18C中葉(仏)ド・ブロス(宗教民俗学)提唱

  A・コント(19C仏実証主義)→フェティシズムがあらゆる宗教の最初の段階

アミニズム(霊魂崇拝)→19C(英)E・B・タイラー(人類学)霊魂-遊離魂の観念提唱

※19C(英)R・H・コドリントン(民俗学):マナ→神秘的・呪的な力能と作用の存在提唱

 20C(英)R・R・マレット(タイラー弟子):総てのモノに「生命力が存在する」という信仰

の存在提唱→プレアニミズム・アニマチズム

日本古代の信仰

呪的・宗教的儀礼に用いられるものの崇拝はフェティシズム・アニマチズムに該当

自然物→樹木・鳥・蛾・雲・陽炎等々

人工物→木綿垂でユウシデ-和幣ニギテ・注連縄・ミアレ木・幡・勾玉・剣・鏡等々

  • 呪物崇拝の根底にある呪力-マナの信仰→言霊信仰

日本の古代信仰の最も中心的課題は霊魂の観念である遊離魂よりも霊力・呪力の観念が主体

【呪物崇拝と呪的宗教的儀礼】P75

賢木:儀礼の場に立てられる代表的なもの栄木=常緑樹→榊は日本製漢字

木綿ユウ:楮コウゾや麻の樹皮を水に晒し糸状に裂きヒラヒラと翻るようにしたもの

    →木綿垂で・和幣ニギテ-賢木に取り付け儀礼の場に立てる     

(神官はサカキの小枝に木綿を取り付け左右に振りヒラヒラト翻す江戸以降紙代用)

ミアレ木:木綿榊の大きなもの天の岩戸の前に立てられた天香久山の賢木と同じ

   →平安朝賀茂祭の祭場に立てられた

阿礼ノ幡アレノハタ:アレとはヒラヒラと翻る物を云う神事用語で六色の帛の幡       →正月17日宮廷の大射の場に立てられる賀茂祭では五色の阿礼幡

何れも神の依代ではなく呪物として儀礼で用いられる-フェティシズム対象物

領巾ヒレ:タマフリの呪物→物部氏鎮魂儀礼

  旧事本紀―物部氏祖神饒速日神が天降った時天神御祖に授けられた

  天璽瑞宝十種の呪物の一つ→羸都鏡オキツカガミ1・辺津鏡1・八握劔1                生玉1・死反玉1・足玉1・道反玉1・蛇比礼1・蜂比礼1・品物比礼1

以上纏まりのない内容だが、神道の起源と神道の聖典とされる古事記の成立プロセス更にはその時代の政治情勢の一考察。                    神道は儒教・道教・仏教等々の理論或いは形態を吸収しながら日本人の精神的支柱として確立されていったものと考える。                       また、機会を見てもう少しまとまりのある内容をupすることとします。今回はその雰囲気だけでも感じていただければ幸いです。