哲学者の梅原猛先生が先日
亡くなられました。平成の終わり
また一つ日本の良識・偉大な頭脳が
消えたような感じがいたします。
独特な視点でいろんな分野に斬り込み
新しい発想で明確に疑問点を解明して
いく姿勢は日本を理解する一つの方法
として梅原日本学といわれ多くの
哲学者と云うと何となく固いイメージが
付きまといますがその著作にふれますと
梅原猛氏は情熱の人否其れよりも情念の人と
謂った方がぴったり来るような感じがします。
丁度今年の初めに「塔」という本を読み
直したところでした。初めは仏教関連の
内容かと思っていましたが唆に非ず
古代日本歴史の問題提議的な内容で
その後の著作のきっかけとなった
ような面白内容の作品なんです❢
勿論仏教にも触れたエッセイもあります。
という本。これはもう数十年前ラジオを
聞いていた時リスナーの方がなんでも
聖徳太子のファンと云う事でこの本の
紹介をしていたのがきっかけ。
それからいろいろと読みだして特に
日本古代史を解析した「神々の流竄」や
「隠された十字架」「水底の歌」等々
特に神々の流竄などは先程言いました
ようにまるで一気に情念に駆られて書
き上げたような感じが文面から伝わって
くるような著作品❢
私にとっては此の神々流竄はこちらの気分が
落ち込んでいるときなどに読み返すと
カンフル剤の代わりになり気持ちを
前向きにしてくれるような作品です。
(ちょっと読み方が違うかもしれませんが?⁉・・・)
この本はご本人がおっしゃっているように
歴史科学としては問題点が残るものかも
しれませんが何よりもその情熱が素晴ら
しい本だと思います。
数々の賞もいただいていらっしゃる素晴らしい
著書がたくさんあるので一度手に取ってみて
はいかがでしょう。
.
私は一番見習うべきはその膨大な知識に裏付けされた
弁証法的思考の在り方と何物にも屈しないような
意志を感じさせる自信そして自分の直観力を信じ
更に具体的に問題を展開し解析していく姿勢だ
と思っています。やはり天才・奇才・異才の
部類に入る頭脳の持ち主だったのでしょう。
これからもまたいろんな著作を読ませて
いただき楽しませていただこうと思って
います。
皆様ももし気分が落ち込むようなことが
あった時は邪道かもしれませんが一度手
に取ってみるのもいいかもしれませんよ⁉