百朝集13章
おんにこにこはらたつまいぞやそわか
解題
明治初年禅門の耆宿西有穆山がある老婆
に教えた真言陀羅尼である。
シナ最古の医書といわれる「素問霊樞」
の開巻第一章―上古天真論ーに人間万
病の根源は一「恚」(怒)の字にあると
論じている。既に西洋の進んだ医学書
は精神と肉体との間に非物質的な交互
作用が行われており、例えば肉体に対
する情緒の反応を物質化して証明する
事に成功しておる。ワシントンの心理
学者エルマー・ゲイツ氏は汗と呼吸に
ついて精神状態が肉体に及ぼす化学的
変化を明らかにした。怒ると汗が酷く
酸性になる。ゲイツ氏は汗の化学的分
析から情緒の表を作り上げた。亦各精
神状態は其々腺や内臓の活動に化学的
変化を生じ此れによって作り出された
異物を呼吸や発汗によって体外に排出
する事を証明した。液体空気(気圧を
緩めて蒸発させると零下217℃迄下
がる)で冷却したガラス管の中に息を
吐き込むと息の中に揮発性物質が固ま
り無色に近い液体になる。この人が怒
っていると数分後に管の中に栗色の滓
が残る。苦痛或は悲哀の時は灰色、後
悔しているものは淡紅色になる。此の
栗色の滓を天竺鼠に注射すると必ず神
経過敏に成り、激しい嫌悪の情に駆ら
れている人のおる人の息の滓なら数分
で死んでしまうそうだ。一時間の嫌悪
の情は80人を殺せる毒素を出しこの
毒素は従来の科学の知る限りの最強の
猛毒であると。
おんにこにこ はらたつまいぞや そわか
安岡正篤解
※西有穆山➡ニシアリボクザン:1821(文政4)-1901(明治34)
曹洞宗大本山の總持寺管主・明治天皇から直心浄國の禅師号
を賜った名禅師。
何とも凄まじい話ですね 反対に笑顔は
癌細胞さえも死滅させる力が有と云われ
ています。
さてさてこれらを鑑みて何時も怒って
いるのか何時も笑顔でいるかは貴方次第
と云う事。(笑)
出来得る事為れば本年度はにこやかな表情
で過ごしす事を基本としたいものですね。
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