百朝集第55章
奢を以て福有りと爲す。詐を以て智有りと為す。
貪を以て為す有りと為す。怯を以て守有りと爲す。
争を以て気有りと爲す。瞋を以て威有りと為す。
金蘭生「格言聯壁」
(解題)
世事は往々転倒錯覚され易い。
豪奢な生活必ずしも幸福ではない。が世人は豪奢
即福と錯覚しがちである。深省すべき問題である。
威張りたがる人間に限ってよく人をりつける。
六錯実に世間の俗情を穿つている。
肉欲を以て神聖とし 堕落を以て文化とす。
流行を以て進歩とし 道徳を以て反動とす。
闘争を以て正義とし ソ連を以て祖国とす。
これ等は現代の六錯か。
安岡正篤
此の解題が掛かれたのは恐らく昭和終戦後間もなくの事
当時の世論の実情を嘆いている事もあって令和の現代と
合わない部分もありますが概ね今も昔も余り変化はない
のではないでしょうか?否寧ろこれが当たり前と思って
いる人が増えてきているのではないでしょうか。
とうい事は其れだけ道徳観と云うか倫理観と云うか
人間としての質が変化してきていると云えるのかも。
トインビーの「歴史の研究」の中には三世代にわたって
世代交代した時、教育・環境が違えば同じ国民人種でも
全く違った特性の人間になっていると云う様な事が書
かれています。ひょっとしたら日本人も1世紀ほど前の
日本人とは全く別物に変貌しているのかもしれませんね。
どちらの方がいいのか 如何思われますか?
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