一日一話 松下幸之助

七月

夕去ればひぐらし来啼く生駒山 越えてそ吾が来る妹が目を欲り

五日 責任を生甲斐に

人は成長するに連れて段々その責任が重くなってきます。そして成人に達すると法律的にもはっきり少年の頃とは違った責任を問われます。又次第に高い地位に就くようになると其れだけ責任が重くなります。併し人は元々責任を問われる処に人としての価値があるのだと思います。責任を問われることが大きければ大きい程其れだけ価値が高いと云う事が言えましょう。ですから責任を問われる処に生甲斐も有ろうと云うものです。責任を背負いその事に生甲斐を覚えないとしたら年齢は20歳をどれだけ過ぎようと一人前の人ではありません。

  • 1949年(S24)下山国鉄総裁事件 ・ 
  • 今日は穴子の日

Memo-責任の取り方➡令和の政府政治家は如何?

*十一日 礼儀作法は潤滑油

私は礼儀作法と云うものは決して堅苦しい物でも単なる形式でもないと思います。其れは云わば社会生活における潤滑油の様なものと云えるのではないでしょうか。職場では性格や年齢物の考え方等色々な面で異なる人々が相寄って仕事をしています。そのお互いの間を滑らかに動かす役割を果たすのが礼儀作法だと思うのです。ですから礼儀作法と云うものは当然心の籠ったものでなければなりませんが、心に思っているだけでは潤滑油とはなりません。やはり形に表し相手に伝わり易くし心と形の両面が相俟った適切な礼儀作法であってこそ初めて生きてくると思うのです。

  • 今日は世界人口デー

*二十日 仕事の上手に

日本古来の武道に一つに弓道があるが此の道の達人の域に達すると、例え目隠しをして矢を放ってもピシャリと的を射るという。併しこう云った名人の域に達するには一朝一夕ではとても覚束ない。一矢射る度に検討を加え工夫を重ねて行って一歩一歩上達していくのである。私は仕事にしても是と同じことが言えると思う。日々自らの仕事の成果を検討する事に努めれば、必ずや仕事の名人と迄は往かなくとも仕事の上手には成れると思う。百本の矢を射れば少なくとも八十本は的に当たると云う上手の域に迄各各の仕事を高めたい。

  • 1969年(S44)米アポロ11号月面着陸成功

今日は勤労青少年の日

Memo-映画燃えよドラゴン➡ブルース・リー(Dont Thinks Feel) 河合隼雄著「影の現象学」影との対決

*二七日 人間の幸せの為の政治

私達が決して忘れてならない事は政治は結局お互い人間の幸せを高める為にあると云う事です。過去に於いては多くの人々が政治に拠って苦しめられお互いの血を血を洗うと云う事もありました。併しそうした好ましくない姿は政治の本来の姿ではない。政治は本来お互い人間の其々の活動をスムーズに進める事が出来るようにするものです。それらの調整調和を図り共同生活の向上を計って、一人一人の幸せを生み高める事こそをその使命としているのです。此の政治は本来人間の幸せの為にあると云う事を私達は先ず正しく認識し合う必要があると思います。

  • 今日はスイカの日

Memo-政治施政者の責任➡現状はどうか

今、まさしく東京オリンピックのドタバタ劇を見ていると、いかに松下幸之助翁の考えている政治の在り方とかけ離れた形になっているかがうかがい知れるというもの。果たして、地に堕ちた日本の倫理観は再生できるのでしょか。

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