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中村天風のことば

中村天風一日一話

元気と勇気が湧いてくる哲人の教え366話

2005年8月22日初版発行PHP文庫 2006年12月1日第一版第18刷発行 発行所 PHP研究所

因みに中村天風とは何者か!ご存じの方は多いと思いますがウィキペディアでは 日本の自己啓発講演家、思想家、ヨーガ行者。実業家、大日本帝国陸軍諜報員、玄洋社社員。孫文の友人であり、中華民国最高顧問の称号も持った。天風会を創始し心身統一法を広めた 。

また、学生時代に喧嘩で相手を刺殺、日清日露戦争当時は軍事探偵として活動する。戦後結核にかかり、ニューソート作家の著作に感銘を受けて渡米し、世界を遍歴。インドでのヨーガ修行を経て健康を回復し悟りを得たとされる。日本に帰国後、一時は実業界で成功を収めるも、自身の経験と悟りを伝えるために講演活動を開始。その教えを学んだ各界の著名人の中には、松下幸之助など日本を代表する実業家も含まれる。 と概略では紹介されています。

※ニューソートとは(ウィキペディアより)
19世紀後半にアメリカ合衆国で始まったキリスト教における潮流のひとつで、一種の異端的宗教・霊性運動の一つという事の様です。

短い言葉の中に人生の生き方・考え方が凝縮されている様にも感じます。全て実践できればいいですね~。

【二月の言葉】

*一日 苦しみを微笑みに変えて

悲しい事や辛い事があった時すぐ悲しんで辛がってちゃいけないんだよ。そう云う事があった時すぐに心に思わ占めねばならない事があるんだ。其れは何だと云うと総ての消極的な出来事は我々の心の状態が積極的に成るともう人間に敵対する力が無くなってくるものだと云う事。だからどんな場合にも心を明朗に一切の苦しみを微笑みに変えて往く様にしてご覧そうすると悲しい事辛い事の方から逃げていくから。

*四日 生命の強度を保つ

複雑多端なる人生に於いて常に多種多様の病的刺激や健康生活を破壊する障害が文化が進程色々と形を変えて増殖してくるのは必然である。唯漫然と我意の赴く儘に生活していれば刺激や障害に抵抗できず病弱になる。まして人間の生命は発育期間を過ぎれば年と共に衰退していくのは当然である。然しその衰退の速度を幾分でも緩和防止して活きてこそ聡明な人生態度だと云えるのだ。常に肉体生命の強度を積極化すべく訓練的の方法を持って生活する事である。

*六日 言葉を選択しよう

人間が人生に生きる場合に使う言葉を選択しなきゃ駄目なんですよ。一言一言に注意してもいい位いくら注意しても貴方方はヒョイと気付かずに消極的なことを言ってますぜ。兎に角習いは性でありますから人と口を聞く時でも参ったへこたれた助けてくれ困っちゃった何て事は云わない事。飽く迄も自分の心と云うものを颯爽溌溂たる状態にしておく為には今言った様な消極的な否定的な言葉は断然用いない事。

*七日 天風式クンバカハ法

腹が立つ事心配な事怖ろしい事、何かにつけて感情の刺激衝動を心に感じたらすぐ肛門を締めちまう。そしてお腹に力を込めると同時に肩を落としちまうんだ。この三か所がそうした状態にされた時に初めて感情や感覚の刺激衝動が、心には感じても神経系統に影響を与えないと云う所謂影響を減ずる効果がある。

*九日 考え方が人生を分かつ

心が積極か或は消極かで人生に対する考え方が全然両極端に相違してきてしまう。心が積極的であれば人生はどんな場合も明朗颯爽溌溂、勢いの満ち満ちたものになりますけれども反対に消極的だと、人生の総てがずっと勢いを失くしてしまいます。人生を考える自分の心が消極的だと総てが哀れ惨憺光の無い惨めなものに終わりゃしませんか。人生がたった一回である以上たった今からでも出来得る限り完全な状態で生化さなければいけません。

*十二日 生命の力

人生設計に絶対的に必要とする声明の力とはどんなものかと云うと次の六つに分類する事が出来る①体力②胆力③精力④能力⑤判断力➅断行力である。此の六つの力の何れかひとつでも欠乏しまた不完全であると、人生の根本理想は根底から覆される事になるのは必至であるのを見逃すことは出来ない。

*十四日 認識力の養成と自己統御

認識力の養成と云う事と自己統御と云う事は一体どんな関係があるのだろうか。是を簡単に説明すれば認識力を適当に涵養しないと心の固有する知覚作用が正確さを失い、その当然の帰結として正しい自覚とか或は悟りとか亦は第六感と云う様な、所謂高級意識に属する精神作用が低調に成り、牽いては完全な自己統御と云う事が充分よく行えなくなると云う人生に対する重大な事実があるのである。

*十八日 清濁併せ呑む寛容さ

例え自分自身の心が積極心になり得たとしても、自己の心の状態を基準にして他人の心を推し量る事が在っては絶対にいけない。より分かり易く言うと自分に対しては常に厳しくあらねばならないが、是を他人に押し付けてはいけないのである。即ち他人に対しては清濁併せ呑むと云う寛容さを持つ事である。若しもこれを失うと他人との勝ち負けに拘る心が瞬時に顕れて来て積極心の保持を妨害するからである。

*十九日 睡眠について

睡眠を真に催した時に睡眠し然らざる時には睡眠するべく無駄な努力を為さぬのが最も聡明である。色々の方法や手段を講じて無理にも眠ろうと彼是と種々の努力をしても中々思うように眠れないものである。其れは何とか眠ろうと焦れば焦る程神経が興奮する爲で、その上に懸る無駄な努力をすると勢力の二重疲労を将来する結果に陥るのである。

*二二日 悟りについて

悟りと云うのは自分の心が真理を感じたときの状態を言うのである。従って真理を自分の努力で自分の心で感じるのも人の悟りを耳から聞いて自分の心に受け入れるのも、受け入れ方に相違があるだけである。受け取って仕舞えばその結果は同じである。真理を受け入れる時の心の状態が悟りを開く上に密接な関係であるからこそ安定打坐で心を綺麗にさせているのである。

*二四日 私心無き言行

人と人との世界に活きるお互い人間はどんな場合にもお互いの間柄を天風教義のディクラレーション(宣言)にも宣言してある通り、常に如何なる場合にも偏りのない公平な美しい愛情と真の誠実さを心として、貴い思い遣りで助け合うと云う所謂文字通り親切本意で共に生きる事が最高の理想で有らねばならない。しかも其れを真に実現化するには要するに私心の無い言行が何を於いても必要とされる。

*二七日 内省検討

日常の人生を生きる際にどんな些細な人事世事に対しても、今現在の自分の心は積極的かしらん消極的かしらんと云う事を厳格に第三者の心になって、常に検討することが必要なのであります。そして少しでも自分の心の中に消極的なものを感じたならば断然それを心の中から追い出してしまわなければいけない。己の心の中にあるものは己の心を明るく朗らかにするもの已と云う心掛けが必要なんです。

*二八日 不平不満を口にしない

どんな場合があっても不平不満を口にしない事。此の不平不満がここの中にあるとどうしてもその言葉が積極的に成りません。不平不満のある人は始終上ばかり見て舌を見ないでいる。傍は皆幸福で自分だけがこの世の中で一番不幸な人間のように考えている。この考え方から出てくる言葉は必ず未練で有愚痴でありもう価値のない世迷言だけである。

一日一話 松下幸之助

四月の言葉

高砂の尾上の桜咲きにけり
外山のかすみ立たずもあらなむ         権中納言匡房

二日 人間はダイヤモンドの原石

私はお互い人間はダイヤモンドの原石の如きものだと考えている。ダイヤモンドの原石は磨くことに拠って光を放つ。しかも其れは磨き方如何カットの仕方如何で、様々に異なる燦然とした輝きを放つのである。同様に人間は誰もが夫々に光る様々な素晴らしい素質を持っている。だか       ら人を育て活かすに中っても先ずそういう人間の本質と云うものを能く認識し其々の人が持っている優れた素質が活きる様な配慮をしていく。それが矢張り基本ではないか。もしそういう認   識が無ければ幾ら良き人材があってもその人を活かすことは難しいと思う。

  • 今日は週刊誌の日
  • memo-素質の発見

*八日 魂を入れた教育(事業は人なりと云われるように人材の育成という事は非常に大切だと思います。最近ではどこの会社でも商店でも従業員教育の制度や組織を設けたりして教育に力を入れているようですが、やはり何よりも大切なのはその教育に云わば魂を入れることだと思うのです。つまり経営者也店主の人格の反映と云うものが其処になくてはならないと云うことです其れは言い換えれば経営者なり店主が働きに於いて模範的であること熱心であるという事です。経営者店主にそうしたものがあれば自然に従業員にも反映して、従業員の模範的な働きが生まれ人が育ってくると思うのです。

  • 今日は花祭りの日(釈迦誕生)
  •  Memo-模範・率先垂範の心

*九日 国民の良識を高める

民主主義の国家として一番大事なものは矢張りその民主主義を支えてゆくに相応しい良識が国民に養われているという事でしょう。さもなければその社会は所謂勝手主義に陥って収拾のつかない混乱も起こりかねないと思います。ですから国民お互いが夫々に社会の在り方人間の在り方について高度な良識を養っていかなければなりません。国民の良識の高まりと云う裏付けがあって初めて民主主義は花を咲かせるのです。民主主義の国にもし良識と云う水をやらなかったならば立派な花は咲かず却って変な花醜い姿のものになってしまうでしょう。

  • 今日は大仏の日 
  • Memoー政治家の責任

*十四日 知識は道具知恵は人

知識と知恵如何にも同じもののように考えられる可もしれない。けれどもよく考えてみるとこの二つは別物ではないかと云う気がする。つまり知識というのはある物事について知っているという事であるが、知恵と云うのは何が正しいかを知ると云うか所謂是非を判断するものではないかと思う。言い換えれば仮に知識を道具に譬えるならば知恵は其れを使う人そのものだと云えよう。お互い知識を高めると同時に其れを活用する知恵をより一層磨き高めてゆきたい。そうして始めて真に快適な共同生活を営む道も開けてくるのではないかと思うのである。

  • 1912年タイタニック事故(14日氷山激突・15日沈没) 
  • 2016年(H28)熊本大地震
  • 今日はオレンジデー
  • Memo―般若波羅蜜多

*十七日 人を惹きつける魅力を持つ

指導者にとって極めて望ましい事は人を惹きつける魅力を持つという事だと思う。指導者にこの人の爲なら・・と感じさせるような魅力があれば期せずして人が集まりまたその下で懸命に働くという事にもなろう。もっともそうは云ってもそうした魅力的な人柄と云うものはある程度先天的な面もあって、誰もが身につける事は難しいかも知れない。併し人情の機微に通じるとか人を大事にするとか云ったことも努力次第で一つの魅力ともなろう。何れにしても指導者は惹きつける魅力の大切さを知りそう云うものを養い高めていくことが望ましいと思う。

  • 2016年(H28)熊本地震発生M7.3被害甚大
  • 今日は恐竜の日
  • Memo-人情に通じる

*二十日 信頼すれば・・・

人を使うコツは色々あるだろうが先ず大事な事は人を信頼し思い切って仕事を任せる事である。信頼され任されればん瓶嚴は嬉しいしそれだけ責任も感じる。だから自分なりに色々工夫もし努力もしてその責任を全うしていこうとする。言ってみれば信頼されることによってその人の力がフルに発揮されてくる譯である。実際には100%人を信頼してする事は難しいもので其処に任せて果たして大丈夫かと云う不安も起こってこよう。併し例えその信頼を裏切られても本望だと云うぐらいの気持ちがあれば案外に人は信頼に背かないものである。

  • 2017年(H29)福岡駅前白昼強盗3億8千万強奪事件  
  • 今日は郵政記念日
  • memo-信頼力

*二一日 しつける

日本人は頭もよく素質も決して劣っていない。だから何がいいか悪いかぐらいは百も承知して要る筈であるが、さてそれが行動になって表れたりすると忽ち電車に乗るのに列を乱したり公園や名所旧跡を汚したりしてしまう。やはりこれはお互いに躾が足りないからではないかと思う。幾ら頭で知っていてもそれが子供の時から躾られていないと何時まで経っても人間らしい振舞が自然に出てこない。つまり折角の知識も躾に拠って身に着いていないとその人の身だしなみも好くならず結局社会人として共に暮らす事が出来なくなってくるのである。

  • 1975年(S50)大分地震M6.4
  • 今日は民放の日 
  • Memo-徳育の重要性を認識する

*二三日 目標を与える

指導者にとって必要なことは目標を与える事である。指導者自身は特別な知識とか技能は持っていなくてもよい。其れは専門家を使えばいいのである。併し目標を与えるのは指導者の仕事である。其れは他の誰がやってくれるものでもない。勿論その目標自体適切なものでなければならないのは当然である。だからその爲には指導者はそう言う目標を生むような哲学見識と云うものを日頃から養わなくてはならない。自分の哲学なり体験に基づいてその時々に応じた適切な目標を次々と与える。指導者はそのことを的確にやれば後は寝ていてもいい程である。

  • 今日は著作権デー
  • Memo-2010年3/12NHKラジオ監督の仕事➡
  • (日本女子バレーチーム)目標設定・キャスティング・リズム・タイミング

*二六日 知識を活用する訓練

松下政経塾には優秀な先生方の講師として来て貰う訳ですが普通の学校の様な授業はやらない。先ず学生が質問をして其れを先生に答えて貰う形式をとる。質問するものがなかったなら先生は何も言ってくれないと云うようにしたいんです。質問をする為には疑問を持たなければならない。疑問を持つに至る迄の勉強は自分で遣らなければ為らないと云う訳です。つまり知識を与えるのではなく持っている知識を活用する能力を育てていく訓練を重ねて自分の考えを堂々と主張できるような人間になってもらいたいという願いを持っているのです。

  • 1896年(S61)ロシアチェルノブイリ原発事故
  • 今日は世界知的所有権の日
  • memo―質問力=理解力

*二七日 賢人ばかりでは

世の中は賢人が揃っておれば万事上手くいくと云うものでは決してありません。賢人は一人いればそれで十分なんです。更に準賢人が三人準準賢人が四人くらい。そんな具合に人が集まれば上々でしょう。賢人ばかりですと議論倒れで一向に仕事が捗らないと云ったようなことに為りがちです。一つの実例を挙げればある会社で三人の立派な人物がお互いに協力し合って居た筈なのにどうも上手くいかない。そこで一人を抜いてみた。すると残る二人の仲がピタッとあって非常に上手く行きぬかれた人物も他の分野で成功した。そこなことがよくあるものなのです。

  • 今日は哲学の日
  • 2010年(H22)凶悪犯罪の時効撤廃

*三一日 道は無限にある

お互い人間と云うものは常に自ら新しいものを呼び起こしつつ為すべきことを成していくと云う態度を忘れてはならないと思います。

お互いが日々の生活、仕事の上に於いてそういう心構えを持ち続ける限り、一年前と今日の姿には自ずと其処に変化が生まれてくるでしょうし、又一年先五年先には更に新たな姿、仕事の進め方が生まれ個人にしろ事業にしろ其処に大きな進歩向上が見られるでしょう。大切なことはそう言うことを強く感じて熱意を持って事に当ると云う姿勢だと思います。そうすれば当に道は無限にあると云う感じがします。

  • 今日はオーケストラの日
  • Memo‐姿勢の在り方 融通無碍

*三十日 困難から力が生まれる

人間と云うものは恵まれた順境が続けばどうしても知らず識らずの裡に其れに馴れて安易に成り易い。昔から治にいて乱を忘れずという事が言われ其れを究めて大切な心構えであるけれどもそういう事が本当に100%出来る人は恐らくいない。やはりどんな立派なな人でも無事泰平な状態が続けば遂安易になる。安心感が生じ進歩が止まってしまう。それが困難に出会い逆境に陥ると其処で目覚める。気持ちを引き締めて事に当たる。其処から順調な時に出なかった様な知恵が湧き考えつかなかった事を考え着く。画期的な進歩革新も初めて生まれてくる。

  • 今日は図書館記念日 
  • 2019年(H31)平成天皇退位
  • 百朝集39真の幸不幸➡逆境の捉え方

今月で丁度、[一日一話」は丸一年を経過致しました。引き続き松下幸之助翁のことばを、著書の中から選んでアップしてい行く予定にしています。

一日一話 松下幸之助

三月の言葉

人はいさ心も知らず古里の
花ぞ昔の香ににほひける              紀貫行


*一日 本当の勇気

私は一般的に本当の勇気と云うものは一つの正義に立脚しないことには、又良心に顧みて之が正しいと思わないことには湧いてこないと思うのです。だから勇気が足りないという事は何が正しいかという事の認識が非常に曖昧である処から出ている姿ではないかと云う感じがします。人々が其々に自問自答して何が正しいかという事を考える。そしてこの正しい差は絶対譲れない。この正しさは通さなければいけないという確固とした信念を持つならば、そこから出てくる勇気は例え気の弱い人であっても非常に力強いものとなる。そう云う様な感じを私は持っているのです。

  • 1930年(S5)谷口雅春生長の家設立
  • 今日は労働法施行の日
  • memoー正義感

*七日 大西郷の遺訓(

西郷隆盛が次のような遺訓を残している。国に功労がある人には禄を与えよ。功労あるからと云って地位を与えてはならない。地位を与えるには自ずと地位を与えるに相応しい見識が無ければならない。功労があるからと云って見識の無いものに地位を与えるという事は国家崩壊の基となると。是は国の事であるが事業経営についても同じことが言える。あの人は会社に大きな功労がある。だから重役にしようとなりがちであるが、この点充分に注意しなければいけない。飽く迄も功労ある人には賞を以て報いその見識ある人に地位を与えることが大事だと思う。

  • 今日は消防記念日
  • Memo-PBFile12南洲手抄志録・遺訓 

*十日 日本の伝統精神

私は日本の伝統精神は極めて優れたものだと思います。ではその伝統精神とは何か。その一つは和を以て貴しとする平和愛好の精神です。凡そ千四百年も前にこの和の精神が聖徳太子によって掲げられています。第二は衆知を以て事を決すと云うつまり民主主義です。古事記にも八百万の神々が相談をして事を決したとあります。日本は真の民主主義の本家本元だと云えるでしょう。第三は主座を保つ。古来日本人は常に主座を失わずに外来のものを朱か吸収し日本化して来ました。この和、衆知、主座と云う三つの柱を守っていくことは、今後においても大切ではないでしょうか。

  • 1945年東京台空襲 陸軍記念日
  • Memo-安岡正篤「百朝集」59六然
  • 随所ニ主ト為バ立処皆眞➡臨済義玄禅師

*十一日 塩の辛さは舐めてみて

例えば水泳の先生が三年間講義をしたとします。それでその講義を受けた人がすぐ泳げるかと云いますと、必ずしも泳げないと思うのです。又塩の辛さと云うものでも、塩を舐めさせることをしないで、塩は辛いぞと云っても判らないでしょう。塩の辛さは舐めてみて初めてああこれが塩の辛さやなと判る分けです。処世のコツとでも申しますかお互いの人生に於いて大切な事柄を会得するということも、事を行ってそのやったことを仔細に考え検討してゆくところから始めて可能になるのではないかと私は思います。

  • 2011年(H23)東日本大震災M9・津波39m
  • 福島原発破壊
  • 今日はパンダ発見の日 
  • Memoー実践行動

*十四日 人間疎外は人間が生む

現代文明における科学技術の発達によって人間が軽視され忘れられているという事が問題になっています。そういった人間疎外を失くす為には常に人間の幸せという事が前提にされなくてはなりません。何故こう云う新しい機会を造るのか、それは人間の幸せの爲である。という事が何時も考えられそれに基づく配慮が為されるならばどんな機械が生み出されて使われても人間疎外は起こらないと思います。現実に人間疎外の様な観を呈しているのは、機械が人間を疎外しているのではなく人間自身が人間自身を大事にせず、人間疎外を生んでいるのではないでしょうか。

  • 1939年(S14)ナチスドイツチェコスロバキア併合
  • 1965年(S40)イリオモテヤマネコ発見
  • 今日はホワイトデー

*十七日 修養に場所を選ぶな

人は若い時の心がけ如何に拠り後に随分差の生じるものである。若し若い時代に自己実力の養成に励まず修養に努めなかったならば、必ず後年後悔をする時が来ると思う。然るに若い人の間では、この仕事は自分に合わないあの主任の下ではどうも働き甲斐がないと、不足を漏らす人がある。これは自己中心のものの考え方の弊害であろう。真に自己の適所を見出す迄には色々経験を積まなければならない。又性格意見の異なった指導者の下で自己を磨く事によってこそ、却ってよりよく修養が得られるものであることを深く知らなければならないと思う。

  • 今日は漫画週刊誌の日

*二十日 まず自分から

反省を求める者には反省を求める。又自分達に於いて反省すべき点があれば、大いに反省して協力体制をとってゆく。そう言うことを誰かが言い出し誰かがやらねばならないのに、誰もが非常な安易感に浸ってしまって成り行き任せ他人任せになってしまっている。それが日本の現状でしょう。是では物事は好転しません。今日一日が過ぎれば明日は明日の風の吹くだろうと云う様な、事なかれ主義は何時か行き詰ります。お互いに全体として考え直そうという行き方を誰かではなく、まず自分が生み出さなくてはならないことを深く自覚すべきと思うのです。

  • 1995年(H7)オウム真理教の地下鉄サリン事件 
  • 2005年(H17)福岡西方沖地震
  • 今日はミニチュアの日・動物愛護デー
  • Memo-自覚を持つ

*二二日 迷いと判断

私は極小の商売から今日迄の間例えば新しい仕事をすべきか否かを決める場合、全部ひとりで決断してきたかと云うと決してそうではありません。自分はやりたいと思うけどそれだけの力があるかどうか自分で判断がつかない時も実際ありました。そういう時には如何したかというと第三者にすっかり打ち明けて、今こう言うことで迷っているんだ君ならどう思うかと尋ねました。それは松下君あかんで・君の力やったらやれると色々言ってくれる。迷った時には私は得心の行く迄他人の意見を聞いてみるという事を遣り乍ら段々大きくなってきたのです。

  • 今日は放送記念日 
  • Memo― 報連相

*二四日 協調性を持つ

みなさんが其々の会社の社員である以上多数の同僚と相接して仕事をしなければならないということになりますから、人の立場を重んじない所謂協調性の少ない人は困ると思うのです。自分はこう思うがあの人はああ思うのだな、それも一つの考えだろうなと云うように人の言に耳を傾けると云う所に協調性が成り立つのです。勿論自己と云うものを卑屈にして協調せよと云うのではありません。けれども自己に捉われた主張は協調性を欠きます。この点どの様な立場にいようと考えなければならない非常に大事な問題ではないかと思います。

  • 2020年(R2)新型ウィルス感染多発状況の為東京オリンピック開催延期を決定
  • 今日は世界結核デー
  • Memo-至人は己無し・神人は功無し(荘子)
  • 自己中心➡無私公正

*二八日 身を捨てる度胸

人生と云うものには色々な問題があります。併しそれらの事も過ぎ去ってみるとあの時に迷わないでやって本当によかったなと云う様な場合が多いのです。そこが大事なところだと思います。ある場合には迷うこともあるでしょう。併し所詮迷ってもお互い自分の知恵裁量というものは本当は小さなものです。だからこれはもう仕方がない。此処迄のだからこれ以上進んで結果が上手くいかなくでもそれは運命だ。と度胸を決めてしまう。そうした場合には案外困難だと思っていたことがスムーズにいって、寧ろ非常に良い結果を生むという事にもなるのではないかと思うのです。

  • 1979年(S54)米スリーマイル島原子力発電所事故発生 
  • 今日はシルクロ―ドの日
  • Memoー去私・捨身

*三一日 道は無限にある

お互い人間と云うものは常に自ら新しいものを呼び起こしつつ為すべきことを成していくと云う態度を忘れてはならないと思います。

お互いが日々の生活、仕事の上に於いてそういう心構えを持ち続ける限り、一年前と今日の姿には自ずと其処に変化が生まれてくるでしょうし、又一年先五年先には更に新たな姿、仕事の進め方が生まれ個人にしろ事業にしろ其処に大きな進歩向上が見られるでしょう。大切なことはそう言うことを強く感じて熱意を持って事に当ると云う姿勢だと思います。そうすれば当に道は無限にあると云う感じがします。

  • 今日はオーケストラの日
  • Memo‐姿勢の在り方 融通無碍

20日の言葉などは、今の日本の現状を言い表している様な重みのある言葉だと思う。事なかれ主義・無関心・責任転嫁が生んだ現状はもう既に行き詰まりの社会環境の様相を呈している様にも感じられるが・・              打開できるのはやはり見識あるリーダーの出現だろう。

一日一話 松下幸之助

二月の言葉

石走る垂水の上の早蕨の 
萌え出づる春になりにけるかも  志貴皇子


*一日 天は一物を与える(イ)

この世に百パーセントの不幸と云うものはない。五十パーセントの不幸はあるけれども半面其処に五十パーセントの幸せがある訳だ。人間は其れに気付かなければいけない。兎角人間の感情というものは上手くいけば有頂天になるが、悪くなったら悲観する。是は人間の一つの弱い面だが其れをなるべく少なくして、いつの場合でも淡々とやる。信念を持っていつも希望を失わないでやることだ。天は二物を与えずと云うが、逆になるほど天は二物は与えないがしかし一物は与えてくれるということが言えると思う。其の与えられた一つのものを大事にして育て上げることである。

  • 1268年(文永5-旧1/17)モンゴル帝国の使者来朝元寇のきっかけ
  • 1954年(S29)マリリンモンロー来日
  • 2003(H15)米スペースシャトルコロンビア号テキサス上空で空中分解 今日はTV放送記念日 Memo参-百朝集(安岡正篤著)六然

*六日 正しい国家意識(ラ)

昨今の国際情勢は一方で世界は一つと云いつつも、その一方で各国が過度の国家意識に立ち自国の利害を優先して仕舞う為、対立や紛争が一向に絶えない。それでは日本はどうかと云うと、反対に国家意識が極めて薄い為却って問題が起こっている様である。個人でも正しい自己認識、人生観を生み出し自主性を持って生きていってこそそこに初めて他の人々に対しても奢らず、諂わず仲良く付き合っていける譯である。国でも同じことである。国民が正しい国家意識を持ち、他の国々と交流していくことが大切であろう。過ぎたるもいけないが及ばざるもいけない。

  • 今日は海苔の日
  • 関連項目1/11・2/11memo‐正しい自己認識

*九日 一歩一歩の尊さ(タ)

仕事はいくらでもある。あれも作りたい是も拵えたい、こんなものがあれば便利だ、あんなものも出来るだろうと次から次へと考える。その爲には人が欲しい資金が欲しいと願うことには際限がないが、一歩一歩進むより他に到達する道があろうか。それは絶対にない。やはり一歩一歩の繋がり以外に道はない。坦々たる大道を一歩一歩歩んでゆけばそれでよい。策略も政略もいらない。一を二とし、二を三として一歩一歩進んでゆけば遂には彼岸に達するだろう。欲しいと願う人も一人増えまた一人増えて遂には万と数えられよう。一歩一歩の尊さをしみじみと味わわねばならぬ。

  • 今日は河豚(フク)の日
  • memo-大道を行く亀の如
  • 2009/2/9 MLMのFLJ経済相より行政処分(19日)

*十一日 国を愛する(ナ)

我が国は戦後相当立派な成長を遂げてきましたが、不思議に愛国心と云う言葉がお互いの口から出ません。時たま出てもあまり歓迎されない状態です。愛国心と云うものは国を愛する餘に他の国と戦いをすることに為ると云う人もあります。併し決してそうではないと思います。国を愛すれば愛する程、隣人と仲良くしていこう友好を結んでゆこうという事になるだろうと思うのです。お互いが自分を愛するように国を愛し、隣人を愛す。そうする事によって其処に自分の幸せも築かれていくと思うのです。疎の様な姿をお互いに盛り上げていくことが国民としての大きな使命ではないでしょうか。

  • 2020年(R2)野球人野村克也逝84歳
  • 今日は建国記念日 
  • Memo―愛国心 使命感

*十三日 一人の力が伸びずして(ヌ)

自分は一年にどれだけ伸びているか、技術の上に或は社会に対する物の考え方の上に、どれだけの成長があったか、その成長の度合いを測る機械があれば是は簡単に判ります。併し一人一人の活動能力と云うか知恵才覚と云うか、そういう総合の力が伸びているかどうかを図る機械はありません。けれども私は5%なり10%或は15%伸びたと自分で云えるようでないといけないと思います。やはり一人一人が自分の力でどれだけの事をしているかという事を反省してみることが大切です。一人一人の力が伸びずに社会全体の力が伸びると云う事はないと思うのです。

  • 1219年(健保7旧1/27)源実朝公暁に斬殺さる 
  • 2017年(H29)マレーシアクアラルンプール空港にて北朝鮮の第2代最高指導者金正日の長男金正男が、顔面に神経剤VX」を塗られ毒殺
  • 今日は銀行強盗の日
  • Memoー向上心➡個人の能力アップ

*十八日 日本式民主主義を(ラ)

民主主義の基本理念というものは真に好ましいものであり、これを取り入れ国家国民の調和ある発展繁栄を計っていくことは極めて重要なことだと云えます。けれどもそれは日本の伝統国民性と云うものに立って行わなくてはなりません。基本の理念は同じでも具体的な形態は其々の国民性に従って様々でなくてはなら・ない。謂わばアメリカにはアメリカ式民主主義フランスにはフランス式民主主義、日本には日本式民主主義がなくてはならないと思うのです。それを日本自らの伝統を忘れて、アメリカやフランスのようにやろうとしても、根無し草の民主主義に終わってしまうでしょう。

  • 今日は嫌煙運動の日
  • 基本・特異性・国民性➡パーソナリティ

  • *十八日 日本式民主主義を

民主主義の基本理念というものは真に好ましいものであり、これを取り入れ国家国民の調和ある発展繁栄を計っていくことは極めて重要なことだと云えます。けれどもそれは日本の伝統国民性と云うものに立って行わなくてはなりません。基本の理念は同じでも具体的な形態は其々の国民性に従って様々でなくてはなら・ない。謂わばアメリカにはアメリカ式民主主義フランスにはフランス式民主主義、日本には日本式民主主義がなくてはならないと思うのです。それを日本自らの伝統を忘れて、アメリカやフランスのようにやろうとしても、根無し草の民主主義に終わってしまうでしょう。

  • 今日は嫌煙運動の日
  • 基本・特異性・国民性➡パーソナリティ

*二三日 道徳は水と同じ

戦後の我が国では道徳教育というと何か偏った風に思われることが多いが、私は道徳教育はいわば水と同じではないかと思う。人間は活きる為にどうしても水が必要である。処がこの水に何か不純物が混じっていてそれを飲んだ人が病気になった。だからと云って水を飲むことを一切否定してしまったらどうなるか。大切なことは水そのものの価値効用を否定してしまうことではない。水の中の不純物を取り除くことである。嘗て道徳教育の中に誤った処があったからといって道徳教育そのものを否定してしまう事は其れこそ真実を知らぬことではないか。

  • 1960年(S35)近上天皇(令和)誕生日
  • 今日は五大力尊仁王会(醍醐寺)
  • 富士山の日

*二八日 感謝の心は幸福の安全弁

感謝の念という事は是は人間にとって非常に大切なものです。見方によれば総ての人間の幸福なり喜びの根源とも云えるでしょう。従って感謝の心の無い処からは決して幸福は生まれてこないだろうし、結局は人間不幸になると思います。感謝の心が高まれば高まる程それに正比例して幸福感が高まっていく。つまり幸福の安全弁とも言えるものが感謝の心とも言える訳です。疎の安全弁を失ってしまったら幸福の姿は瞬時のうちに壊れ去ってしまうと云ってもいいほど人間にとって歡ッ社の心は大切なものだと思うのです。

  • 今日はエッセイの日
  • Memo‐幸福の根源は感謝の心➡本質

*二九日 健康管理も仕事の内

会社生活をしていく上で何といっても大切なのは健康それも心身共の健康です。いかに優れた才能が有っても健康を損ねてしまっては充分な仕事も出来ず、その才能も生かされないまま終わってしまいます。出羽建工の為に必要なことは何かと云うと栄養であるとか、休養とか色々あるでしょう。しかし特に大切なのは心の持ち方です。命を懸けると云う程の熱意を以て仕事に打ち込んでいる人は少々忙しくてもそう疲れもせず病気もしない、ものです。お互い自分の健康管理も仕事の内という事を考え人夫々のやり方で心身ともの健康を大切にしたいものです。

  • 2012年(H24)東京スカイツリー完成
  • 今日はニンニクの日
  • Memo‐心の在り方・懸命ということ

感謝の心と素直な心は人間が幸福に生きていくうえで一番忘れてはならないことようですね                                     「幸せだから笑うのではない笑うから幸せなのだ Alain」