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中村天風のことば

中村天風一日一話

元気と勇気が湧いてくる哲人の教え366話

2005年8月22日初版発行PHP文庫 2006年12月1日第一版第18刷発行 発行所 PHP研究所

因みに中村天風とは何者か!ご存じの方は多いと思いますがウィキペディアでは 日本の自己啓発講演家、思想家、ヨーガ行者。実業家、大日本帝国陸軍諜報員、玄洋社社員。孫文の友人であり、中華民国最高顧問の称号も持った。天風会を創始し心身統一法を広めた 。

また、学生時代に喧嘩で相手を刺殺、日清日露戦争当時は軍事探偵として活動する。戦後結核にかかり、ニューソート作家の著作に感銘を受けて渡米し、世界を遍歴。インドでのヨーガ修行を経て健康を回復し悟りを得たとされる。日本に帰国後、一時は実業界で成功を収めるも、自身の経験と悟りを伝えるために講演活動を開始。その教えを学んだ各界の著名人の中には、松下幸之助など日本を代表する実業家も含まれる。 と概略では紹介されています。

※ニューソートとは(ウィキペディアより)
19世紀後半にアメリカ合衆国で始まったキリスト教における潮流のひとつで、一種の異端的宗教・霊性運動の一つという事の様です。

短い言葉の中に人生の生き方・考え方が凝縮されている様にも感じます。全て実践できればいいですね~。

【三月の言葉】

*二日 完全を願う意欲観念

人間には不完全を嫌い完全を喜ぶと云う気持ちがあるでしょう。壊れた時計と壊をれていないと時計と両方見せられて好きな方を持って行きなって言われたら、誰だって壊れていない時計を貰って行く筈です。だから自己の健康や運命も誰もが完全である事を願うんです。たまには患ってみたいとかニッチもさっちも行かない運命の中に陥って

*五日 自分の分を知る

自分の分を知らなきゃ卑しい希望や汚れた宿望を炎と燃やしても、ろくな仕事は出来ないし不渡りを食う結果が来るのだ。五貫目の力しかないのに十貫目のものを持ち上げるとどんな結果に成るか、と云う事を考える事だ。自己認証とと云う事は自分の分を知ると云う事これが本当の自己認証である。

*六日 吾在る処

古聖の教えにも吾在る処に常に光あらしめん・我往く処に又光明を点ぜんと云うのがあるが、誠と愛の心を持って万物の接する時、期せずして其れは光明となるのが必至である。是こそ真に最も近くして最も遠く最も新しくで最も古き乃ち久遠より永劫への昭(証)として一貫する不易の人生哲学と人生科学の真髄である。

*八日 刹那心機の転換

常に心掛けねばならない事は刹那心機の転換と云う事である。刹那心機の転換と云うのは言い換えれば如何なる事でも即座に心を積極的に切り替えることを言うので、禅の方では熱殺寒殺と云う言葉があるのも要するにこれと同義諦なのである。この言葉は即ち暑さに対しても寒さに対しても其れを思わぬ事、其れに心を懸り合わせぬ事さすれば寒暑何ものぞ否一切の人事世事皆是と相等しと云う、所謂心機転換の妙を説示した偈語なのである。

*十一日 真心を持った行為

人間の行為に真心の籠って為されるものとその否との場合はその結果の事実の如何に拘りなく、その行為の尊さと云うものに頗る格段の相違がある。例えば他人の危難を救うと云う様な場合報償を目当てにして人を救ったのと、断然報償等を念頭に置かずに救ったのとは、例え敢然として難を冒して救ったというその行為と事実とは同様であろうとも、その行為の尊さには全然大きな隔たりがある。

*十四日 真理は事情に同情しない

自分の仕事や又は為す事等が思い通り上手くいかないと、とてもがっかりしたりへこたれて憐れな程意気を消沈する人が有るが、何れにしても人生斯うした心構えでは幾ら学識が有ろうと金持ちであろうと更に社会的の地位を持っておろうと、真理と云うものは事情に同情しないのであるから只徒に不幸な状態に自分を心ならずも導入して、結局は往生の時を早めるだけのこと以外何も値打ちのある事は人生に招来されない。

*十六日 睡眠は精力復活の恵み

特に就寝前には心痛憤怒煩悶悲観と云う様な仮初にも心を暗くするが如き、消極的の思考は断然心に抱か〆ぬ様努めて習慣付けなければならない。要するに睡眠と云う自然の与えてくれた精力復活の恵まれた時に本当に親しむのには、落ち着いた楽々とのんびりした気分が最も肝要なのである。

*十八日 臨機応変

世の中を見てみるにその日々の生活を行う際「力」の使い方を考えない為、力を働かさずに力のみ入れると云う力の無駄遣いをしている傾向がある。県の極意は変機に処する以外には徒に力を入れぬ事である。此れが臨機応変の要訣である。人生生活を完成する命の力の使い方も亦これ以外にない

*二一日 大定心

大定心と云うのはどんな時どんな事にも些かも動揺せぬ心、言い換えると如何なる場合に怯じず怖れず急がず焦らず何時も淡々として極めて落ち着いている心である。此れをもっと適切な状態で云えば何事も無い時の心と同様の心の状態である。あの古い句で有名な「湯上りの気持ちを欲しや常日頃」というのが此の心持を最も真実に形容表現している。要するに何事も無い時の平静の心こそ大定之心也と云う事である。

*二四日 心や肉体が自己ではない

心や肉体が人間=自己に対してどんな関係にあるかについて説明しよう。心や肉体は人間そのもののように見えるが実はそうではなく、人間がこの世に活きるのに必要な色々な方便を行うための道具と云う関係である。哲学的に言えば心や肉体は人間の個体生命の生存と生活を確保存続させるに必要な不可分的生命付属物なのである。故に心や肉体は人=自己ではなく益してそれが人=自己の本体ではないのである。

*二七日 思考の客観的批判

兎に角お互いに真理に則って正しい向上への人生を建設し様と云う者は、自己の心の行う思考状態の客観的批判を刹那刹那実行する位の余裕を心にもたして活きるのが、本当に生活を味わい得る貴重な人生真理だと悟らなければならない。そしてその余裕を現実に心に創る事を常住の心掛けとすべきである。

*二九日 人間の死と云うもの

たった一つの宇宙の根本が産出したものが森羅万象である。従って一切の森羅万象と称するものは宇宙根本のエネルギーの分派によって創られている。形がつまり目の前にあると云うのは宇宙根本の力がまだ籠っているからである。その力が抜けてしまえば形を現象界から消して根源要素に還元しなければならない。人間死と云うのもそう云う事なのである。

*三一日 つまらない考え方

心の弱い卑怯な人に為ると何か自分には運命が向いていないだとか、世間がまだ本当に認めてくれないだとか、最呆れた奴に為ると整備が整っていないだとか誰々が手伝ってくれないとか、何か上手くいかない時に自分以外のものの所為にする人がいますがとんでもない了見違いですよ。やれ運命が詰まらないの人生が詰まらないのって人はその考え方が詰まらないんです。いいですか幸福も健康も成功も他にあるんじゃないんですぜ。貴方方自身の中にあるんだぜ。

中村天風のことば

中村天風一日一話

元気と勇気が湧いてくる哲人の教え366話

2005年8月22日初版発行PHP文庫 2006年12月1日第一版第18刷発行 発行所 PHP研究所

因みに中村天風とは何者か!ご存じの方は多いと思いますがウィキペディアでは 日本の自己啓発講演家、思想家、ヨーガ行者。実業家、大日本帝国陸軍諜報員、玄洋社社員。孫文の友人であり、中華民国最高顧問の称号も持った。天風会を創始し心身統一法を広めた 。

また、学生時代に喧嘩で相手を刺殺、日清日露戦争当時は軍事探偵として活動する。戦後結核にかかり、ニューソート作家の著作に感銘を受けて渡米し、世界を遍歴。インドでのヨーガ修行を経て健康を回復し悟りを得たとされる。日本に帰国後、一時は実業界で成功を収めるも、自身の経験と悟りを伝えるために講演活動を開始。その教えを学んだ各界の著名人の中には、松下幸之助など日本を代表する実業家も含まれる。 と概略では紹介されています。

※ニューソートとは(ウィキペディアより)
19世紀後半にアメリカ合衆国で始まったキリスト教における潮流のひとつで、一種の異端的宗教・霊性運動の一つという事の様です。

短い言葉の中に人生の生き方・考え方が凝縮されている様にも感じます。全て実践できればいいですね~。

【二月の言葉】

*一日 苦しみを微笑みに変えて

悲しい事や辛い事があった時すぐ悲しんで辛がってちゃいけないんだよ。そう云う事があった時すぐに心に思わ占めねばならない事があるんだ。其れは何だと云うと総ての消極的な出来事は我々の心の状態が積極的に成るともう人間に敵対する力が無くなってくるものだと云う事。だからどんな場合にも心を明朗に一切の苦しみを微笑みに変えて往く様にしてご覧そうすると悲しい事辛い事の方から逃げていくから。

*四日 生命の強度を保つ

複雑多端なる人生に於いて常に多種多様の病的刺激や健康生活を破壊する障害が文化が進程色々と形を変えて増殖してくるのは必然である。唯漫然と我意の赴く儘に生活していれば刺激や障害に抵抗できず病弱になる。まして人間の生命は発育期間を過ぎれば年と共に衰退していくのは当然である。然しその衰退の速度を幾分でも緩和防止して活きてこそ聡明な人生態度だと云えるのだ。常に肉体生命の強度を積極化すべく訓練的の方法を持って生活する事である。

*六日 言葉を選択しよう

人間が人生に生きる場合に使う言葉を選択しなきゃ駄目なんですよ。一言一言に注意してもいい位いくら注意しても貴方方はヒョイと気付かずに消極的なことを言ってますぜ。兎に角習いは性でありますから人と口を聞く時でも参ったへこたれた助けてくれ困っちゃった何て事は云わない事。飽く迄も自分の心と云うものを颯爽溌溂たる状態にしておく為には今言った様な消極的な否定的な言葉は断然用いない事。

*七日 天風式クンバカハ法

腹が立つ事心配な事怖ろしい事、何かにつけて感情の刺激衝動を心に感じたらすぐ肛門を締めちまう。そしてお腹に力を込めると同時に肩を落としちまうんだ。この三か所がそうした状態にされた時に初めて感情や感覚の刺激衝動が、心には感じても神経系統に影響を与えないと云う所謂影響を減ずる効果がある。

*九日 考え方が人生を分かつ

心が積極か或は消極かで人生に対する考え方が全然両極端に相違してきてしまう。心が積極的であれば人生はどんな場合も明朗颯爽溌溂、勢いの満ち満ちたものになりますけれども反対に消極的だと、人生の総てがずっと勢いを失くしてしまいます。人生を考える自分の心が消極的だと総てが哀れ惨憺光の無い惨めなものに終わりゃしませんか。人生がたった一回である以上たった今からでも出来得る限り完全な状態で生化さなければいけません。

*十二日 生命の力

人生設計に絶対的に必要とする声明の力とはどんなものかと云うと次の六つに分類する事が出来る①体力②胆力③精力④能力⑤判断力➅断行力である。此の六つの力の何れかひとつでも欠乏しまた不完全であると、人生の根本理想は根底から覆される事になるのは必至であるのを見逃すことは出来ない。

*十四日 認識力の養成と自己統御

認識力の養成と云う事と自己統御と云う事は一体どんな関係があるのだろうか。是を簡単に説明すれば認識力を適当に涵養しないと心の固有する知覚作用が正確さを失い、その当然の帰結として正しい自覚とか或は悟りとか亦は第六感と云う様な、所謂高級意識に属する精神作用が低調に成り、牽いては完全な自己統御と云う事が充分よく行えなくなると云う人生に対する重大な事実があるのである。

*十八日 清濁併せ呑む寛容さ

例え自分自身の心が積極心になり得たとしても、自己の心の状態を基準にして他人の心を推し量る事が在っては絶対にいけない。より分かり易く言うと自分に対しては常に厳しくあらねばならないが、是を他人に押し付けてはいけないのである。即ち他人に対しては清濁併せ呑むと云う寛容さを持つ事である。若しもこれを失うと他人との勝ち負けに拘る心が瞬時に顕れて来て積極心の保持を妨害するからである。

*十九日 睡眠について

睡眠を真に催した時に睡眠し然らざる時には睡眠するべく無駄な努力を為さぬのが最も聡明である。色々の方法や手段を講じて無理にも眠ろうと彼是と種々の努力をしても中々思うように眠れないものである。其れは何とか眠ろうと焦れば焦る程神経が興奮する爲で、その上に懸る無駄な努力をすると勢力の二重疲労を将来する結果に陥るのである。

*二二日 悟りについて

悟りと云うのは自分の心が真理を感じたときの状態を言うのである。従って真理を自分の努力で自分の心で感じるのも人の悟りを耳から聞いて自分の心に受け入れるのも、受け入れ方に相違があるだけである。受け取って仕舞えばその結果は同じである。真理を受け入れる時の心の状態が悟りを開く上に密接な関係であるからこそ安定打坐で心を綺麗にさせているのである。

*二四日 私心無き言行

人と人との世界に活きるお互い人間はどんな場合にもお互いの間柄を天風教義のディクラレーション(宣言)にも宣言してある通り、常に如何なる場合にも偏りのない公平な美しい愛情と真の誠実さを心として、貴い思い遣りで助け合うと云う所謂文字通り親切本意で共に生きる事が最高の理想で有らねばならない。しかも其れを真に実現化するには要するに私心の無い言行が何を於いても必要とされる。

*二七日 内省検討

日常の人生を生きる際にどんな些細な人事世事に対しても、今現在の自分の心は積極的かしらん消極的かしらんと云う事を厳格に第三者の心になって、常に検討することが必要なのであります。そして少しでも自分の心の中に消極的なものを感じたならば断然それを心の中から追い出してしまわなければいけない。己の心の中にあるものは己の心を明るく朗らかにするもの已と云う心掛けが必要なんです。

*二八日 不平不満を口にしない

どんな場合があっても不平不満を口にしない事。此の不平不満がここの中にあるとどうしてもその言葉が積極的に成りません。不平不満のある人は始終上ばかり見て舌を見ないでいる。傍は皆幸福で自分だけがこの世の中で一番不幸な人間のように考えている。この考え方から出てくる言葉は必ず未練で有愚痴でありもう価値のない世迷言だけである。

中村天風のことば

中村天風一日一話

元気と勇気が湧いてくる哲人の教え366話

2005年8月22日初版発行PHP文庫 2006年12月1日第一版第18刷発行     発行所 PHP研究所

因みに中村天風とは何者か!ご存じの方は多いと思いますがウィキペディアでは 日本の自己啓発講演家、思想家、ヨーガ行者。実業家、大日本帝国陸軍諜報員、玄洋社社員。孫文の友人であり、中華民国最高顧問の称号も持った。天風会を創始し心身統一法を広めた 。

また、学生時代に喧嘩で相手を刺殺、日清日露戦争当時は軍事探偵として活動する。戦後結核にかかり、ニューソート作家の著作に感銘を受けて渡米し、世界を遍歴。インドでのヨーガ修行を経て健康を回復し悟りを得たとされる。日本に帰国後、一時は実業界で成功を収めるも、自身の経験と悟りを伝えるために講演活動を開始。その教えを学んだ各界の著名人の中には、松下幸之助など日本を代表する実業家も含まれる。 と概略では紹介されています。

※ニューソートとは(ウィキペディアより)
19世紀後半にアメリカ合衆国で始まったキリスト教における潮流のひとつで、一種の異端的宗教・霊性運動の一つという事の様です。

短い言葉の中に人生の生き方・考え方が凝縮されている様にも感じます。全て実践できればいいですね~。

【十一月の言葉】

*二日 言葉の暗示感化力

言葉と云うものは人間の世界だけに与えられた真に何とも言えない重宝なものであるが、只上顎と下顎がぶつかり放題思うが儘にしゃべっていると時としてその言葉が、自分の生命や他人の生命までも傷つける事がある。言葉は実在意識幷潜在意識を綺麗にしたり或は汚したりする両方面の働きを持っている。詰り言葉程怖ろしい暗示感化力を持つものは無いのであります。

*三日 年齢に惑わされない

知ってるかい?自分の人生を軽く見る人に限って自分の年齢と云うものを矢鱈と重大に考える。可笑しいんだよ。命を軽く考える奴に限ってからに年齢を重く考えて俺も幾つ幾つだからと思う。その幾つ幾つなら如何なんだ、一体!何遍も云っている通りどうせ人間生れた以上は一遍は死ぬんだ。然し死んでいない以上は生きているんだ。生きている居る以上は有意義に活きなきゃ駄目だよ。幾つに成ろうとも自己を向上せしめるっていう意欲を失ってはいけませんぜ。其れには自分を見捨てない事です。

*六日 心意識の新陳代謝

消極的な暗示には感応するが積極的暗示には感応しないと云うのが普通の人である。安定打坐法を行うと積極的暗示の感受性が強くなり、消極的暗示には今迄の様に簡単には感応しなくなる。この方法は乱れた心を平静にし心を虚にする事が出来、心意識の新陳代謝を行う事が出来る。即ち心は曇りと汚れを排除すれば本来の姿を現し、本来の姿が現れれば心は極めて強いものなのである。

*九日 悩みは消極思考の産物

悩みという真理現象は決して発作的に偶発するものではなく、必ずやその心の中に何かの取り越し苦労が又消極的の思考即ち憤怒恐怖悲観憎悪嫉妬復讐憂愁煩悶苦労等々と云う様な、消極的感情情念が心頭に発生する結果現象なのである。

*十三日 取り越し苦労の害

取り越し苦労を当然だと思う人は自分の墓穴を自分で掘っている愚かな人であります。事の如何を問わず、与信ば本当に心配する事を心配した場合でも心配しなくても良い事を心配した場合でも結果は同じなんです。即ち取り越し苦労をすればする程、其の心の消極的反映が即座に運命や健康の上にまざまざと悪い結果となって表れるからであります。百害有って一利無しと云うのが取り越し苦労なんであります。

*十四日 心身一如

清明な硫黄の潜勢力と云う人生の一切を依り能く解決してくれる偉大な力の発現は、人間を人間の命の有りの儘の姿である心身一如の状態を確保する爲心身を統一して生活せしめれば、期せずして当然発現して来るのが侵すべからざる真理である。其れでは心身の統一された人生生活様式とはどんな状態かと云うと、精神を精神生命の法則に肉体を肉体生命の法則に順応して生活する事である。

*十六日 真理に目覚める法

本来人間は此の世に生れ出た時から絶えず真理に接し真理の中で生きている。真理の中にいながら此の真理を中々自覚出来ないのは心の中に雑念妄念が有る為である。本当に心が清い状態であれば真理はすぐ発見できる。安定打坐と云う特殊な方法を行うと雑念妄念が立処に消え去っていく。そうすれば大した努力や難行苦行等をしなくても自然に心が真理と取り組んでいこうとするのである。

*十八日 潜在意識の重要性

我々の意識は実在意識と潜在意識の二つに分割されている。そして我々の心理作用の90%迄はこの潜在意識の作用で行われるのである。処が多くの人は精神活動の直接の衝に当っていると云う関係から、実在意識を潜在意識よりも重視して考える傾向がある。然し乍ら実在意識の精神活動も単独に行われる場合は、潜在意識の作用から内的誘導を受けて行われているのである。

*二二日 血液の洗濯を行うには

何故多量の空気を人間は必要とするのかと云うと、自分の血液を完全に浄化させる為に必要だからである。判り易く云えば血液の洗濯を肺臓が行う時の洗剤として必要なのである。如何に肺臓が強健であっても空気が無ければ完全に血液を浄化する事は不可能である。だから空気を合理的に自分の生命に活用するには、先ず第一にチャンスがある度に清浄な空気に親しむと云う心掛けを実行する事である。

*二六日 我とは何ぞや

人々は落ち着いて我とは何ぞやと云う事を考えない。その理由は我と云うものの本質を自覚していないからである。我とは何ぞやと云う事を正しく理解していないと人生観が正当に確立されない。人生観が確立されないと自己統御が完全に出来ない。其れが正しく理解された時初めて確固不抜の人生観が確立され、其の確立された人生観が内的誘導力となって自己を完全に統御し得るに至るのである。

*二八日 想像力の応用

本能心(肉体を生存させる種の動物的な心)の整理に著効ある方法として想像力の応用と云う事を推奨する。是は創造と云う観念現象の中に本能心を整理し得る暗示力が存在しているからである。判り易く云えば平素努めて積極的の事だけを想像する習慣を作るのである。言い換えると想像を決して消極的にしない様に心掛けねばならない。この目的を現実化するのに最も効果的なのは、人間の心の中に存在する高級な欲求心と云うものを適宣に応用する事である。

*二九日 善悪の判断基準

その時代の人間草子の都合や便宜で作為した所謂第二義的倫理道徳を標準としたのでは、物事の善悪を正当に判断する事は屡正鵠を失する事が往々にある。故に物事の善悪邪正を判断する最も合理的な考え方は、その事柄が現代の人間生活上絶対に必要の事か否かと云う事を基準として考察する事である。但しこの場合決して個人の生活を本位とせず飽く迄己の生活している社会全体を標準としなければならない。

中村天風のことば

中村天風一日一話

元気と勇気が湧いてくる哲人の教え366話

2005年8月22日初版発行PHP文庫 2006年12月1日第一版第18刷発行 発行所 PHP研究所

因みに中村天風とは何者か!ご存じの方は多いと思いますがウィキペディアでは 日本の自己啓発講演家、思想家、ヨーガ行者。実業家、大日本帝国陸軍諜報員、玄洋社社員。孫文の友人であり、中華民国最高顧問の称号も持った。天風会を創始し心身統一法を広めた 。

また、学生時代に喧嘩で相手を刺殺、日清日露戦争当時は軍事探偵として活動する。戦後結核にかかり、ニューソート作家の著作に感銘を受けて渡米し、世界を遍歴。インドでのヨーガ修行を経て健康を回復し悟りを得たとされる。日本に帰国後、一時は実業界で成功を収めるも、自身の経験と悟りを伝えるために講演活動を開始。その教えを学んだ各界の著名人の中には、松下幸之助など日本を代表する実業家も含まれる。 と概略では紹介されています。

※ニューソートとは(ウィキペディアより)
19世紀後半にアメリカ合衆国で始まったキリスト教における潮流のひとつで、一種の異端的宗教・霊性運動の一つという事の様です。

短い言葉の中に人生の生き方・考え方が凝縮されている様にも感じます。すこしでも実践できればいいですね~。

【十月の言葉】

*一日 本当の幸福

本当の幸福と言うのは人生が拠り能く生きられる状態に自分でする事なんです。自分でしないで他からしてくれる事を待ってる限り来やしないよ。自分の現在の生活に自分の心が先ず満足しなきゃいけないだよ。其れが生命を高くし程度を上にした考え方なんだ。詰り自分の生甲斐を感じる状態を最気高い処に於かなきゃいけないんだよ。旨いものでも食っていい着物でも着て・・斯う思う処に本当の生甲斐は無いんだけれどもねえ。

*二日 他人の憂鬱に影響されるな

おかしな奴が世の中に居るもので中には他人が憂鬱に成ったり悲観したり心配していると、同情の垣根を飛び越しちゃって相手を余計心配させたり悲観させたりしている奴がある。そして最飛び抜けた慌て者になると、人の言葉や行動迄自分の心を影響させちまって不愉快になったり不機嫌になったりし合う人が有る。其れが人生をドンドン値打ちの無いものにしてしまう原因だと云う事に気づかない。是は実に滑稽千万だよ。

*五日 真善美

如何なる人事世事に応接する際にも先ず必ず心の積極的態度を崩してはならない事と同時に、平素心して眞我の尊厳さを乱さぬ為に自己の思考内容【得に人生に対する】を信念的に高潔に把持する事に専念せねばならない。而してその要諦は唯偏へに常に真(誠)善(愛)美(和)を本意とする思考を持って、自己の精神生命の現実の姿とする事に努める事である。

*九日 人あっての自分

若しも些かたりとも報償を本意とすると云うが如き凡俗同様の卑しむべき心持が発生したならその時は、箱根山駕籠に乗る人担ぐ人其の復草鞋を作る人と云う古諺を思い出すが良い。さすればこの世の中に活きるのは、如何に偉くなっても自分一人で生きられるべき物でなく人有っての自分自分在っての人と云う事が即座に直感され、その直感が良心に感応すれば報償を超越した責務感となり更に当然の帰結でその責務感が真心となって発露する。

*十二日 記憶力を善くする法

有意注意力が習性化されてくると自然と注意が注がれる範囲が拡大されていって、一度に多数又は多方面に自分の注意を困難なく振り分けられるようになってくる。不必要な消極的観念が心の中を占拠して、有意注意力を攪乱する事が無くなってくる。その当然の帰結として連想力が正確に成り、所謂思想の整理が自然に巧妙に為される様になると同時に記憶力が頗る良くなるんです。何故なら心の前に於かれた事物の一切をその心に深刻に印象付けて、細大漏らさず心の記憶の倉庫内に入れちまうからだ。

*十五日 只漠然と生きていないか

現代子の文化の時代に活きている人々が生命は貴重だと云う事は考えているけれども、復人生は大事だと云う事は考えているけれども只其れは考えていると云うだけで、この貴重な生命や大事な人生をどう云う風に一体全体コントロールし如何云う風に我慢する事に因ってこの目的が達せられるかと云う大事な事が考えられていない。だから漫然と唯その日その日の出来心で人生を生きている人が多いんであります。

*十六日 悪魔の悪戯

心本来の姿は八面玲瓏磨ける鏡の如き清いものだ。その清い心に色々汚いものを思わせたり考えさせるのは其れは心本来が思っているんじゃない。悪魔が心の蔭で悪戯してるんだ。其れに気付いてその思い方考え方を打ち切りさえすれば、もう悪魔は其の儘姿をひそめる訳だ。怒らず恐れず悲しまずこそ正真正銘の心の世界なんだ。静かに自分自身考えなさい。何かで怒ってやしないか何か恐れていやしないか夫れとも何事かで悲しんでいやしないか。

*十八日 人生は死ぬまで闘病

人間は生まれた時から死ぬ迄絶え間なく病と闘っている。健康とはその戦いに打ち克っているときの状態である。自分がその生命に違和異常を感じると、其れを病と云っているが其れは生命が病的刺激と闘っている事を意識しただけの事である。意識しない前に既にこの戦いは開かれている。開かれていたのである。だから積極的な抵抗力を常に要請する必要があるのである。

*二三日 周章狼狽の愚

多く云う迄もなく人間と云うものは、如何なる場合にも其の人生に活きる際慌ててはいけないのである。と言うのは人生に生じる錯誤や過失と云うものはその原因が心が慌てた時に多いからである。慌てると云うのは亦の名を周章狼狽と云うが、之は心がその刹那放心状態に陥って行動と精神とが全然一致しない状態を言うのである。心がこうした状態に陥った時と云うものは、意識は概ね不完全意識になって要るのである。

*二五日 人間は本来幸福に活きられる

人間と云うものは老若男女の差別無くその生命の中に、健康も運命も自由に獲得し復開拓し得ると云う真に感謝に値する偉大な力が与えられている。人間はそう矢鱈と病や不運に悩まされたり虐げられねばならぬものでは無く、能くその一生を通じて健康は勿論運命も亦順調で、天命を終わる迄幸福に生き得られる様に本来的には作られているものなのである。

*二八日 調和は自ら進んで作る

何事を為すにも力と勇気と信念とを欠如してはいけないが、調和と云う事を無視せぬ様に心掛けないと往々軌道を外れる。此れを無視した言動は完全な成果を具顕し能わないからである。是は不完全の中に調和が絶対に在り得ないと言う宇宙真理があるが為で、調和を度外視した言動は現実構成の軌道から脱線可き必然性を生み出すか招来する。調和は相対事物の中に求めるべきで無く自ら進んで作為するべきものである。

*三十日 真我は不滅である

真我に内在する力はどんなものであるか。其れは絶対付可犯のものである。此れに対し肉体の有する力は相対的なものであり、火や水や大気などには適する事が出来ない。然し乍ら真我は全生命の本源的中枢で形象を有しない無形の一実在である。故に火にも水にも一切の何物にも決して犯されない絶対不可犯のものである。絶対的なものには絶対的の力があるのは当然の事である。

中村天風のことば

2005年8月22日初版発行PHP文庫 2006年12月1日第一版第18刷発行 PHP研究所

因みに中村天風とは何者か!ご存じの方は多いと思いますがウィキペディアでは 日本の自己啓発講演家、思想家、ヨーガ行者。実業家、大日本帝国陸軍諜報員、玄洋社社員。孫文の友人であり、中華民国最高顧問の称号も持った。     天風会を創始し心身統一法を広めた 。

また、学生時代に喧嘩で相手を刺殺、日清日露戦争当時は軍事探偵として活動する。戦後結核にかかり、ニューソート作家の著作に感銘を受けて渡米し、世界を遍歴。インドでのヨーガ修行を経て健康を回復し悟りを得たとされる。日本に帰国後、一時は実業界で成功を収めるも、自身の経験と悟りを伝えるために講演活動を開始。その教えを学んだ各界の著名人の中には、松下幸之助など日本を代表する実業家も含まれる。 と概略では紹介されています。


※ニューソートとは(ウィキペディアより)
19世紀後半にアメリカ合衆国で始まったキリスト教における潮流のひとつで、一種の異端的宗教・霊性運動の一つという事の様です。

短い言葉の中に人生の生き方・考え方が凝縮されている様にも感じます。全て実践できればいいですね~。

九月の言葉

二日 神仏と云うもの

私は神仏と云うものの存在を第二義的に人生を考えるものには必要かもしれないが、自分自身を真理に沿って正しく生かすものに対しては何ら顧みる必要のない存在だという大きな確信の基に生きております。私も先祖は敬いますよ。けれど私は科学文化の先端に常に自分の人生に対する理解を求めている者です。従って私の眼には見えもしない抽象的な何だか訳の判らない神何てものや仏と云うものを当てに生きておりません。

*三日 不運だと思えば不運に成る

貴方方の心の中の考え方や思い方が貴方達を現在在るが如き貴方方にしているのであります。だから俺は体が弱いと思ってりゃ体が弱い。俺は長生きできないと思ったら長生き出来ない。俺は一生不運だと思えば不運だ。自分の念願や宿願優しく云えば思う事や考える事が適う叶わないと云う事は其れが外にあるんじゃないよ。貴方達の命に与えられている心の思い様考え方と云うものの中に在るんだよ。

*九日 理性の限界

現代の人々は理性に事物を判断する力があると云う点を極端に尊重し過ぎる傾きがある。然し理性と云うものは心性意識の発達に伴って発達する理智から発生するものであるから、理性其の物にも昨日と今日との間に相当な進歩をすると云う実際的変化がある。従って我々が理性を無上のものとして尊重し過ぎる事は決して賢う事ではない。況して人生の万事を理性に全部依存せ〆ると云う態度は甚だしい誤りである。

*十一日 本当の欲望は楽しい

叶わない欲望を心に描くと苦しんだ。真理の上から論断すると悩んだり苦しんだりする欲望は欲望とは言えないと思う。本当の欲望と云うのは楽しい欲望の事なんだ。欲しがりゃ欲しがる程楽しいのが本当の欲望。だから須らく楽しめる欲望を炎と燃やしなさいと云いたいんであります。そうするとその欲望を燃やしゃ燃やす程何とも言えない人生が豊かなものに為るんだよ。此れが天風哲学の主張する燃やしなさい燃やしなさいと云う欲望なんだ。

*十三日 笑いは養生である

人間は神経の集積であるので神経系統を濫りに消極的に興奮させる事が、直接間接に生命に危険を与える事となるのは当然である。人間の個体の生命擁護の為に全神経系統の興奮を鎮める一手段として笑いを生体に仕組んである。事ある時も事なき時も終始笑顔で応接しよう。否事ある時一層笑顔を崩さぬ様に練習すべきである。特に体の弱い人は一入笑いに努力する事を養生の第一とする可である。

*十四日 他人の批判より自己省察

諺に人の振り見て我が振り直せと云うのが有るが、他人の言葉や行為を矢鱈批判する人と云う者は、人の振りに我が振りを正しく照合して是正仕様とは仕無いので、只悪し様に其れを批判するだけなのであるから、従ってその批判から少しの価値あるものも我心に感得しない。妄りに他人を批判する事を本位として些かも自己省察を施さないが爲、人生に何よりも大切な自己自身の統御と云う事に少し進歩も向上も顕現しないのである。

*十八日 我慢して食べる事は無い 

病弱者は出来得る限り嫌いなものは食せず、嗜好するものを食す様にするのが好いのである。是は一寸考えると頗る我儘な様であるが、多く云うまでも無く食物と云うものは肉体を修補形成する要素である。然るに唯滋養と言う名目に已捉われて無茶苦茶に嫌いなものでも我慢して食すと云う事は、何の事は無い身体自然の要求に無謀な圧迫と活力の減損だけを招致する事となり、それが些かも血となり肉とならない。

*二二日 囚われない心

神経系統の生活機能は心が積極的でないと完全には働かないんだよ。詰り心の態度が積極的ならば神経系統も積極的に成るが、心の態度が消極的ならば神経系統の生活機能も消極的に成っちゃう。非常に心が落ち着いて何の捉われも無い時には可成難しい事でも平気で遣っていけますよ。処が心に落ち着きがないと易しい事でも難しくなっちまうんだ。

*二三日 生命力の使用量

人々がその人生に活きる為に使っている力は実際の生命力の全体から言うと何%下に過ぎない。大抵の人は自分の生命の力の全部を使って活きているかの様に思っている。そして自分は是だけ努力しているのにも拘らず一向に好い運命も来ず健康も完全に成らない。健康や運命は人間の力では如何する事も出来ないものだと決めてしまい、人間の力を低く弱く評価することに為るのである。

*二九日 不要残留心

喩伽(ヨーガ)哲学の教義の中にも斯う云うのがある。人の心の中には檻の中に入れられた猛獣がいる。そしてその檻の手入れを怠ると屡その猛獣が檻を抜け出して来て心の花園を荒らし回ると。この言葉は要するに本能心意の中に人間を苦しめる様な然も断然人生に活きるのに必要としない心意が存在しているから、その真意の妄りさに発動せぬ様常に注意深くそれを自分から監督せざるべからずと云う事を戒めたものと云える。

*三十日 人生の根本理想の四条件

人生の根本理想は是を帰納的に言えば長さと強さと広さと深さ等四つの条件が現実に充たされている姿である。万一この四つの条件が一つでも欠けていたならば人生は凡そ無意義なものとなり追われる。

中村天風の言葉

2005年8月22日初版発行PHP文庫 2006年12月1日第一版第18刷発行 PHP研究所

因みに中村天風とは何者か!ご存じの方は多いと思いますがウィキペディアでは 日本の自己啓発講演家、思想家、ヨーガ行者。実業家、大日本帝国陸軍諜報員、玄洋社社員。孫文の友人であり、中華民国最高顧問の称号も持った。     天風会を創始し心身統一法を広めた 。

また、学生時代に喧嘩で相手を刺殺、日清日露戦争当時は軍事探偵として活動する。戦後結核にかかり、ニューソート作家の著作に感銘を受けて渡米し、世界を遍歴。インドでのヨーガ修行を経て健康を回復し悟りを得たとされる。日本に帰国後、一時は実業界で成功を収めるも、自身の経験と悟りを伝えるために講演活動を開始。その教えを学んだ各界の著名人の中には、松下幸之助など日本を代表する実業家も含まれる。 と概略では紹介されています。

※ニューソートとは(ウィキペディアより)
19世紀後半にアメリカ合衆国で始まったキリスト教における潮流のひとつで、一種の異端的宗教・霊性運動の一つという事の様です。

短い言葉の中に人生の生き方・考え方が凝縮されている様にも感じます。全て実践できればいいですね~。

七月の言葉

*三日 人生の不幸の原因

人生の不幸と云う様なものは他から降って湧いて来る様に自分の人生に飛び込んでくるもんじゃないんだ。何時もよく吟味してみると人生の不幸と云うものは、自分が知る知らざるを問わず自分自身が原因となっていると云う内的事情が発見されます。この内的事情を発見しないとその原因は他に在りと考えてしまい、その不幸に処する場合に自己の責任観念が無いから如何しても自分と云うものをその不幸の淵から救い上げる事が出来ないと云う酷い結果が来てしまう。

*五日 絶対的積極

心が其の対象也相手と云うモノに決して捉われない状態、此れが絶対的な気持ちと云うんだよ。何物にも捉われない心に雑念とか妄想とか或は感情的な色々の怖れとかそう言ったものが一切ない状態。決して張り合おうとか対抗しようとか打ち負かそうとか負けまいと云った様な、そういう気持ちでないもう一段高い処に在る気持ち境地此れが絶対的な積極何ですぜ。

*七日 意志力が弱る三つの原因

意志の力が弱まるには三つの大きな原因がある。第一に潜在意識の中に非常に消極的な観念要素が知らない間にうんと溜まっちゃう事。第二には平素の人生を生きる場合の精神生活態度が、是も気付かないとは言い乍ら何時も臆病で引っ込み思案的なものである事。第三番目は人間が生きていく刹那刹那に避けられない感情や感覚のショックや衝動が、神経系統の生活機能に手酷く悪い影響を与えていると云う事。

*八日 病は忘れる事で治る

肉体は活きる為の道具と考えてごらん。頭が痛かろうがケツが痛かろうが脈が速かろうが、其れは自分がそうなっているんじゃないと。自分の命を入れる入れ物に故障が出来ただけで、その故障は有難い哉自然に心が其れから離れさえすれば治る様に出来ているんだって事を有難く感謝しなきゃ駄目だぜ。消極的観念が無くなると肉体の持っている自然作用がその場所を基の健全な状態にする為に働く出す様に出来ているんだよ。病は忘れる事に拠って治る。

*十二日 真心の尊さ

ちょっと一杯の茶を出すのでも敗と返事をするような些細な行為でも、その時何の報償をも念頭に置かず即ちその人に気に入られ様とか或は好感を持たせ様とか云う様な気持ちでなく、其処に一点何の求むるもの無き純一無雑な心で其れが行われる時、その行為から形容できない温かいものを感じる。それは即ち真心と云うものの持つ尊さの感応である。

*十五日 因縁

この沢山の数多い人の中から知り合いになったと云う事は、到底人智では究明する事が出来ない因縁と云う不可思議な幽玄微妙な作用の致す処である。然るにこの因縁と云う不可思議な作用に因って結ばれて知り合う中となったものを、己の気に喰わぬとか或は心に合致しないとか彼には斯う云う欠点があるとか、又は組みし難き習癖があるとか等々の理由をつけて、批判排斥して折角結ばれた因縁を無にすると云うのは、天意を冒涜するものと云うべきである。

*十八日 悪習を断ち切る

凡そ不平不満を口にする程恥ずかしい事は無い。其れは自分の心を統御出来て居ない事を宣伝して要る様なものである。その実不平不満を口にするからこそ進歩向上があるのだと誤解している人がいるがこの様な人は人生の荒波に翻弄されている憐れな漂流者である。だから価値ある人生を送りたいと願うのなら、この悪い習慣を直様断ち切って荒波を乗り切る爲の積極心を作る努力を日々怠らない事である。

*二二日 不運はカルマの所為ならず

人間が時々病になったり不運命になるのを当然の事と思ったり、又は避ける事の出来ない止むを得ぬ業≪カルマ≫の様に考える考え方は断然訂正すべきである。特に健康難の如きは人間の寿命の絶える時以外は、そう滅多矢鱈と病に侵される筈がないのが絶対の真理である。

*二七日 心はパイプと同じだ

どんな事が在っても忘れてならないのは、心と云うものは万物を生み出す宇宙根元の有する無限の力を自分の中へ受け入れるパイプと同様であると云う事である。パイプに穴が開いていたら漏れてしまうだろ。だからソッポを向いていたら何にもならないよ。パイプで判らない人は光を通す窓だと思いなさい。或は電流を通ずるワイヤーだと思えばよい。

*三一日 宗教と天風哲学

多く云う迄も無く人生は何処まで行っても現実の世界なんだから其れを忘れちゃいけないんだよ。死んでから後が人生じゃないんだから。死んでから後の事迄考え様とするのは宗教なんだ。天風哲学は死んだ後の事なんか考えやしないもん。死んだ後と云うものは明日以後の事なんだもんね。現在只今生きているこの人生と云うもの考えていくと云う事が、私の主義であり主張で或るんだから。

中村天風の言葉

2005年8月22日初版発行PHP文庫 2006年12月1日第一版第18刷発行 PHP研究所

今回から、 中村天風(1876年7月30日 – 1968年12月1日)の著「一日一話」 から毎月その月の言葉を幾つか選びご紹介いたします。

因みに中村天風とは何者か!ご存じの方は多いと思いますがウィキペディアでは 日本の自己啓発講演家、思想家、ヨーガ行者。実業家、大日本帝国陸軍諜報員、玄洋社社員。孫文の友人であり、中華民国最高顧問の称号も持った。     天風会を創始し心身統一法を広めた 。

また、学生時代に喧嘩で相手を刺殺、日清日露戦争当時は軍事探偵として活動する。戦後結核にかかり、ニューソート作家の著作に感銘を受けて渡米し、世界を遍歴。インドでのヨーガ修行を経て健康を回復し悟りを得たとされる。日本に帰国後、一時は実業界で成功を収めるも、自身の経験と悟りを伝えるために講演活動を開始。その教えを学んだ各界の著名人の中には、松下幸之助など日本を代表する実業家も含まれる。 と概略では紹介されています。

※ニューソートとは(ウィキペディアより)
19世紀後半にアメリカ合衆国で始まったキリスト教における潮流のひとつで、一種の異端的宗教・霊性運動の一つという事の様です。

短い言葉の中に人生の生き方・考え方が凝縮されている様にも感じます。全て実践できればいいですね~。

六月の言葉

*一日 自運勢を難しく考えない

人生を余り難しく考えない方が良い。難しく考えると分からなくなる。真理は足元にある。高遠な學理の中に在るのではない。基より軽率な考え方ではいけないが、なまじ学問をした人は真理は遠く大海の底、深山幽谷の奥山に在るような思い違いをすることが多い。人間それ自体の生命存在を思案の中心に於いて考えれば大きな的外れをしないで済む筈である。人間の心の在り方が結局人生を支配する法則の根本である。

*六日 心大らかに

「人各各運命に活きる人世なれば心大らかに過ごさんものを」          之を自分で歌に作っているだけに自分で是を実行している。是は本の瞬間の自分の心の持ち方だ。瞬間消極的な事は心の中に入れないことだ。然し入れない様に頑張ると心の中で戦争しなきゃならないからふっといなしてしまえばいいんだよ。

*八日 不運から心を離す

病也運命から心が離れた時は病が在っても其の人は病人じゃない。運命が悪くても其の人は運命の悪い人じゃない。ようく寝ている人間は何も知らない。何も知らない人間に病があるか。目が覚めて嗚呼病があると思うんじゃないか。運命が良くってもいいか運命が悪い時の事を考えてりゃその人は運命が悪いのと同じだ。その位の事あ羅貯めて私から聞かなくたってもう判ってる筈だ。

*十五日 原因結果の法則

凡そ人生には人生を厳格に支配している一つの法則がある。其れは原因結果の法則である。そして人生と云うものは其の人が自覚するしかないかを問わず、この法則を応用する度合いに比例する。即ち蒔いた種の通り花が咲くと云う法則である。俗に言う善因善果悪因悪果の法則である。人間の運命の中に地獄を作り又極楽を創るのもこの法則があるからである。

*十八日 不幸は幸福を招く原動力

不幸に直面したら先ずその不幸に際しても尚且つ生命を失わずに現実に活きていられる事を感謝する事に心を振り向けるべきである。するとそうした心掛け其れ自体が幸福を招いてくる原動力となるのである。

*二二日 心身統一の効果

あらゆる力と云うものは気と云うモノから生まれる。人間が人間の生命の有りの儘の姿である心身一女如を現実にする爲、心身を統一した活き方を行えば当然生命存在の根源を為す処の気と云うモノの収受量が増大する。そして命の力の内容量も亦当然豊富となりそれが精神方面に表現すれば心の力となり、肉体方面に表現すれば体の力となる。人生建設の根源要素となる体力胆力判断力断行力精力能力の六つの力も之に応じて優秀化してくるのである。

二四日 先ず気分から若返る

年寄染みた物の言い様や動作を出来るだけしないように注意する事である。ものを言う時も溌溂とした気分で丹田の力で出来るだけ勢いのある音声を発する様にし、立ち居振舞いも活発にする事である。所謂若返り法や健康法の効果を挙げる事の根本には此れが必要である。要するに第一に必要な事は先ず気分から若返る事である。即ち精神を青年にする事である。此れが命の源泉である。

*二七日 見えなくてもある

科学的教育を受けた者は、感じないもの見えないものは無いものだと思っている。直に証拠はと聞きます。第一我々の生きている現在の大気の中には、酸素窒素その他の我々の生命性活動を力づけるに必要な要素が存在している、と云う事は誰にも見えやしない。其れでも見えなくたって在ると信じますよ。証拠はとは云いませんよ。人間の住む地球上には電波が縦横無尽に交錯していると云う事は形が見えなくても疑わないでしょう。

*三十日 人間の能力

人間の本来の面目は創造的なものである。それ故に人間が万物の霊長として一切の生物を遼河して優秀なる能力を生れ乍らに賦与されているのは是が在る爲である。しかも特に疎かに出来ない事は、其の賦与量は些かも差別の無い公平なものである。この一言を考慮されても自己の現在使用している能力に対する反省が厳格に行われて、その是正が確実に施されるなら一切の総ては悉く可能に転換され収握される事も亦必然自明の事と感得される。

一日一話 松下幸之助

四月の言葉

高砂の尾上の桜咲きにけり
外山のかすみ立たずもあらなむ         権中納言匡房

二日 人間はダイヤモンドの原石

私はお互い人間はダイヤモンドの原石の如きものだと考えている。ダイヤモンドの原石は磨くことに拠って光を放つ。しかも其れは磨き方如何カットの仕方如何で、様々に異なる燦然とした輝きを放つのである。同様に人間は誰もが夫々に光る様々な素晴らしい素質を持っている。だか       ら人を育て活かすに中っても先ずそういう人間の本質と云うものを能く認識し其々の人が持っている優れた素質が活きる様な配慮をしていく。それが矢張り基本ではないか。もしそういう認   識が無ければ幾ら良き人材があってもその人を活かすことは難しいと思う。

  • 今日は週刊誌の日
  • memo-素質の発見

*八日 魂を入れた教育(事業は人なりと云われるように人材の育成という事は非常に大切だと思います。最近ではどこの会社でも商店でも従業員教育の制度や組織を設けたりして教育に力を入れているようですが、やはり何よりも大切なのはその教育に云わば魂を入れることだと思うのです。つまり経営者也店主の人格の反映と云うものが其処になくてはならないと云うことです其れは言い換えれば経営者なり店主が働きに於いて模範的であること熱心であるという事です。経営者店主にそうしたものがあれば自然に従業員にも反映して、従業員の模範的な働きが生まれ人が育ってくると思うのです。

  • 今日は花祭りの日(釈迦誕生)
  •  Memo-模範・率先垂範の心

*九日 国民の良識を高める

民主主義の国家として一番大事なものは矢張りその民主主義を支えてゆくに相応しい良識が国民に養われているという事でしょう。さもなければその社会は所謂勝手主義に陥って収拾のつかない混乱も起こりかねないと思います。ですから国民お互いが夫々に社会の在り方人間の在り方について高度な良識を養っていかなければなりません。国民の良識の高まりと云う裏付けがあって初めて民主主義は花を咲かせるのです。民主主義の国にもし良識と云う水をやらなかったならば立派な花は咲かず却って変な花醜い姿のものになってしまうでしょう。

  • 今日は大仏の日 
  • Memoー政治家の責任

*十四日 知識は道具知恵は人

知識と知恵如何にも同じもののように考えられる可もしれない。けれどもよく考えてみるとこの二つは別物ではないかと云う気がする。つまり知識というのはある物事について知っているという事であるが、知恵と云うのは何が正しいかを知ると云うか所謂是非を判断するものではないかと思う。言い換えれば仮に知識を道具に譬えるならば知恵は其れを使う人そのものだと云えよう。お互い知識を高めると同時に其れを活用する知恵をより一層磨き高めてゆきたい。そうして始めて真に快適な共同生活を営む道も開けてくるのではないかと思うのである。

  • 1912年タイタニック事故(14日氷山激突・15日沈没) 
  • 2016年(H28)熊本大地震
  • 今日はオレンジデー
  • Memo―般若波羅蜜多

*十七日 人を惹きつける魅力を持つ

指導者にとって極めて望ましい事は人を惹きつける魅力を持つという事だと思う。指導者にこの人の爲なら・・と感じさせるような魅力があれば期せずして人が集まりまたその下で懸命に働くという事にもなろう。もっともそうは云ってもそうした魅力的な人柄と云うものはある程度先天的な面もあって、誰もが身につける事は難しいかも知れない。併し人情の機微に通じるとか人を大事にするとか云ったことも努力次第で一つの魅力ともなろう。何れにしても指導者は惹きつける魅力の大切さを知りそう云うものを養い高めていくことが望ましいと思う。

  • 2016年(H28)熊本地震発生M7.3被害甚大
  • 今日は恐竜の日
  • Memo-人情に通じる

*二十日 信頼すれば・・・

人を使うコツは色々あるだろうが先ず大事な事は人を信頼し思い切って仕事を任せる事である。信頼され任されればん瓶嚴は嬉しいしそれだけ責任も感じる。だから自分なりに色々工夫もし努力もしてその責任を全うしていこうとする。言ってみれば信頼されることによってその人の力がフルに発揮されてくる譯である。実際には100%人を信頼してする事は難しいもので其処に任せて果たして大丈夫かと云う不安も起こってこよう。併し例えその信頼を裏切られても本望だと云うぐらいの気持ちがあれば案外に人は信頼に背かないものである。

  • 2017年(H29)福岡駅前白昼強盗3億8千万強奪事件  
  • 今日は郵政記念日
  • memo-信頼力

*二一日 しつける

日本人は頭もよく素質も決して劣っていない。だから何がいいか悪いかぐらいは百も承知して要る筈であるが、さてそれが行動になって表れたりすると忽ち電車に乗るのに列を乱したり公園や名所旧跡を汚したりしてしまう。やはりこれはお互いに躾が足りないからではないかと思う。幾ら頭で知っていてもそれが子供の時から躾られていないと何時まで経っても人間らしい振舞が自然に出てこない。つまり折角の知識も躾に拠って身に着いていないとその人の身だしなみも好くならず結局社会人として共に暮らす事が出来なくなってくるのである。

  • 1975年(S50)大分地震M6.4
  • 今日は民放の日 
  • Memo-徳育の重要性を認識する

*二三日 目標を与える

指導者にとって必要なことは目標を与える事である。指導者自身は特別な知識とか技能は持っていなくてもよい。其れは専門家を使えばいいのである。併し目標を与えるのは指導者の仕事である。其れは他の誰がやってくれるものでもない。勿論その目標自体適切なものでなければならないのは当然である。だからその爲には指導者はそう言う目標を生むような哲学見識と云うものを日頃から養わなくてはならない。自分の哲学なり体験に基づいてその時々に応じた適切な目標を次々と与える。指導者はそのことを的確にやれば後は寝ていてもいい程である。

  • 今日は著作権デー
  • Memo-2010年3/12NHKラジオ監督の仕事➡
  • (日本女子バレーチーム)目標設定・キャスティング・リズム・タイミング

*二六日 知識を活用する訓練

松下政経塾には優秀な先生方の講師として来て貰う訳ですが普通の学校の様な授業はやらない。先ず学生が質問をして其れを先生に答えて貰う形式をとる。質問するものがなかったなら先生は何も言ってくれないと云うようにしたいんです。質問をする為には疑問を持たなければならない。疑問を持つに至る迄の勉強は自分で遣らなければ為らないと云う訳です。つまり知識を与えるのではなく持っている知識を活用する能力を育てていく訓練を重ねて自分の考えを堂々と主張できるような人間になってもらいたいという願いを持っているのです。

  • 1896年(S61)ロシアチェルノブイリ原発事故
  • 今日は世界知的所有権の日
  • memo―質問力=理解力

*二七日 賢人ばかりでは

世の中は賢人が揃っておれば万事上手くいくと云うものでは決してありません。賢人は一人いればそれで十分なんです。更に準賢人が三人準準賢人が四人くらい。そんな具合に人が集まれば上々でしょう。賢人ばかりですと議論倒れで一向に仕事が捗らないと云ったようなことに為りがちです。一つの実例を挙げればある会社で三人の立派な人物がお互いに協力し合って居た筈なのにどうも上手くいかない。そこで一人を抜いてみた。すると残る二人の仲がピタッとあって非常に上手く行きぬかれた人物も他の分野で成功した。そこなことがよくあるものなのです。

  • 今日は哲学の日
  • 2010年(H22)凶悪犯罪の時効撤廃

*三一日 道は無限にある

お互い人間と云うものは常に自ら新しいものを呼び起こしつつ為すべきことを成していくと云う態度を忘れてはならないと思います。

お互いが日々の生活、仕事の上に於いてそういう心構えを持ち続ける限り、一年前と今日の姿には自ずと其処に変化が生まれてくるでしょうし、又一年先五年先には更に新たな姿、仕事の進め方が生まれ個人にしろ事業にしろ其処に大きな進歩向上が見られるでしょう。大切なことはそう言うことを強く感じて熱意を持って事に当ると云う姿勢だと思います。そうすれば当に道は無限にあると云う感じがします。

  • 今日はオーケストラの日
  • Memo‐姿勢の在り方 融通無碍

*三十日 困難から力が生まれる

人間と云うものは恵まれた順境が続けばどうしても知らず識らずの裡に其れに馴れて安易に成り易い。昔から治にいて乱を忘れずという事が言われ其れを究めて大切な心構えであるけれどもそういう事が本当に100%出来る人は恐らくいない。やはりどんな立派なな人でも無事泰平な状態が続けば遂安易になる。安心感が生じ進歩が止まってしまう。それが困難に出会い逆境に陥ると其処で目覚める。気持ちを引き締めて事に当たる。其処から順調な時に出なかった様な知恵が湧き考えつかなかった事を考え着く。画期的な進歩革新も初めて生まれてくる。

  • 今日は図書館記念日 
  • 2019年(H31)平成天皇退位
  • 百朝集39真の幸不幸➡逆境の捉え方

今月で丁度、[一日一話」は丸一年を経過致しました。引き続き松下幸之助翁のことばを、著書の中から選んでアップしてい行く予定にしています。

一日一話 松下幸之助

二月の言葉

石走る垂水の上の早蕨の 
萌え出づる春になりにけるかも  志貴皇子


*一日 天は一物を与える(イ)

この世に百パーセントの不幸と云うものはない。五十パーセントの不幸はあるけれども半面其処に五十パーセントの幸せがある訳だ。人間は其れに気付かなければいけない。兎角人間の感情というものは上手くいけば有頂天になるが、悪くなったら悲観する。是は人間の一つの弱い面だが其れをなるべく少なくして、いつの場合でも淡々とやる。信念を持っていつも希望を失わないでやることだ。天は二物を与えずと云うが、逆になるほど天は二物は与えないがしかし一物は与えてくれるということが言えると思う。其の与えられた一つのものを大事にして育て上げることである。

  • 1268年(文永5-旧1/17)モンゴル帝国の使者来朝元寇のきっかけ
  • 1954年(S29)マリリンモンロー来日
  • 2003(H15)米スペースシャトルコロンビア号テキサス上空で空中分解 今日はTV放送記念日 Memo参-百朝集(安岡正篤著)六然

*六日 正しい国家意識(ラ)

昨今の国際情勢は一方で世界は一つと云いつつも、その一方で各国が過度の国家意識に立ち自国の利害を優先して仕舞う為、対立や紛争が一向に絶えない。それでは日本はどうかと云うと、反対に国家意識が極めて薄い為却って問題が起こっている様である。個人でも正しい自己認識、人生観を生み出し自主性を持って生きていってこそそこに初めて他の人々に対しても奢らず、諂わず仲良く付き合っていける譯である。国でも同じことである。国民が正しい国家意識を持ち、他の国々と交流していくことが大切であろう。過ぎたるもいけないが及ばざるもいけない。

  • 今日は海苔の日
  • 関連項目1/11・2/11memo‐正しい自己認識

*九日 一歩一歩の尊さ(タ)

仕事はいくらでもある。あれも作りたい是も拵えたい、こんなものがあれば便利だ、あんなものも出来るだろうと次から次へと考える。その爲には人が欲しい資金が欲しいと願うことには際限がないが、一歩一歩進むより他に到達する道があろうか。それは絶対にない。やはり一歩一歩の繋がり以外に道はない。坦々たる大道を一歩一歩歩んでゆけばそれでよい。策略も政略もいらない。一を二とし、二を三として一歩一歩進んでゆけば遂には彼岸に達するだろう。欲しいと願う人も一人増えまた一人増えて遂には万と数えられよう。一歩一歩の尊さをしみじみと味わわねばならぬ。

  • 今日は河豚(フク)の日
  • memo-大道を行く亀の如
  • 2009/2/9 MLMのFLJ経済相より行政処分(19日)

*十一日 国を愛する(ナ)

我が国は戦後相当立派な成長を遂げてきましたが、不思議に愛国心と云う言葉がお互いの口から出ません。時たま出てもあまり歓迎されない状態です。愛国心と云うものは国を愛する餘に他の国と戦いをすることに為ると云う人もあります。併し決してそうではないと思います。国を愛すれば愛する程、隣人と仲良くしていこう友好を結んでゆこうという事になるだろうと思うのです。お互いが自分を愛するように国を愛し、隣人を愛す。そうする事によって其処に自分の幸せも築かれていくと思うのです。疎の様な姿をお互いに盛り上げていくことが国民としての大きな使命ではないでしょうか。

  • 2020年(R2)野球人野村克也逝84歳
  • 今日は建国記念日 
  • Memo―愛国心 使命感

*十三日 一人の力が伸びずして(ヌ)

自分は一年にどれだけ伸びているか、技術の上に或は社会に対する物の考え方の上に、どれだけの成長があったか、その成長の度合いを測る機械があれば是は簡単に判ります。併し一人一人の活動能力と云うか知恵才覚と云うか、そういう総合の力が伸びているかどうかを図る機械はありません。けれども私は5%なり10%或は15%伸びたと自分で云えるようでないといけないと思います。やはり一人一人が自分の力でどれだけの事をしているかという事を反省してみることが大切です。一人一人の力が伸びずに社会全体の力が伸びると云う事はないと思うのです。

  • 1219年(健保7旧1/27)源実朝公暁に斬殺さる 
  • 2017年(H29)マレーシアクアラルンプール空港にて北朝鮮の第2代最高指導者金正日の長男金正男が、顔面に神経剤VX」を塗られ毒殺
  • 今日は銀行強盗の日
  • Memoー向上心➡個人の能力アップ

*十八日 日本式民主主義を(ラ)

民主主義の基本理念というものは真に好ましいものであり、これを取り入れ国家国民の調和ある発展繁栄を計っていくことは極めて重要なことだと云えます。けれどもそれは日本の伝統国民性と云うものに立って行わなくてはなりません。基本の理念は同じでも具体的な形態は其々の国民性に従って様々でなくてはなら・ない。謂わばアメリカにはアメリカ式民主主義フランスにはフランス式民主主義、日本には日本式民主主義がなくてはならないと思うのです。それを日本自らの伝統を忘れて、アメリカやフランスのようにやろうとしても、根無し草の民主主義に終わってしまうでしょう。

  • 今日は嫌煙運動の日
  • 基本・特異性・国民性➡パーソナリティ

  • *十八日 日本式民主主義を

民主主義の基本理念というものは真に好ましいものであり、これを取り入れ国家国民の調和ある発展繁栄を計っていくことは極めて重要なことだと云えます。けれどもそれは日本の伝統国民性と云うものに立って行わなくてはなりません。基本の理念は同じでも具体的な形態は其々の国民性に従って様々でなくてはなら・ない。謂わばアメリカにはアメリカ式民主主義フランスにはフランス式民主主義、日本には日本式民主主義がなくてはならないと思うのです。それを日本自らの伝統を忘れて、アメリカやフランスのようにやろうとしても、根無し草の民主主義に終わってしまうでしょう。

  • 今日は嫌煙運動の日
  • 基本・特異性・国民性➡パーソナリティ

*二三日 道徳は水と同じ

戦後の我が国では道徳教育というと何か偏った風に思われることが多いが、私は道徳教育はいわば水と同じではないかと思う。人間は活きる為にどうしても水が必要である。処がこの水に何か不純物が混じっていてそれを飲んだ人が病気になった。だからと云って水を飲むことを一切否定してしまったらどうなるか。大切なことは水そのものの価値効用を否定してしまうことではない。水の中の不純物を取り除くことである。嘗て道徳教育の中に誤った処があったからといって道徳教育そのものを否定してしまう事は其れこそ真実を知らぬことではないか。

  • 1960年(S35)近上天皇(令和)誕生日
  • 今日は五大力尊仁王会(醍醐寺)
  • 富士山の日

*二八日 感謝の心は幸福の安全弁

感謝の念という事は是は人間にとって非常に大切なものです。見方によれば総ての人間の幸福なり喜びの根源とも云えるでしょう。従って感謝の心の無い処からは決して幸福は生まれてこないだろうし、結局は人間不幸になると思います。感謝の心が高まれば高まる程それに正比例して幸福感が高まっていく。つまり幸福の安全弁とも言えるものが感謝の心とも言える訳です。疎の安全弁を失ってしまったら幸福の姿は瞬時のうちに壊れ去ってしまうと云ってもいいほど人間にとって歡ッ社の心は大切なものだと思うのです。

  • 今日はエッセイの日
  • Memo‐幸福の根源は感謝の心➡本質

*二九日 健康管理も仕事の内

会社生活をしていく上で何といっても大切なのは健康それも心身共の健康です。いかに優れた才能が有っても健康を損ねてしまっては充分な仕事も出来ず、その才能も生かされないまま終わってしまいます。出羽建工の為に必要なことは何かと云うと栄養であるとか、休養とか色々あるでしょう。しかし特に大切なのは心の持ち方です。命を懸けると云う程の熱意を以て仕事に打ち込んでいる人は少々忙しくてもそう疲れもせず病気もしない、ものです。お互い自分の健康管理も仕事の内という事を考え人夫々のやり方で心身ともの健康を大切にしたいものです。

  • 2012年(H24)東京スカイツリー完成
  • 今日はニンニクの日
  • Memo‐心の在り方・懸命ということ

感謝の心と素直な心は人間が幸福に生きていくうえで一番忘れてはならないことようですね                                     「幸せだから笑うのではない笑うから幸せなのだ Alain」

一日一話 松下幸之助

十二月の言葉

山里は冬ぞ寂しさまさりける                        人目も草もかれぬと思へば    源宗宇朝臣

二日 忍ぶべきを忍ぶ

誠心誠意良いものを進めたけれども用いてくれないと云うので憤慨し、是は相手が暗愚だから仕様が無いと自棄になって結局打ち壊しになってしまうと云う事が儘有る様です。併しそう云う事では私は大した事は出来ないだろうと思います。用いてくれなければ時を待とう。是だけ説明して駄目だと云うのは是は時節が来ていないのだ―そう考えてじっと忍耐していく処から無言の裡に知らしめると云う様な強い大きな誠意が生まれてきます。そして其の内に相手が自ら悟る事にもなって其れが非常な成功に結び付く事にも成りましょう。

  • 今日は原子炉の日 
  • Memo-終戦詔書➡義を貫く至誠・安岡正篤

五日 恩を知る

恩を知ると云う事は人の心を豊かにする無形の富だと思います。猫に小判と云う事が有りますが折角の小判も猫にとっては全く価値の無いものに過ぎません。恩を知る事は謂わばその逆で鉄を貰って其れを金程に感じる。詰り鉄を金に換える程のものだと思うのです。ですから今度は金に相応しいものを返そうと考える。皆がそう考えれば世の中は物心共に非常に豊かなものに成っていくでしょう。最もこの恩とか恩返しと云う事は決して要求されたり強制されるものでなく、自由な姿でお互いの間に理解され浸透する事が望ましいと思います。

  • 今日はバーミューダートライアングルの日 

九日 世界に誇れる国民性

同じ日本人でも細かく見れば考え方や性格など実に色々な人がいる訳ですが、然し復一面には日本人には日本人としての共通の特性と云うか日本人の民族性国民性と云うものが矢張り有る様に思います。日本独特の気候や風土の中で長い間過ごしている内に、例えば日本人特有の繊細な情感と云うものが次第に養われてきたと云えるでしょう。日本人の国民性の中にも反省すべき点は少なくありませんが、特に勤勉さとか器用さとか恵まれた気候風土と長い歴史伝統によって養われてきた斯う云う特性には、世界にも大いに誇り得るものが有る様に思うのです。

  • 今日は障碍者の日
  • Memo―折角の日本人の特性も近年気候風土の変化と相俟って悪い方向へ流れている様➡トインビー歴史の研究「三代で感性は変化する」

十三日 命を懸ける

人多くして人無しと云う言葉を昔ある先輩から聞いたことがある。考えてみると会社経営に於いても普通の状態では間に合う人は大勢いる。処がさて大事に臨んで間に合う人はと云うと極めて少ないものである。では如何云う人が大事の時に役に立つのか。その道の知識とか経験が大きな比重を持つ事は当然だが只其れだけでは駄目の様に思う。その上に何が必要かと云うと生命を賭す気構えである。と云っても今日では本当に命を捨てると云う事は極めて少ないが、いざと云う時には命を懸けてという気構えを何時の場合でも持っている人が本当に大事に役立つ人だと思うのである。

  • 今日は双子の日 
  • Memo-安岡正篤「百朝集」➡六然の教え

十七日 昭和維新の志士として

今から百年程前に明治維新と云うものが在りそしてその後日本の姿が世界各国から認識され評価される様に迄なりました。然し今日に至って日本は復大きな転換期を迎えていると思います。亦日本ばかりでなく目を転じて世界を見てみると世界の情勢も必ずしも安定しているとは言えません。そう云う情勢を考える時、私は今は昭和維新の時であると考えねばならないのではないかと思います。明治維新は日本の開化であった昭和維新は世界の開化に努力する時期であると思うのです。そして我々日本人が昭和維新の志士を買って出なくてはならないのではないかと思うのです。

  • 今日は飛行機の日
  • Memo-平成維新の志士は如何に?

二一日 信用は得難く失い易い

我々が何か事を成してい場合信用と云うものは極めて大事である。謂わば無形の力無形の富と云う事が出来よう。けれども其れは一朝一夕で得られるものでは無い。長年に渡る誤りのない誠実な行いの積み重ねがあって初めて次第次第に養われていくものであろう。併しそうして得られた信用も失う時は早いものである。昔であれば少々の過ちが在っても過去に培われた信用に拠って直ちに信用の失墜とはならなかったかも知れない。然し一寸した失敗でも致命的に成りかねないのが、情報が一瞬にして世界の隅々まで届く今日と云う時代であ1/30る。

・ Memo―積善陰徳・過剰反応

*二二日 小事を大切に

普通大きな失敗は厳しく𠮟り小さな失敗は軽く注意する。併し考えてみると大きな失敗と云うものは対外本人も十分考え一生懸命やった上でするものである。だからそう言う場合には寧ろ君そんな事で心配したらあかんと一面励ましつつ、失敗の原因を共々研究し今後に活かして行く事が大事ではないかと思う。一方小さな失敗や過ちは概ね本人の不注意や気の緩みから起こり、本人も其れに気が付かない場合が多い。小事に捉われる餘大二を忘れてはならないが小事を大切にし小さな失敗に対して厳しく𠮟ると云う事も一面必要ではないか。

  • 今日は労働組合法制定記念日
  • Memo-𠮟り方のポイント

二六日 旨くて早くて親切

私が丁稚奉公をしていた頃楽しみの一つはうどんを食べる事だった。その当時は子供心にもあのお店のうどんは美味しいし素うどん一杯のお客でも大切にしてくれると感じある一軒の店ばかりに通ったものである。其のうどん屋は旨くて親切でそして早く作ってくれた。現代に於ける商売企業のコツも此のうどん屋さんのやっていたことと何一つ変わらない。立派な商品を早くお届けし親切丁寧に使用法を説明する―斯うした心掛けで商売をするならば私は必ずそのお店は成功すると思う。又そういうお店が成功しなかったら不思議である。

  • 今日はプロ野球誕生の日
  • Memo-サービスの本質

二九日 理想ある政治を

政治には理想が大事です。日本をこうするんだと云う一本筋が十たものが無ければいけない。そう云うものが今は見られません。その場を適当に納めてやっているそういう状態です。未だ日本が世界で二・三十番目と云う事であるなら追いつけ追い越せと云う事でも目標も出来てきますが、すでに世界一・二位を争う様になっている以上其処により高い目標理想を打ち出す必要があると思います。例え世界で一番と云う事になったとしても日本にはもっと大きな役割があるんだからと云う事で、より高い理想を持ち力強い政治を行って行く事が必要だと思うのです。

  • 今日は仕事納め
  • Memo―現代日本の政治安倍政権は如何

山本七平人望の研究―近思録➡天下の事を公にすと雖も若し私意を用いてこれを為さば便ちこれ私なり」

*三一日 総決算

十二月は総決算の月。この時に当り一年の歩みを振り返りお互いの心のけじめをつけたいものです。此の一年良かったことは善かった悪かったことは悪かったと、素直に自分で採点しなければなりません。そしてこの一年は決して自分一人の力で歩んだものではありません。自分で気付かない処で人々の協力を得又思わぬ処で迷惑を懸けている事もあると思うのです。そんな周囲の人々の協力に対しては有難く感謝し迷惑を懸けたことに対しては謙虚に謝罪したいと思います。そうした素直な自己反省こそ次の新しい年の時分の成長にプラスする何かを必ず与えてくれると思うのです。

  • 2017年(H29)北九州テーマパークスペースワーヅド閉館 
  • 今日は大みそか 年惜しむ
  • 高浜虚子➡去年今年貫く棒の如きもの

29日項目のMemoに山本七平の著作から文言を引用して安倍政権の事に触れているがこのメモは安倍政権下に書かれたものと云うことになる。これを投稿したときは岸田政権の時で、既にご存じのように安部元首相は選挙応援演説中に奈良で兇弾に斃れた後である。犯人の言によれば政治信条等に反対しての凶行ではなくいわば、私怨によるものということらしい。政治家は一点の曇りのなきよう、念には念を入れて身の潔癖を図るべき存在でなければならないのではと考えさせられた次第。